なまもの日記

2000年7月後半 〜恩をアダルトで返す〜


【00.7.16.Sun】
 反響の大きかった13・14日の日記の確率の問題。「なぜ掛けるの?」という疑問についても、たくさん説明メールを頂きまして、ホントにありがとうございました。どれくらいメールが来たかってあーた、確率を理解してないのは日本であたしだけかもしれないってくらい来ましたわ。トホホ。前回同様、とても個別にお返事メールを書けるような状態じゃないので、ご勘弁下さいませね。
 中でもI川Y平さんの説明が分かりやすくて、こんな大矢でも何となく理解できたような気になったから凄い。何かお礼をしたいので、なまもの読者の中に栃木県にある美味しい豚骨ラーメンの店を御存知の方がいらっしゃったら、情報をお寄せ下さい。いや、I川さんが探してるそうなので(笑)← 完全にサイトの私物化だな ← もともと私物だって。

 さて、そのI川さんが、面白い(と、本人は言ってるけど算数オンチにとっては面白いどころか脳味噌がフリーズするっちゅーねん)確率の問題を送って下さいまして。いやもう、これが何というか、考え出したら頭の中に無数の蛸が蠢いてるような、ぐちゃぐちゃの状態になりまして──でも、今回の一件でなまもの読者には何故か算数好きが多いことも分かったので、せっかくだから紹介してしまおう。2問頂いたんだけど、とりあえず1問だけ。

  ジョーカーを除いたトランプ52枚の中から1枚のカードを抜き出し、伏せておく。
  残りのカードをよく切ってから3枚抜き出したところ、3枚ともスペードだった。
  このとき、最初に引いたカードがスペードである確率はいくらか。
  一番最初に取り出したカードは52枚から1枚取ったのであって、後から抜いた
  3枚は何の関係もないからと、4分の1として良いのか?

 ……良いんじゃなの? ダメなの? どうもねぇ、最後の「4分の1として良いのか?」という一文が気になるんだよね。どうしてわざわざこういうことを書いてるんだろう。3行目で終わってれば自信を持って「あとの3枚は関係ない、答えは4分の1!」と言えるのに、最後の一文があるばかりに「え、違うの?」という不安感が煽られるのよ。流れ者が決闘を挑んできたぜ ← これは保安官を煽ってます。
 そもそも、こういう余計な一文がついてると、「4分の1じゃないんだよ、そんなに単純じゃないんだよ」と受け取ってしまうのが人情だ。だがしかし。どんでん返しが身上の本格ミステリを読み慣れた者としては、これこそミスディレクションだと言い切ってしまおう。「ほんとにそれでいいのね?」と念押しされると、つい迷ってしまうという心理を逆手にとって誤答を導こうとするテクニックに違いない。
 よって、結論。4分の1でいいんです。それが本格ミステリです。

 有栖川有栖「幽霊刑事」読了。

【00.7.17.Mon】
 え、49分の10?──あ……なるほど……。

 今日1日のトップページのhit数が、なんと2,693 おそるべし浮遊工作室。ええ、奥様とお子様方にウケて頂ければ、あたしはそれだけで本望ですとも。

 所用や買い物でアチコチ回らなければならなかったので、桑名の変態友人Gに車を出して貰う。買い物の途中でダンナの実家に寄り、義母より食料だの何だのを貰っての車に積み込んだ後で、ふと気付く。

義母から見た今のあたし → 夫がいるのに、他の男の車で夫の実家に乗り付ける嫁

 あわわわ。しかしまぁ、と義母は面識もあるし、「本をお出しになったんですって? 題だけ拝見しましたよ、中身は読んでないけど」と友好的な(?)会話も交わしてるし、妙な誤解もしないだろう。
 ところが。その後、変態友人Gとスーパーに行き、ブラジャー売場で遊んでいたら。何とそこで、さっき別れたばかりの義母とバッタリ出会ってしまったのだ。

義母から見た今のあたし → 夫がいるのに、他の男とブラジャーを吟味している嫁

 ……ぐはぁ。だってアンタの息子は仕事が忙しいからって買い物を手伝ってなんかくれないんだもんしょうがないぢゃん!と思いつつ、「お義母様、お荷物をお持ち致しましょう」と妙にへりくだる嫁である。あたしはこのまま大矢姓を名乗っていられるのだろうか?

