山崎ぶたぶたリターンズ。これまでの2作を読んで、「ぶたぶたは長編より短編向きだよな」と思っていたのだが、撤回します。ぶたぶたは、長編より短編よりスケッチ向きだ。
なみだ研究所へようこそ・鯨統一郎(NONノベル)
「なみだ研究所」はサイコセラピスト・波田煌子が経営するメンタルクリニック。そこへ就職した松本君だが、波田先生の療法にはどうも納得できない。しかし波田先生は小さなヒントから患者の秘密をどんどん見抜いてしまうのだった!
大学時代のアメフト部の仲間は、年一回の同窓会を開いている。ところが、その帰り道で哲朗は当時の女子マネージャーと出くわした。彼女は大きな秘密を抱えており……。
ミステリなふたり・太田忠司(幻冬舎)
「氷の女」「鉄女」の異名を持つ愛知県警捜査一課の敏腕女性警部補・京堂景子。同僚は皆、彼女の冷徹な言葉に怯え、上司ですら彼女には逆らえない。しかしそんな彼女も、家に帰れば年下の夫にメロメロのラブラブ。おまけにこの「年下の夫」が名探偵だった!
てんたまおや知らズどっぺるげんげる・笙野頼子(講談社)
これは「ドン・キホーテの『論争』」とセットで読まれることをお薦めする。純文学擁護──ひいては「文士の森」擁護のために闘った筆者の分身(?)によるモノローグ小説。いずれも「論争」の背景なしには理解はおぼつかない。いや、勿論これらは「小説」なわけだから解釈は読者次第だし、そう簡単に理解されてしまっては「新難解派」の名前が泣くというものであるが(笑)。
MAZE(めいず)・恩田陸(双葉社)
ここはアジアの西の果て。丘の上に立つ白亜の「建物」。中に入ったら人が消える、という言い伝えがあるという。そこへ、恵弥・満・スコット・セリムの4人がやってきた。恵弥は満に、人が消えるという事象の分析を依頼するが──。
早春の少年〜伊集院大介の誕生・栗本薫(講談社)
名探偵・伊集院大介が14才の頃の物語。彼はその時「平野」という小さな町に引っ越してきた。そこで出会った地元の中学生たち。そして起きる事件。14才の伊集院大介が「どうして僕はまだ14才なんだ」と苦悩しながらも謎を解く。
新世紀犯罪博覧会・新世紀「謎」倶楽部(カッパノベルス)
1986年、S県今北市で開催された地方博覧会にて、「21世紀最初の元日に手紙を届けます」という企画が行われた。そして、十五年後に届けられた手紙が事件を呼ぶ──気鋭の本格ミステリ作家たちが同一テーマで書いた競作。
動かぬ証拠・蘇部健一(講談社ノベルス)
うわははははは\(^o^)/。最後の一ページでオチが分かるという短編集。嫌いじゃない。こういうのは決して嫌いじゃないぞお\(^o^)/
とにかく収録作が贅沢である。本格推理からナンセンスものまでミステリと名のつく作品が目白押しだ。
ぶたぶたの休日・矢崎存美(徳間デュアル文庫)
今回は短編3本と、【お父さんの休日】と題された多視点からの「ぶたぶたの一日」が描かれる。この「多視点」というのが、つまりはスケッチなのだ。そして、このスケッチが一番面白かったのよね。勿論、他の短編がつまらないということではなくて文句無しに面白いのだけれど、それでも今回の真骨頂はこのスケッチにあるような気がする。クライマックスや結末のあるストーリーなんて、ぶたぶたに限っては要らないんじゃなかろか。自分の日常に、突如飛び込んで来るぶたぶたと、その時の気持ちを描くだけで。
特に今回の【お父さんの休日】は、これまでにない大きな変化がある。ラストのレストランのシーンだ。ここでは、登場人物全員(3人の例外はあるが)が「ぶたぶた初対面」なのである。これまでは主人公以外はぶたぶたを当然のものとして受けとめていたが、ここへ来て初めて「全員が普通の反応」を示す。これは初めてだよな。そして、この初めての手法が、これまでにない笑いとこれまで以上の和みを産んでいるのだ。これは必読である。
