復活の御挨拶はこちら。
【10.2.16.Tue】
オリンピックの隙間を縫って美容院へ。
大矢と美容院、といえば《抜粋なまもの日記》にも収録した「カリスマ美容師との戦い」が記憶に新しいが、いやもうかなり古いが、とにもかくにも美容院に行く度に火花を散らしていたものだった。なんせ「浜崎あゆみにしてください」という客の注文に対し「誰を?」と返してくるような美容師だったのだから。
だがしかし。1年近く前に引っ越したため、そのカリスマ美容師とは雌雄を決することなく別れる仕儀と相成った。そして今、利用している美容院は近所の小さなお店。ダンナの足でも歩いて行ける距離にあり、お姉さん一人でやってるのでダンナの事情を話して融通を効かせてもらえるというので選んだのだが、あたしが本を読んでるときは何も話しかけてこないとか、世代が近いのでヘアファッションの用語が通じるなどの長所もあり、すっかり行きつけになっていた。
しかし、やはりあたしにとって美容師というのは天敵であることが判明。
「今日はね、カットとカラーで」
「はい、前と同じ感じでいいですか?」
「うん、基本的には同じでいいんだけど……米倉涼子みたいにしてみようかなあ、って」
「誰が?」
何かい、名古屋の美容師ってのはみんな、だいたい通い始めて1年経つとこういう態度に出るってな風習でもあんのかい。それとも前のカリスマ美容師から何か連絡でもあったんかい。どうやら今回のお姉さんとも一度きっちり決着をつけねばならぬようだ。
【10.2.17.Wed】
カーリングとフィギュアスケートが同じ日にあると、家事も仕事も何もできないことが判明。〆切までの日数と、既に予定されている私用と、五輪の競技日程を見て、軽く顔面蒼白。ということで日記も省エネ版箇条書きシステムにします。
▼カーリングのチーム青森、スキップの目黒さんはトリノのときから数段キレイになった。
▼マリリンこと本橋さんも、トリノのときパッツンパッツンだった二の腕が細くなってた。
▼やはりあの年頃の女性というのは、当たり前のようにキレイになっていくものだなあ。
▼ところでスピードスケートのウォザースプーン、いつから頭頂部があんなに寂しく……。
▼男子フィギュア、ジュペールの失速に言葉をなくす。
▼「プルシェンコは4年経ってもプルシェンコでした!」アナウンサーの名台詞。
▼プルシェンコの演技が終わった瞬間、なんかもう、笑っちゃったよ。何だあの人。
▼そしてウィアーはやっぱり、シルクのブラウスで薔薇の紅茶を飲んでそうな妖婉さ全開。
▼信長のお膝元・清洲市で市民が集まって織田信成を応援していた。
▼が、「さすが、われらの殿!」というコメントははっきりと間違っている気がする。
【10.2.18.Thu】
今日も省エネ版で。
▼ダンナのリハビリ通院の日のため、ハーフパイプの決勝は病院の待合室で見る。
▼國母が転倒した瞬間、待合室にいた全員がいっせいに「あーーーーぁ!」と声を出す。
▼患者、付き添い、看護士、受付のお姉さん、通りがかった薬剤師まで、ホントに全員。
▼「この子にはメダルあげたかったねえ」という声があちこちで。待合室、100%國母支持。
▼しかし「ズボンは下げとった方が、しょんべんが楽だでなあ」というおじいちゃん、それは違う。
【10.2.19.Fri】
あたしの中の全尾張が泣いた。殿こと織田信成の靴紐が切れるという一件。
高橋大輔の銅メダルは嬉しいし、ライサチェクってば完璧でゾクゾクしたし、ウィアーはやっぱりウィアーだし、ジュペールの心中察するに余りあるし、「常に想像より点が低い小塚君」と「常に想像より点が高いプルシェンコ」には首を捻ったし……と、ホントに参加者の数だけ感想があるのだけれど、やはり織田君の一件に尽きる。
泣くだろうな、と思ってたらインタビューではやっぱり泣いてた。そりゃそうだろう。でもこっちも泣いたよ。いきなり演技を止めて、「え、どしたの、ケガ?」と思ってたら審判に靴を見せて。
メダルの可能性が殆どなくなったこと、最後まで滑っても大きな減点は避けられないこと、スケーティングのミス以外のアクシデントでそれが起きたこと、そしてよりによってオリンピックの場でそれが起きたこと──そういった状況で彼の心中を思うとやりきれないが、でも、あたしが思わず泣いてしまったのは、そこじゃない。