 岩崎正吾「探偵の冬 あるいはシャーロック・ホームズの絶望」読了。10年待たされたぜ。

【00.7.18.Tue】
 郡(コオリ)さんという方からご案内を頂き、リンクのページ「BOOK REVIEW GUIDE 本の評判」を追加。メールを頂いてからすぐに拝見したのだが、これはかなり使えるサイトと言っていいだろう。一言で言えば、特定の本の書評掲載紙(誌)が分かるのである。例えば「壬生義士伝」(浅田次郎)でキーワード検索すれば、「壬生義士伝」の書評がに何に掲載されたか(地方紙なども含めて)分かる。逆に特定の雑誌や新聞に何の書評が載っているかも調べられる。当たり前だが、そこに掲載されている書評そのものが読めるわけではないのでご注意を。

 思いの外、一昨日の確率クイズの反響が大きいので、せっかくだからI川Y平さんから頂いた2問目も紹介してしまおう。あたしの周囲では、こっちの問題の方が紛糾してるのよね。1問目はダンナがアッサリ正解を出してしまって、説明されたらあたしも分かったんだけども、こっちはどうも納得できず。

  A,B,Cの3人の囚人がいる。このうち、2人が処刑されることになっているが、
  具体的にだれが処刑されるのか、囚人は知らない。そこで、囚人Bが看守にたずねた。
  「AとCのどちらか処刑される者の名前を教えて欲しい。AとCのどちらかは確実に
   処刑されるわけだから、それを私に教えても、私自身について教えたことにならない」
  看守はBが言ったことに納得したので、「Aが処刑される」と答えた。
  この答を聞くまでは、Bが処刑される確率は2/3だったが、今はA以外に処刑されるのは
  自分かCのどちらか一方であることが分かったので、確率は1/2になった。
  処刑される確率が2/3から1/2に減ったのだから、Bは喜んでよいのだろうか。

 何が納得できないってあーた、「Bは喜んでよいのだろうか」という出題である。ウチのダンナは「喜んでいい」って言うんだけどさ、罪を犯して服役してるんだからまず償うことを考えるべきであって、自分が助かるかどうかを喜んでる場合じゃないと思うぞ。ここで喜ぶのは、人道的にかなり問題があるんじゃないのか、おい。(そーよ答えが分からないから理屈こねて逃げてるだけよほっといてよッ)

【00.7.19.Wed】
 36.9度ってあーた、体温とか焼酎の度数の話じゃないのよ、今日の名古屋の気温なのよ。風呂なら40度でも極楽極楽なのに、湯が空気に変わっただけでどうしてこんなに辛いかね。しかし、何に一番暑さを実感したって、夕方の天気予報だ。「明日の名古屋は、今日より2度低い35度の予想です」って……2度下がって35度って……ぐはぁ。♪3度上がって2度下がる ← 365度のマーチ ← 暑!