収録作3編【約束の未来】【評判のいい定食屋】(揚げ茄子の甘酢あんかけ食べたい!)【女優志願】は、どれも黄金パターンで安心して楽しめる。惜しむらくはどれも、マリッジブルー・浮気の心配・夫婦仲の問題、という非常に似通った舞台──恋愛がらみの女の話だったことかな。もっと色々な場で色々な人に絡ませて欲しいぞ。プロスポーツ界とか、裏の世界とか、政治の舞台とか、NASAとか(笑)──いっそのこと捕物帳なんてのも、すごく面白そうなんですけど。
(01.5.27)
時々ワハハと笑いながらサクサク読めるんだけども、何だかなぁ……けっこう無理矢理ってのも多くありませんか。ま、こういうタイプの話だからそれもアリなんだろうけど。個人的な好みの話だけど、波田先生と松本君という主要人物2名の両方にどうしても好感が持てなくて、それで楽しめなかったというのが大きい。だって、波田先生って単に状況判断のできないワガママな女だし、松本君ってのは思いこみの激しいオコチャマにしか見えないのよ。いや、もちろんフィクションだから面白おかしくデフォルメして書いてるのは分かるんだけどさ、それでも、彼らが自分の職場や家族にいたら、腹が立って仕方ないだろうなぁと思ってしまうのだ。
ま、キャラへの不満はさておいて、謎解きの方はどうかというと
【アニマル色の涙】これって単なるダジャレじゃないのかオイ。
【ニンフォマニアの涙】真相が分かった理由よりも、この診断で当たってたってのが不思議だ。
【憑依する男の涙】このオチはけっこうツボ(笑)。思わず笑ってしまった。
【時計恐怖症の涙】謎解きはキレイだけど、時計との結びつきがイマイチ。
【夢うつつの涙】この謎解きは好きなんだけど……だからどうしてこの真相が見抜けるんだ?
【ざぶとん恐怖症の涙】あ、これはキレイだなあ。あたしも騙された。
【拍手する教師の涙】謎解きより何より、こういう症例ってホントにあるのか?
【捜す男の涙】いや、だから、絶対無理があるって!
(01.5.27)

片想い・東野圭吾(文藝春秋)
これまで色々なところで、あたしは東野圭吾のファンだと公言してきたが、彼の本で泣いたのはこれが初めてである。ラストの、別れ間際のシーン。その後の、絵はがきのくだり。何とも言えない、透明感溢れる愛情。切なくて、悲しくて、でもどこか暖かい愛情。本を閉じて暫くの間、心に立った細波のような感動を押さえられずにいた。
性同一障害を扱った話であることは論をまたない。しかし、中核はそこにはないような気がする。たまたま「美月」という人格を中心に据えて話が進んだが、「男の世界」に拘った哲朗も、自らの最も大切なものは何かを摸索する理沙子も、過酷な運命を背負った睦美も、性同一障害の子供を持ってしまった親たちも、いや、もっと言えば、保身に走りつつも自分にできることをやろうとする須貝すらも、この話に出てくる人は皆、「こうありたい自分」と「現実の自分」の間で戸惑っている人ばかりなのだ。いや、「こうありたい自分」と「現実の自分はこうだ、と思っている自分」と「現実の自分はこうだ、と周囲が思っている自分」の間で揺れていると言ってもいい。自分が自分らしくいられないことを、誰かのせいにしてはいないか? 自分らしくありたいと思いつつも、他人の尺度で自分を見ようとしていないか? その人らしさ・自分らしさに、無理な定義付けをしようとしていないか? 読み進むほどに、強烈な楔が胸に打ち込まれる気がした。美月は果たして、どっちなのか。それを決めるのは誰なのか。いや、どっちか決めることにそれほど意味があるのか。