3分の中断が認められ、紐を直して、そして改めてリンクに彼が戻ってきた、その瞬間。
場内の、割れんばかりの拍手と、大歓声。
涙腺決壊。
あの拍手と歓声で、一気に感極まってしまった。自分が誰を応援してるとかどこの国の人間だとか、そういうのを飛び越えて、「頑張れ!」「あきらめるな!」「応援してるよ!」という拍手と歓声。
生中継だけじゃなくて、その後のリプレイやニュースなどで何度もそのシーンが流れる、その旅に涙腺決壊。二年分は泣いた。靴紐のアクシデントなんてアンタ、ご先祖様に言わせれば「是非に及ばず」ってなもんで、あの拍手を貰えたことこそ財産だろう。
それにしても今回の一件と言い、以前の飲酒運転のゴタゴタと言い、カウント外のジャンプを飛んで優勝を逃した日本選手権と言い、なんつーか、織田君てば軽くおっちょこちょいなことは否めない。実は高橋大輔の靴紐も切れかかっていたそうだが、彼の場合はこっそりスタッフが前日に替えておいたと言う。ここはやっぱり、常に側に控えてサポートしてくれる森蘭丸の子孫や、スケート靴を懐に入れて温めてくれる木下藤吉郎の子孫を探して、早急に織田君に付けるべきではなかろうか。
【10.2.20.Sat】
仕事&私用爆裂につき、箇条書きモードに戻ります。
▼今日は自転車チームの後輩、K務君の結婚式。徳川園のレストランというナイスな会場。
▼尾張徳川家の歴史を感じる庭園。なのに会場前には自転車とレーシングジャージの展示。
▼座席表。列席者の肩書きが軒並み自転車チームの名前。普通は友人とか上司とかだろう。
▼主賓はレースを通じての知り合い、乾杯の音頭はチーム監督。新婦側の戸惑いや如何に。
▼しかも主賓は「実はレース会場で会うくらいで、あまり親しくない」と暴露。
▼更に友人スピーチでとことん新郎を貶しまくるチームメイト。
▼曰く「K務君は遅刻魔で、10分20分ではなく2時間くらい平気で送れる」
▼曰く「彼の遅刻にはどれだけ迷惑をかけられたかわからない」
▼曰く「遅れてきた上に、練習が始まるとすぐに帰りたがるのも困る」
▼曰く「遅刻だけでなくドタキャンの常習者でもある」
▼ついに新郎のおばあさまが「それでも可愛い孫なんですぅ」とフォローに入る始末。
▼でもね、式当日になって「4時から花嫁行列するから来てね」とメールするような新郎だぞ。
▼そんなもん当日に急に連絡することじゃないと思うが。一事が万事。
▼挨拶で「これで家から自転車がなくなると思うと嬉しくて仕方が無い」と泣き出す新郎父。
▼友人のみならず家族にも迷惑をかけていたのかK務君。
▼結婚おめでとう。どうぞ末永くお幸せに。<最後だけいきなりこれか。
【10.2.21.Sun】
▼今日は月例茶話会。いつみ・かおかお・こいんの三婆……ごほごほ、三人娘が来訪。
▼ウェルカムスイーツを堪能した後は、今日はWii Fit Plus大会となる。
▼いや、ダンナのリハビリ用に自転車友人がプレゼントしてくれたんですけどね、これ。
▼そんな友情の証のWii Fit Plusに、嬉々として乗りまくる三婆。
▼「バランス年齢が28歳」という診断結果に気を良くし、更にハマる三婆。
▼最初はゲストモードだったが、ついに似顔絵作って名前まで登録することに。
▼月に一度しか来ないくせに、うちのwiiに似顔絵登録してどうすんだ君たち。
▼あらゆるゲームを試される。腰振りぃの羽ばたきぃの片足で立ちぃの踊りぃのハシャぎぃの。
▼だからこれはダンナのリハビリの……。自転車友人の友情の……。
▼と言いつつ、かおかおがスキージャンプで墜落し雪だるまになったときには腹筋吊るほど笑う。
▼あたしが楽しく機嫌良くいることがダンナのためにもなるんだから、これでいいのだと思い直す。
▼誰ですか「それはこじつけ」とか言ってる人は。
▼しかしこの月例茶話会とは、障碍を持ったダンナのためのお手伝いが目的で始まった筈だが。
▼ダンナがある程度自立してからは「優雅でセレブなマダムの昼下がり」を目指していた筈だが。
▼そんな茶話会の存在意義を全否定するかのような、まるで鶏小屋のような大騒ぎ。
▼しかも来月は「朝から集合して1日中Wii Fit」という計画まで出る始末。
▼リハビリ……優雅なマダム……。
【10.2.22.Mon】
カーリング女子のドイツチームに、女装したオリバー・カーンがいたよね? 絶対いたよね?