 氷川透「密室は眠れないパズル」読了。
 パズルだけじゃモノ足りないとは言え、こういう正面切っての品のいいパズラーってのは、結構好きだ。最近は本格ミステリも進化(と言っていいかは分からないが)しちゃって、ミュータントみたいな作品まで出てきちゃってる感があるが、たまにこういうのを読むとホッとするなあ。寧ろ懐かしさすら感じでしまうぞ(笑)。
 ただ、この「密室は眠れないパズル」に限った話ではないのだけれど、特に講談社ノベルズや東京創元社から出てくる《本格》と銘打たれた新人作家さんたちに共通する性格として、初手から読者を限定してる気がするのよね。クィーンやカーで育って来て、島田荘司の登場に喜び、綾辻・有栖川を拍手で迎えた、そういうタイプの読者専用とでもいうか。ルールは言わなくても分かってるでしょと言った雰囲気のパズラーは前からあったのだけれど、それがここへ来て、ルールを知ってるのは当然として、更にそこから《本格》はどう変化したかまで知ってる読者向け──つまりは同志向けの小説が増えたように思えて。
 もちろん、それはそれでいいのだ。実際、そういう読者もたくさんいるんだし、あたしもそうだし(クィーンやカーは言うほど読んでないけどさ)。ただ、須らく古典から入って年代順に読んでいかなければ分からない、って事になるのはキビシイよ。「まずはYの悲劇を読んで」「占星術から入らなきゃ」「とりあえず、十角館は読んだ?」の次が欲しい。本格バージンが楽しめるようなもの、本格バージンを本格というジャンルに引っぱり込めるようなもの、そういう作品を書ける新人作家が、そろそろ出てきて欲しいな。キャラ萌えでひっぱり込むのは別としてね(笑)。この「密室は眠れないパズル」の氷川透氏や「ウェディング・ドレス」の黒田研二には、そのあたりを期待しているのだけれど。

【00.7.20.Thu】
 一昨日の《確率クイズ第2問》にも、たくさんの解説メールありがとうございました。「全てのありうるケースを調べ上げて、その中で該当するものがいくつあるのか数える」という力ワザの解き方を教えて下さったT田さんの説明が分かりやすくて助かりましたわ。

 美容院に行って、10年ぶりにショートカットにした。おおお、うなじに風が通るぜ。これから暫くは、美人巨乳主婦あらため美人巨乳美うなじ主婦だな。で、カットの最中の美容師さんとの会話。

 「大矢さん、もう二千円札は見ました?」
 「いえ、まだなんですよ」
 「あたしもまだなんですよ〜。欲しくて、わざわざ買い物に行ったんですけどね」
 「あ、お釣りで貰おうと思って?」
 「そうそう。だから、4千円ちょっとの買い物して、1万円札を出したんですよ」
 「ふんふん」
 「そしたら、お釣りが5千円札で来ちゃった」
 「……普通、そうでしょうね」
 「でも、早く実物を見たいなあ」
 「少ししたら、普通に出回るようになりますよ」
 「でも、早く見てみたくありません? 沖縄の凱旋門

 ……美容師さん、どれだけ二千円札が出回っても、それは無理だ。

【00.7.21.Fri】
 義母が探していた超音波で蚊を寄せ付けない携帯用蚊よけグッズを見つけたので、購入。説明書きによると、人間の血を吸う蚊ってのは、産卵前のメスだけなのだそうだ。でもって産卵前のメス蚊ってのはオスを嫌うそうで、やることさえやっちゃえば男なんて用ナシよという、まるでコトが済んだら背中を向けて煙草を吸うようなヤツである。このグッズはオスの蚊が出す周波数──どうも羽音らしいのだが、5000〜9000Hzの音波を出し、産卵前のメスが寄りつかないようにするという仕組み。
 ただ、この話をウチの義母から聞いた桑名の変態友人G自分の日記(7/17)で書いていたが、産卵前の蚊はいいとして、身ごもっていない発情期のメス蚊がオスの羽音につられて集まってきてしまうのではないだろうか。やりたい盛りのピチピチうれうれのメス蚊が6本の脚を大きく開いて「カモ〜ン♪」と……刺されないとはいえ、イヤだろそれは(笑)。
 で、ちょっと蚊の生態について調べてみたら、「所さんの目がテン」サイトの中に蚊についてのコーナーがあった。そこにはこんなことが書かれているではないか。