勿論、ミステリとしての緻密さも文句無しだ。これだけの題材を扱えば、どうしてもミステリ的醍醐味というのは薄れてきてしまい、謎解きだの何だのよりも社会的テーマの方が前面に出てきてしまうものだが、きっちりミステリとして最後まで読ませるあたりは流石である。
今年の上半期ベストは決まりだ。とにかく読め。そして願わくば、「性同一障害の話なのね」と括ってしまわないで欲しい。繰り返すが、性別だけの問題ではないのだ。男としてだの女らしくだの、そういうことだけではなく、その人らしくあるというのはどういうことなのか。その問いかけを受けとめて欲しい。
(01.5.28)
うわははははは\(^o^)/。「人間を描く」本格ミステリ作家・太田忠司が、「人間を描く」のを放棄して「キャラ立ち」に専念した一冊である。いやぁ、正直言って最初の2編──【ミステリなふたり】や【じっくりコトコト殺人事件】を読んだ限りでは、「なんだこの女は」という思いが先に立ってしまったのだけれど、【エプロン殺人事件】から俄然面白くなった。つまり、職場での景子と家での景子の落差がハッキリしてきたあたりから、面白味が増したということだ。これよこれ、この職場での描写がなければ景子は単なるおバカなワトソンに過ぎないのだが、鬼をも泣かすヤリ手キャラと、ラブラブファイヤーな妻の二面性は魅力だなぁ。職場の景子なんて、モロに「バンコラン」じゃないですか(笑)。
そもそも、あたしが気にいる女性キャラってのは、「仕事(主婦業や、学生の勉強も含む)を人並み以上にキチンとやっている人物」というのが大前提なのよね。そういうのをさておいて、謎解きやら恋愛やらを優先させるキャラが苦手なのだ。そういう意味でも、この京堂景子のキャラはツボである。
謎解きは小粒ながら、どれもキレイ。こういうアームチェア・ディテクティブにありがちな「どうしてそれだけで断言できるのよ」という弱さもなく、おおっと膝を打つものばかり。特に最後の【ミステリなふたり Happy Lucky Mix】にはものの見事にダマされた。文句無しにヤられた。考えてみれば非常に「ありがち」な騙しなのだけれど、それにひっかかったってことは、そこに至る「物語」に取り込まれてたってことなのよね。うん、お見事。
(01.6.1)
収録作は【てんたまおや知らズどっぺるげんげる】【文士の森だよ、実況中継】【ここ難解過ぎ軽く流してねブスの諍い女よ】【リベンジ・オブ・ザ・キラー芥川】の4編と、主人公・沢野千本による妖怪辞典。この妖怪というのは即ちマスコミや文壇に巣くう「純文学を亡き者にしようと企む者たち」である。また各編はいずれも「論争」最中の著者の脳内中継がベースとなっており、外的な事象と脳内の思考とを分け隔てなく描写していくというもの。
内容自体への感想は「ドン・キホーテの『論争』」とかぶるのでそちらを参照されたいが、なるほど、著者が前面に出てくる論争とは違って、こういう形で作品に消化してしまうと一枚フィルターがかけられた感じで、客観的にも見え、また違った感触を受ける。主人公・沢野千本の「脳内実況中継」的なモノローグ垂れ流し風文章も、下手な人がこれをやると目も当てられなくなるのがオチだが、そこはさすがに笙野頼子、「芸」の域にまで達しているぞ。これだけ読みにくい筈の文章が(オイ)するすると流れるように頭に入り、目に心地いい。文学とは日本語の文学であり、日本語を使ってなしえる表現の実験の場であるということを認識。
(01.6.5)
舞台設定のせいか、どことなく「puzzle(パズル)」に似た雰囲気もある。恵弥が満に対して「安楽椅子探偵」を依頼するシーンがあるために「これは幻想ホラーではなく、最後は論理的に謎が解かれるんだ」と思って読み進めたのだけれど、読んでる最中にはもう、著者のホラー的描写の達者さに圧倒されて、ホラーでも本格推理でもそういうジャンル分けはどうでもいいやという気持ちになった。夜のテントでの出来事には、ぞぞ気がふるいましたわいな。と同時に、「仮説」を立てる満のセリフには「なるほどそうか!」と膝を打ち、本格推理の論理性とホラーの幻想的な恐怖とがないまぜになって、何とも言えない期待感の内に物語はクライマックスへ。