「平成22年2月22日22時22分なう!」とツイッターに書いてやろうと、虎視眈々とその瞬間を狙っていて、5分まえまでははっきり意識していたのに、なぜかその瞬間だけスコンと忘れ、気がついたのが5分後だったという……なんだか肝心なところでツボをはずす自分の人生の縮図を見ているかのようであったことよ。がっくし。
【10.2.23.Tue】
ひたすら仕事。
【10.2.24.Wed】
Wii Fit Plus のバランスゲームで、右片麻痺・身障者手帳1級所持のダンナに惨敗。リハビリの効果・身体能力の向上と考えれば妻として喜ぶべきところ……だが……だが…………腹の底から悔しゅうござるっ! 超自慢げなダンナの高笑いがもう、腹が立つのなんのって。
【10.2.25.Thu】
ひたすら仕事をしている。
【今週のご恵贈御礼】
「ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺4」(田中啓文・集英社・1995円)
「屍の命題」(門前典之・原書房・1890円)
「うさぎ幻化行」(北森鴻・東京創元社・1995円)
「蝦蟇倉市事件(2)」(米澤穂信/他・東京創元社・1785円)
「天霧家事件」(太田忠司・創元推理文庫・777円)
「蔵書まるごと消失事件」(イアン・サンソム・創元推理文庫・1260円)
「翡翠の家」(ジャニータ・シェリダン・創元推理文庫・903円)
「珊瑚の涙」(ジャニータ・シェリダン・創元推理文庫・1029円)
「金の羽根の指輪」(ジャニータ・シェリダン・創元推理文庫・1029円)
この3冊も頂戴したのだが、このうち今月の新刊は「金の羽根の指輪」だけ。左の2冊は同じシリーズの1冊目と2冊目である。一緒に送られてきた。なんでだ? あ、いや、もちろんありがたいのだが、なぜいきなりシリーズそろえて送ろうと編集さんは考えたんだろう。特にシリーズ書評の注文があったわけでもないし。ツイッターで「シェリダンの新刊楽しみ」と書いたので気を使って下さったのか。ありがとうございますありがとうございます。どっちももちろん既に持ってるけど。つか、読んでるけど。普及に使おう。
このシリーズは第二次大戦が終わってちょっとしたあたりが舞台。というより、そもそもその頃に書かれたコージーのシリーズで、1作目はNYだけど2作目以降はハワイが舞台になります。時代・場所ともにちょっと珍しいシリーズ。しかしこうして3冊ならべると、すっごくキレイねこの表紙イラスト。部屋に面陳してもいいくらいよ。
【10.2.26.Fri】
真央ちゃんの銀メダルにもらい泣き。
今回は男子フィギュアの4回転論争などもあり、女子でも、史上初めて女子でトリプルアクセルを2度(SPも入れれば3度)成功させた真央ちゃんより、総合ポイント特に演技構成点が高かったキム・ヨナに圧倒的な加点が与えられたということを鑑みるに、フィギュアスケートってえものがスポーツというより芸術面が重視されるようになったのかしらと思えてならない。
そしてそうなってしまった原因として。今はSPが「時間が短くて要素も少ないフリー」みたいな感じになっちゃってる(←素人の印象なので違ってたらごめん)せいがあるんじゃなかろか。つまり同じことを2回やってる、みたいな。今はピュアに技術そのものだけを評価する場がないよね? 昔はコンパルソリがあったのに。
それがいいことなのかどうかってのは素人の身にはわからないけど、個人的には「もっとスポーツとしても楽しみたい」というという気持ちがある。だからプルシェンコの「4回転を飛ばないんならアイスダンスやってりゃいいじゃん」というコメントは、まあ言い方の問題はあるにせよ、個人的な好みだけで言うなら実は賛成なんだよなー。
だってさ、表現とかさ、振り付けとかさ、アスリートとしての能力とはちょっとズレたところにある要素だと思うのよ。そもそも「曲の解釈」が採点に反映されるスポーツって、他にあるか? ダルビッシュの投球フォームがBGMと合ってなかったからってストライクがひとつ取り消し、みたいなことだぞそれ。
だからここで提案。いっそ、SPは純粋に技術の優劣を「印象抜きで」争う場にしたらどうだろ。基本的に全員で同じプログラムに挑戦して、半回転でも多く回った方が勝ち、1cmでも高く脚を上げた方が勝ち、一定時間にスピンを1回でも多く回った方が勝ち、1秒でも長くスパイラル粘った方が勝ち、みたいな。音楽も無し。つまり、体操に喩えるなら氷上の床運動だ。分かりやすいと思うが。そうしてフリーは逆に、芸術面全開で採点するのよ。つまりこれで技術と芸術が均等に評価されるという次第。
そうなるとSPでは衣装だって、空気抵抗だの何だのが考慮され、スピードスケートみたいな格好になるかもしれない。真央ちゃんもキム・ヨナも全身タイツ。そして全身タイツから一転、フリーは一気にこれでもかってえくらいきらびやかになるかと思うと、それはかなり面白いんじゃないか?