蛹は3日ほどで羽化して成虫となり、その24時間後には、もう交尾を行うようになる。

 早!成虫となった24時間後には交尾! ってことは、例えば女の子が初潮を迎え、夕餉の席にはお赤飯が出され「そうか、この子ももう大人なのね、早いものねぇ」と両親がシンミリした、その翌日にはもうやっちゃうということだぞおい。節操なさすぎ。
 で、産卵期のメスがオスを嫌うというのは事実のようだ。ただ、「所さんの目がテン」サイトによると、蚊は触覚にある毛で異性の羽音をキャッチするそうで、この毛があるのはオスだけ。ってことは、メスにはオスの羽音はキャッチできないってことで……それじゃぁダメじゃん、この蚊よけグッズ(笑)。まぁ、産卵期のメスには嫌がられ、発情期のメスにはキャッチできないと理解すればいいのか。すると、このグッズをつけた義母に寄ってくる蚊って、全部ホモ?

 松尾詩朗「彼は残業だったので」読了。

【00.7.22.Sat】
 京都より自転車友人N村クン来訪。しかし、今夜は義父の誕生日パーティのため、ウチは夫婦で夕方から外出の予定が入っていたのだ。仕方ないのでN村クンに留守番を頼んで外出。帰ってみるとN村クンは、風呂に入り、布団を敷き、Tシャツにトランクス姿で爆睡していた。室内にはN村クンの洗濯物がはためき、枕元には書斎にあった筈の西原理恵子のマンガが置かれ、N村クンは冷凍庫からアイスクリームを出してきて「食べますか?」と──誰の家? 桑名の変態友人Gの次に、大矢家を知り尽くしている男・N村K容おそるべし。
 しかしN村クンは、ちゃんとお土産を持ってくる律儀者でもある。それが香港土産栓抜き付きキーホルダー(笑)。香港名所の青馬大橋のイラストが描かれ、裏には「香港 中國國務院 贈」という、ものすごく嘘臭い文字が彫られた代物。日本人向けの土産なので台紙には日本のカタカナ混じりで「香港観光キネンヒン」と書かれて──あれ? なんか違う。そこに書かれていたのは

香港観光キネソヒソ

 ぶわっはっはっは\(^o^)/ そりゃ確かに似てるけどさ。そう言えば、N村クンが見せてくれた香港の写真の中に、似たようなのがあったぞ。日本人観光客向けのショッピングモールの写真で、やはり日本人向けにカタカナで書かれた看板があったのだ。曰く

バーグソ・セール

 ぶわっはっはっはっはっは\(^o^)/ いやなセールだなそりゃ(笑)。何売ってんだか。

 服部まゆみ「シメール」、愛川晶「夜宴〜美少女代理探偵の殺人ファイル」続けて読了。

【00.7.23.Sun】
 賞という賞を片っ端からとっている、20年前の五木ひろしのような福井晴敏「亡国のイージス」読了。主人公は逃げ場のない東京湾上で敵に囲まれ、こめかみに銃口をつきつけられたりするのだけれど、そんな状況だって少なくとも今日の名古屋よりは涼しいだろうと思ってしまう38度の午後。脳味噌がマイルドに溶けてゆくああ溶けてゆく。

 夜は夜とて、男子バレーのシドニー五輪世界最終予選を明け方4時近くまでテレビ観戦。ああああ、アトランタに続き、今回もまた全日本男子は五輪参加かなわず。男女ともバレーで五輪に出場できないなんて……脳味噌がマイルドに溶けてゆくああ溶けてゆく、溶けて流れて川になるああ川になる。