この「結末」については、賛否両論あるかもしれない。あたしはどうも、何だか無理矢理というか、話を膨らませ過ぎてこうするしかなかったのかというか、どうにも「とってつけた」ような解決のような気がしたんだけどなあ。そもそも、こういう状況なら何のために満を同行させたの? 単に恵弥の元同級生というだけの一般の日本人が、ここに居合わせる理由は何なの? どうにも話が膨張しちゃって、ディーテイルが散漫になってしまったような。
とはいうものの、もちろん無理なだけの結末ではなくて、そこにちゃんと「ゾゾッ」とするような解釈を与えてくれるのが恩田ワールドである。やはり恩田陸は「巧者」なのだ。
(01.6.6)
徹という名の、当時の同級生の視点で話が進む。田舎に生まれ、そこで育ち、そこで結婚してそこで死ぬという、地方に行けばいまだに何の疑問も持たれずに残っているような文化。そんな中に放り込まれた伊集院だが、何というか、横溝正史の因業ドロドロの世界を今時の子供の目からライトに見たらこんな感じ? という雰囲気だ。ま、30年も前の話だから「今時の子供」てのは変なんだけど、学校生活やら宅地開発やらという「現代」に、横溝の「土地に巣くう怨念」を持ってきたらこうなるか、というところ。
伊集院モノにしては、謎解きの醍醐味は薄いと言える。読者も一緒になって推理に参加できるような類のものではない。土地の昔話だの、伊集院大介の「苦悩」だのも、うざったいと言えばうざったいし、新人がこれをやると「文章や表現が冗漫でこなれていない」と言われるのではないか、ってくらいなんだけど(笑)、それを読ませてしまうのが栗本節である。いつしか読者は若き日の伊集院大介にシンクロする。大人になれば警察は僕の言うことをきいてくれるのか。僕が14才でしかないのは僕のせいじゃないのに、14才というだけで信頼されない。早く大人になりたい──自分がそう感じていた時代を、いきなり思い出させる「冴え」がそこにある。まだ青く、若い伊集院大介。誰もやらないことをしたい、僕は完璧でなくてはならない。おお、あの飄々とした伊集院大介にも、こんな「若い」時代があったのね。
謎ときだのミステリーだのより、そんな若い日の名探偵を、そして若い日の自分をいとおしみながら読みたい一冊。
(01.6.8)
【二十一世紀の花嫁】歌野晶午:幸せな家庭に舞い込んだ、一通の年賀状。それは妻あての、男性からのラブレターだった──うわぁ、よく練られてるなあ。盛り上がるサスペンスも謎も言うことなし。ただ、結末が暗すぎて読後感が悪い(泣)
【もっとも重い罪は】篠田真由美:別れた妻の甥が、古い手紙を持って現れた。差出人に心当たりがないかというが──あああ、これ好きだあっ! 真相とかトリックとかもキレイなんだけど、それ以上に、何とも言えない切なさが……。冷静に考えれば何とも救いのない話で、それは【二十一世紀の花嫁】の読後感にも通じるものがあるんだけど、こっちはその救いのなさを補ってあまりある《無垢の魂》が涙を誘うのだ。イチオシ。
【くちびるNetwork21】谺健二:と言われれば、あたしもついついワンコーラス歌ってしまうクチだ。可愛かったよなぁ岡田由希子。当時大学生だったあたしは、「笑っていいとも!」の放送中に流れた臨時ニュースのテロップで彼女の自殺を知ったのだった。午後から大学に行ってその話をしても、最初は誰も信じてくれなかったっけ──と、本編とはまったく関係のない話でした。失礼。書きたかったもので。何故クチビルを──というのは若干無理があるような気がしないでもないけれど(だってちょっとしたことで変わりそうじゃない? そんなことないのかな?)最後に明かされる被害者の心には感動。あたしは結局のところ、罪を犯す人間の心に踏み込んだ話が好きなんだな。それがキレイな心であれば尚更。