心配があるとするなら、全身タイツなんか着たくないという理由でウィアーが参戦を取りやめる可能性があるってことか。しょうがない、ウィアーにだけはフリルと背中開きを認めよう。
ところで(ツイッターに書いたネタだが)、今後もしもキム・ヨナのドキュメンタリー番組が作られるとしたら、タイトルは「世にもキムヨナ物語」にしたらいいと思う。
【10.2.27.Sat】
それにしてもバカ陽気が続いている。昨日は最高気温が20度を超え、今日もまたぽかぽか。今日は車で段ボールをリサイクルステーションまで運んだんだが、その帰り、車内が暑くて思わず冷房を入れそうになった。「2月に冷房って!」とすんでのところで思いとどまり、窓を全開にして走る。気持ちいい。が、2月に車の窓全開って、充分おかしいよなあ。
さて、毎週土曜日は家庭の事情でコメダ珈琲で仕事に励む大矢。ケーキ類を食べる習慣がないので、いつもはコーヒーかカフェオレかコーラの3択なんだが、ふと思い立って、生まれて初めてシロノワールを注文してみた。と言ってもひとりなのでミニサイズの方。直径9センチ。
チンした暖かい丸パン(ごく普通のパン。スポンジとかデニッシュとかじゃなくて、パン)を6等分、その上にソフトクリーム(アイスだよ)を載せたという、ただそれだけのもの。そこにお好みでメープルシロップ。
あ、写真奥の小さな袋は、名古屋の喫茶店で飲み物を頼むとデフォルトでついてくるおつまみです。
さて初シロノワール。どうやって食べるんだ?とまず悩む。とりあえずソフトクリームをスプーンですくって一口。冷たい。思い切り普通のソフトクリーム。そして次にパン(ソフトクリーム付き)をフォークで刺してパクリ。
うわ、温かい! そしてソフトクリームが冷たい! あったかい! 冷たい! うわあ、なんつーか、えっと、なんだこれ。でもまずくはない。断じてまずくはない。つか……美味いぞ?! えええ、ぬくいパンに冷たいソフトクリームを乗せただけなのに、すっげえキッチュなのに、なんか美味いぞ?! 美味いっつーか、懐かしい感じ?
これは何なのか、ちょっと手と口を止めて落ち着いて考えねばなるまい。そう思ってカフェオレを一口。……と、ややや! 落ち着いてちゃいかんがや、ソフトクリームがパンに接した部分から融け始めとるがや! そりゃそうだパンは温かいんだからそりゃ融けるわ。急ぐ。ばくばく食べる。「甘いもの苦手だからミニサイズでも果たして食べきれるかどうか」と心配していたのだが、それどころか、「急いで食べねば融ける!」とばかりにそこからは一気食いだ。味わうとか量を加減するとかやってる暇はない。
いや、美味かったよ。初シロノワール、予想以上に「なんか懐かしい味」って感じで美味かったよ。ただ、みんなこんなにばくばく食ってるのかこれ? あたしが初体験だったが故に、何か方法論を間違えたような気がしてならんのだが。
名古屋歴14年にしてなぜ初めてシロノワールを注文したかと言うと。きっかけはもちろん「甘栗と戦車とシロノワール」発売記念である。シロノワールが文芸書のタイトルになるなど、名古屋市民で想像した者はいないだろう。著者以外。
著者の太田忠司サンはお友達であるが故に、ここはあたしも一肌脱がねばなるまい。おりしもツイッター上では読者の間で「コメダに行ってこの本をテーブルに置き、シロノワールを注文する」という試みが言及されている。それはまずお膝元でやらねば! 知り合いのあたしがやらねば! と思った次第だ。ビバ友情。
まあ、コメダに入ったあとで急に思い立ったが故に、「甘栗と戦車とシロノワール」をその場に持っていなかった、っつーか、まだ買ってもいなかったというのが痛恨と言えば痛恨なのだが。<って、意味ないじゃん! よし、来週はちゃんと持って行くよ。
ところでこの本の表紙イラスト、シロノワールはいいんだが、グラスが……。ここはやはり蓋付き球体グラスであって欲しかったなあ。あと、ソファの色はワインレッド、テーブルは木目であるべき。ということは、この表紙の甘栗君はシロノワールをテイクアウトして他所で食べていることになるが……本編で確認しよう。
96〜99年のなまごみ日記は、なまごみ処理機に格納されました。
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