 昨日の日記に書いた香港観光キネソヒソについて、O川Y弘さんという方から「飛行機の機内誌に載っていたROLEXの広告の日本語版が、ローしックスとなっていた」というメールを頂いた。わっはっは、どっかから尿が漏れてるような時計である。
 このO川さんも含めて多くの方から、2ちゃんねるで文体模写をやってるよという情報も頂きました。ありがとうございました。これを見てみると、あたしの「2000年の雪国」なんざ九九で言えば二の段くらい、田原俊彦で言えば「にんじん娘」くらいのレベルでしかないね(雰囲気で察してくれ)。こういう遊びが(例え好事家の間だけにしろ)盛り上がるのは何だかとても嬉しいぞ。実はこれ、一編作ってみると分かるのだが、作るには対象作家の文章を読み込んでクセを掴まねばならず、結果として文章修養にはものすごくいい遊びなのである。いわゆる《名文家》の文章でやってみると、特によく分かる。語彙も増えるし。高校あたりの国語の授業でこういうのやったりしないかね。
 ──は? うんこだの何だのを書き散らして品のないことでは人後に落ちない大矢が、文章修養を口にするなど片腹痛い? 片腹痛いなら盲腸でしょう。盲腸って、もうチョー痛い。ごめんなさいやっぱりあたしに文章を語る資格はありません。

【00.7.24.Mon】
 「凍てつくような寒さの中でしか思想は育たない」てのはニーチェの言葉だけど、ニーチェ自身、この言葉は暑い時に思いついたんじゃなかろか。「こう暑くっちゃ脳味噌が煮えて小難しい理屈なんざ考えつかねーってんでいっ」を格好良く言い換えただけって気もするし。うーん実存主義。ツァラトゥストラはかくシャカリキ。今日のなまものは哲学的だわ。辛いものを食べた翌朝は肛門が痛い。それはケツ学的。

 結局「リミット」は第2回までしか見なかったな。佐藤浩市は好きなんだけど、やっぱスッポンポンで仁王立ちして「どうだ」って言ってくんなきゃダメなのか?>あたし。どうでもいいけど、モルツのCMでトマトの冷製パスタを作った椎名桔平が石田ゆり子に「どう?」って訊いてるのが、とにかく笑えて仕方がない。あのCM、「永遠の仔」放送後にコンテが書かれたに違いないと思うんだが。
 CMと言えば前から不思議に思っていたのが、「南アルプスの天然水」である。ちょっと前までは、いかにも南アルプス山麓ですっ!というような景色の中で、女の子が泣きながらペットボトル入りの「南アルプスの天然水」を飲んでいた。今放送されてるのは、ちょっと変わったのかな?。しかし、南アルプスに居るのなら、何故わざわざ市販されてるペットボトル入り「南アルプスの天然水」を飲むのだ? 現地の水を飲めばいいではないか。えらく矛盾したCMだと思うのだが。

【00.7.25.Tue】
 銀行に行くと、ゲロ混み。普段は奥の方で働いてるベテランのオバちゃんたちも窓口業務に就いているほどだ。あたしが当たったのがそういうオバちゃんで、もしもこのオバちゃんがカバだったらかなり美人のカバだよなという感じの女性。で、現金の払い出しをお願いしたら

 「もう2千円札は持ってみえる?」
 「そう言えばまだです」
 「じゃ、2千円札も3枚ほど入れとこうね」
 「あ、どうもありがとうございます」
 「色をよーけ使っててキレイでしょう。ほら、ここんとこ、斜めにしたら字が見えるんだわ。」
 「あ、ホントだ」
 「ね、すごいでしょう。こんなん初めてでしょう。これ、沖縄の守礼門。知っとる?」
 「はぁ、まぁ話だけは……」
 「あ、封筒に入れる前に、ちょっと出して。3枚並べて」
 「……は?」
 「ここ比べてみて。分からん? ほら、まっとよー見て」
 「……は?」
 「ほら、続き番号だがね!

 それがどうした。カバさん、いや、オバさんはまるで自分が作ったかのようなハシャギようである。ふと気付くと、隣の窓口でも若いお姉ちゃんが「2千円札はもうお持ちですか?」と客に訊いているではないか。今日の銀行がやたら混んでる理由はこれかっ!