その他、【人間空気】二階堂黎人、【滲んだ手紙】柄刀一、【疑惑の天秤】小森健太朗を収録。
(01.6.18)
ただ、こういう趣向なら、ひとつひとつの話はもっと短くてもよかったんじゃなかろか。例えば岡嶋二人の「ちょっと探偵してみませんか」のような。そうすると更に切れ味が増したような気がするんだけど。一ページでオチが分かるということは、いずれもそんなに複雑なネタではないということで、幾重もの伏線が絡み合ってる事件ではないわけだ。だったら、出題編にあまり枚数を裂かない方がスッキリするんじゃないかなと思った次第。では、一言ずつ。
【しゃべりすぎの凶器】オチのページ、夜中に見ると心臓に悪い。
【逃亡者〜片腕の男】ネタそのものよりも、この絵は……××っぽく見えないんだけど。
【黒のフェラーリ】犯人は冷凍庫の中をあちこち掃除したりひっくり返したりしてるんだから、こういうのってとっくに崩されてそうな気が。
【天使の証言】ページをしっかり開いてなかったせいで文字に気づかず、最初は意味が分からなかったわ。
【転校生は宇宙人】うーん、ひっぱった割にはシンプルな結末。
【宿敵】肝心の《答》が×××なのは分かるんだけど、どうしてこの人、指が6本あるんだろう(笑)。
【宇宙からのメッセージ】これ、ネタは割れちゃったんだけど、好きな話。
【逆転無罪】ぶわっはっはっはっは\(^o^)/。意味が分かった途端、噴き出した。これ、いいっ! これ、大好きっ! っていうか、マヌケにもほどがあるだろ>刑事。
【リターン・エース】少し弱くないかな? ホンの20分間くらいのことでしょ?
【再会】これもバカバカしくて好きだなあ(笑)。なんかこれ、ドラマになりそうじゃない?
【変化する証拠】ダイイングメッセージについての講釈が鬱陶しい。
(01.6.19)
山田風太郎コレクション1〜天狗岬殺人事件・山田風太郎(出版芸術社)
まず本格推理のエリアでは、【天狗岬殺人事件】【この罠に罪ありや】【夢幻の恋人】【二つの密室】の四作。大がかりなトリックを駆使したものから、心理的なトリックまで幅が広い。この時代ならではの独特の雰囲気が、本格推理というよりも「探偵小説」めいた色づけをしていて、それも味わい深い。
ナンセンス・ミステリのエリアでは、【パンチュウ党事件】【こりゃ変羅】【江戸にいる私】【贋金作り】の四作。【こりゃ変羅】は不随意筋である男性のアソコを自在に変化させられるようになったというバカバカしくもシュールな設定に笑えるし、【江戸にいる私】は忍法帖シリーズを彷彿とさせる時代物ならではの面白さがある。
【三人の辻音楽師】【新宿殺人事件】【赤い蜘蛛】【怪奇玄々教】【輪舞荘の水死人】の五作は、一族を皆殺しにされた少女を中心とする三人組が仇討ちの相手を捜してまわるというシリーズもの。しかしてその中身は、しっかり謎解きミステリである。本格の王道を行くかのようなトリックが楽しめる。
そして【あいつの眼】【心中見物狂】【白い夜】【怪真夏の夜の夢】は、よりサスペンス色の強いミステリ群だ。大がかりな物理的トリックやら、あっと驚く結末やら、複雑極まる恋の悲劇やら、思わず「ごちそうさま」と言いたくなるほどのフルコースである。
これだけのものが一冊に集まってるんだから、これは読まねば損でしょ。
(01.6.21)
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