 沖縄が旬ということで、北林優「0と1の間」読了。裏表紙の「沖縄の灼けつくような渇きを描ききった、沖縄のミステリーが遂に登場!」という惹句に惹かれて読んだんだけど、あたしの期待していた沖縄の政治・歴史・外交問題には直接関係がなかったのでちょっと残念。

【00.7.26.Wed】
 昨日、フランスでコンコルドが墜落。この大惨事に不謹慎なのは重々分かっているのだが、どうしても墜落音は墜落した後で聞こえたのだろうかということが気になって仕方がない。

 タージ・マハール田島ハルはちょっと似てるってのを考えたのですが、ダメですかそうですか。だいたい誰だよ田島ハルって。

 坂東眞砂子「道祖土家の猿嫁」読了。「さいどけのさるよめ」と読みます。いやぁ、ツボにはまったぜ。やっぱいいなあ坂東眞砂子。ところで坂東眞砂子と言えば、関東っぽい苗字ではあるが高知県出身なのは有名で、その土着的作風に於いては西原理恵子と双璧を為す土佐女である。が。巻末の著者紹介の最後の一文を読んでぶっ飛んだ。曰く、「タヒチ在住」……うわぁ、そんなバカンス気分一杯の南の島で、こんな土佐弁テンコモリの小説を書いてんのかぁ。そこはかとなく裏切られたような気がするぞ。この気持ちは、自分の博子という名前が「博識の博」「博愛の博」と言われて凄くイイ気になっていたのに、漢和辞典で調べてみるといい意味なのはの方であって、は「広い・大きい」ってだけの意味だった上に、賭事という意味(賭打)まで見つけてしまった時の気分にさも似たり。

【00.7.27.Thu】
 島村洋子「へるもんじゃなし」読了。中に大阪で正月に行われるお祭り──今宮戎(えべっさん)について書かれた章があり、そこにこんな一文があった。(p.135)

都道府県別に合い言葉を作ったとしたら、きっと大阪は  
「商売繁盛で」「笹もってこい」になることは確実である。

 他県の人には分かりにくいかもしれないが、「商売繁盛で笹もってこい」ってのは、「えべっさん」というお祭りでのかけ声っつーか、スローガンっつーか、まぁそんなようなものなのだ。
 ここを読んだ時「都道府県別の合い言葉」ってのは面白いな、と思った。喫茶店で偶然隣に座った見知らぬ他人。しかし、その人の言葉のイントネーションやアクセントが、なんだかとても懐かしいように感じる。もしかしたら、同郷なんじゃないか? そんな時、あなたはトイレに行くふりをして彼の脇を通り、そっと囁くのだ。「商売繁盛で」──間、髪を入れず彼は答えるだろう。「笹もってこい」
 おおおお、面白いぞ面白いぞ。例えば、こんな感じか?

 群馬 ……「赤城の山も」   「今宵限り」
 三重 ……「その手は桑名の」 「焼き蛤」
 千葉 ……「立て、立つんだ」 「ジョー」

 って、ちば違いだろう最後のは。「愛知は何だろうね」とダンナに聞いたらちょっと考えたあとで、「尾張名古屋は」と言ったので、すかさず答えた。「城でもつ」
 あ、ちょっと待てよ。冷静に考えれば、他県人だって知ってるような、そんな人口に膾炙したフレーズが合い言葉として機能するワケないじゃないか。かといって、「いらんものは」「コメ兵に売ろう」が愛知の合い言葉ってのも、ちょっとイヤかも(笑)。←愛知近郊の人だけ分かって下さい。

【00.7.28.Fri】
 トップページのアクセスカウンタが90,000hitを突破。毎度ご愛読ありがとうございます。

 kashibaさん猟奇の鉄人)から、探求をお願いしてあった本が届く。あううう、嬉しい。何が嬉しいって「ホメロスの殺人方程式」(小峰元)が嬉しい。今月7日の日記に書いた分を併せて、これで小峰元の文庫落ちしてないハードカバーが再び揃ったぜい。ああ、間違えて売り飛ばして以来、3年ぶりの再会だわ。表紙も出だしもオチも別れた時と変わらず(当たり前だ)感涙に咽ぶ大矢。「いやさ小峰、久しぶりだなあ〜」と、すっかり歌舞伎の与三郎状態である。
 その他に見つけて送って下さった本は、「團十郎切腹事件」「浪子のハンカチ」「才女の喪服」(戸板康二)、「ねぼけ署長」(山本周五郎)、「神宿る手」(宇神幸男)。まずはkashibaさんとの約束通り「團十郎切腹事件」を巨乳に挟んで(どんな約束だよそりゃ)「ソーラン節」をひとくさり踊った後で、各本を吟味。ああ嬉しや。
 ところで、このラインナップを見て「あっ」と思ってる読者が一人いる筈なのよ。ふふふ、そうなのよ全部あなたが薦めて下さった本なのよS木さん。ようやく入手できましたわよ。これ以外に薦めて下さった皆川博子とか福永武彦とか土屋隆夫とかもkashibaさんに探求をお願いしてるので、きっと見つけて下さることでしょう。って、他力本願にもほどがあるぞ>あたし。

 古本入手にちなんで梶山季之「せどり男爵数奇譚」読了。筑摩文庫からの復刊版ざます。これもS木さんから教えてもらった本。

 んげろっ! 国定忠治森の石松を取り違えてたっ! というわけでこっそり直しておきました。さてどこでしょう(笑) S田さん、ご指摘ありがとね。

【00.7.29.Sat】
 一昨日の日記で都道府県別の合い言葉の話をしたら、「ウチの合い言葉はこれでどうでしょう」というメールを何通か頂いた。どうでしょうって言われても困るんですけど(笑)、紹介します。他県人には殆ど意味不明だが、同県人が読むとウケるんだろうなぁ。47都道府県揃ったりすると面白そうだぞ。

 長野 ……「信濃の国は十州に」  「境連ぬる国にして」O塚さん
 福井 ……「ハァー北陸トンネルね」「イッチョライ」  (Rainbow Houseさん)
 愛媛 ……「愛媛のまじめな」   「ジュースです」
      「ミカンは愛媛の」   「こころです」   (共にHリンさん

 長野県には「信濃の国」というタイトルの長野県歌があって、件のフレーズはその冒頭部分。長野県民なら小学校で習うから絶対に知っているのだそうだ。他県人は知らないから、大学は長野だったとか長野に転勤したとかの似非長野人を見つけるのも簡単だそうで。ところで、数えてみたらホントに十州に接してるんでやんの>信州。正確な歌だこと。
 愛媛の一つ目はCMで流れてるからあたしも言えるけど、二つ目はさすがに知らない。ただ、愛媛には嫌な思い出があるのよね。大学時代に愛媛県人G司クンから「愛媛の家庭には水道が二つあって、ひとつは水、もうひとつはポンジュースが出るんですよ」と言われ、3年間信じてたんだよなぁあたし。それ以来、愛媛県人と言われると警戒しちゃうんだけど、Hリンさんは愛媛ですかそうですか(笑)。
 前にも書いた記憶があるが、同じような理由で滋賀県人も警戒している。これも学生時代のことだが、滋賀県人N尾クンから「琵琶湖は少しずつ北上してるから、そのうち福井県に入んねん。昔は三重県にあってんで」と聞かされたのよ。ええ、これも信じましたとも。……今、気付いたけど、もしかしてあたしって騙され易いタイプ?

 日本推理作家協会(編)「ザ・ベストミステリーズ2000」読了。

【00.7.30.Sun】
 わははー、愛知県の合い言葉は「ぼんぼんぼんと」「時計がみっつ」ですかそうですか(笑)。愛知県民歴4年のあたしには何のことだかピンと来ず、ものは試しとダンナに何の前置きもなく「ぼんぼんぼんと」と言ってみたところ、「時計がみっつ」だけでは終わらず、その先まで歌い切ってしまいましたことよ。最後のフレーズを聴いて、ようやく何なのか分かった次第。長野県歌と同様に似非愛知人(あたしだあたし)を見抜けることも判明したし、これに決まりか? ありがとうございました>森さん
 あたしはやっぱり愛知県人ではなく大分県人なんだわということが分かったところで、大分県の合い言葉。「八鹿八鹿の」「天気予報」でどうだ!<いや、どうだって言われても。

 昨日の日記について「信濃が接してる十州ってどこですか」というメールを幾つか頂いたので、蛇足だけど解説。当時の信濃の国が接していたのは、東から時計回りに行くと、上野(こうづけ)・武蔵・甲斐・駿河・遠江(とおとうみ)・三河・美濃・飛騨・越中・越後。それぞれ今の何県かは分かるよな?
 九州も昔は九国あったから九州なんです。さぁ、九つ挙げてみよう──つっても無理か。なんせ今の7県ですら、東日本の人に訊いたら大分と佐賀は最後まで出てこないことが多いんだから(;_;)。「ほら、伊万里焼きとか葉隠とか」とヒントを出してるのに、佐賀を最後まで思い出せなかった友人が言うことにゃ「だってあたし、修学旅行で福岡と長崎と熊本は行ったけど、佐賀には行ってないんだもおん♪」
 佐賀を通らずにその三県を廻れるもんなら廻ってみやがれ。いや、そりゃ不可能じゃないけどさ、修学旅行でワザワザ海を渡ったり大回りしたりしたワケじゃあるまい?

 山本周五郎「ねぼけ署長」読了。へーっ、「樅の木は残った」の山本周五郎が、こんな連作ミステリを書いていたとは。知らなかった。恐れイリヤはジューシィ・フルーツのジェニーはご機嫌ななめ(古!)

【00.7.31.Mon】
 ええっ?! 琵琶湖はホントに三重県にあったんですって?! U田K彦さんからのメールによれば、「100万年単位で考えると本当に三重県にあったんです。伊賀あたりにあって,古琵琶湖と呼ばれています。(中略)まぁほんのあと2、30万年もすれば福井県に達することは確かでしょう」とのこと。うわぁ、「琵琶湖は北上してる」と言ったN尾クンをずっと嘘吐き呼ばわりしてきたけど、申し訳ないことをしてしまった。でもでも「だから琵琶湖の北側に住んでる人は、数年おきに立ち退きを勧告される」というN尾クンのセリフは嘘だよな? な?

 琵琶湖だけでショックを受けていたら、愛媛県の水道からはポンジュースが出るという話についても、Hリンさんより続報。この話には段階があるそうで、

 1.愛媛県の家庭の蛇口には、赤と青の間にオレンジがある。
 2.赤はお湯、青は水なんだけど、オレンジはポンジュース。
 3.月に ¥2,000を農協に払えば、飲み放題。
 4.だから愛媛では贈答用以外にポンジュースを買うことなんて滅多にない。

 嘘をつけ嘘を。しかし凄いのは、Hリンさんによれば、この話は誰に教えられたわけでもないのに、愛媛県人のネタとしてよく使われているというのだ。最初は信じなかった人も、3段階目の農協のくだりで信じるそうで、性格が悪いにもほどがあるぞ愛媛県人。おそるべしご当地ギャグ

 都道府県別合い言葉についても続報を紹介しておきましょう。つっても、あたしも意味も分からず書き移してるだけなんだけどさ。

 栃木 ……「セブンシックスポイントフォ〜」 「レディオベリ〜」Mほろさん
 群馬 ……「伊香保温泉は」         「日本の名湯」  (Y澤さん他)
 熊本 ……「豪華かき氷と言えば」      「しろくま」   (O方さん

 うーむ、大分県出身としては日本の名湯を他県に取られるのは忸怩たるものがあるぞ(笑)。伊香保温泉には一度だけ行ったことがあるが、こんにゃくアイスという強烈なアイスクリームしか記憶にない。大分の湯布院には豆腐アイスがあるが、まだ豆腐の方が抵抗ないと思いません?


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