【注意】
以下の日記は2004年11月19日の日記を転載したものですが、
大河ドラマ「新選組!」を見たことがない人には、まったくの意味不明だと
思います。ご注意ください。
「新選組!」公式サイトのトピックス(2005年1月で閉鎖)に井上源三郎役の小林隆さんのインタビューが載っていて、こんなことをおっしゃっている。
源三郎は野球でいえばセカンド的なポジションです。ショートストップや、サードのように
目立つポジションではないけれど、ダブルプレーなど連携プレーには欠かせない軸として機能する。
それなりの組織には、こういう役回りの人が、たぶん必要なんですよね。
なるほど巧いこと言うなあと感心したのだが、と同時に、これを読んだ人の7割は同じことを考えるであろう。即ち、源さんがセカンドなら、他の人のポジションは? 新選組ロウシーズ(仮)のスタメンを考えたくなるのは、これはもう自然なことだよなあ? さっそくダンナと緊急会議。
「近藤勇は監督でいいと思うのよね。土方の扱いが難しいんだけど」
「土方歳三はヘッドコーチだろ。鬼のヘッドだよ」
「ああ、なるほどコーチか。選手だと、どうも該当するポジションがないなあと思ってたのよ」
「でもアツくなると『我慢ならねえ、カッちゃん、俺がいくぜ!』と立ちあがりそうだけどな」
「選手ではね、サードが永倉新八か島田魁かで、ちょっと迷ってるのよね」
「島田魁はファーストだろ?」
「ええ? あたしの中では、ファーストはオダギリジョーだったんだけどなあ」
「いや、オダギリは違うよ。ファーストって、やっぱ大砲のポジションだし」
オダギリジョーじゃなかろう斎藤一だろう、とわかってはいるのだが、どうしてもオダギリという名前が先に立ってしまう。なんでだろう。ところで史実では、斎藤一って沖田より年下だって知ってました? 藤堂平助と同い年だったのよ。
「島田魁のバットは、きっと丸太だ」
「そうか、じゃあ、サード・永倉新八、ファースト・島田魁で決定!」
「井上源三郎はセカンドがデフォルトなんだよな? となると藤堂平助がショートか」
「うーん、そこは逆でも良さそうだけど、でも源さんは自分でセカンドだって言ってるからね」
「コンビプレイで、華麗にゲッツーをとって」
「楽しゅうございました!」
「悔いはありません!」
「欲をいえば、みんなとベンチに帰りとうございました!」
「帰れるよ、チェンジになれば」
わけがわからない。
「そうなるとキャッチャーが難しいなあ。旗持ちの尾関とか?」
「いや、キャッチャーは山南さんだな」
「山南さん?!」
「全体を冷静に見てさ、的確な指示を出して、突っ走りそうになるピッチャーをリードして」
「やっぱ、きちんと正座ですか」
「パスボールを追うときは、山南走りで」
「いや、パスボールしたら、腕を組んだまま『ん、捕れないっ……』と」
「その様子を見て、伊東甲子太郎が一首詠む」
ランナー走り放題だよ、それ。
「あ、大事な人を忘れてた。沖田総司は?」
「ピッチャー」
「ああ、そうか、ピッチャーだね」
「うん、沖田総司がピッチャー」
「……でも、あの身体で完投できるかなあ」
「マウンドで血を吐くんだよ」
「血染めのボールが!」
「マウンドでくずおれる総司。しかし、彼に替われるようなピッチャーはいないっ!」
「新選組ロウシーズ、絶体絶命のピンチ!」
「そのとき、誰かがマウンドに向かった!」
「おお、なんと男装した八木家のひでちゃんがリリーフに!」
野球狂の詩かよ!
「さて、外野は」
「センターかレフトにオダギリを」
「オダギリはレフトよ。センターラインより、やっぱ端が似合うもん」
「ボールが来ないときは仏を彫ってたり」
「それでうっかりボールを見逃して、エラーして」
「俺のせいだ……俺のせいだ……」
「原田左之介はライト。ホームランボールを槍で刺す」
「反則だけどね」
「ルールなんて左之介は気にしない」
「そうなるとセンターがいないなあ。センターで1番を任せられる機動力のある選手がいないよ」
「柔術の松原忠司はパワー系だしねえ」
「松原忠司は代打で、張り切ってバッターボックスに入った途端にデッドボール食らうタイプだ」
「で、塁に出ると、3塁コーチの谷三十郎がコーチャースボックスで腕を無駄にぐるぐると」
「わあ、うるさいだけで役に立たなさそうなコーチ」
「そう、だからランナーも言うこときかなくて」
「最近、ないがしろではないか?」
話がどんどん逸れている。
「ああ、いた! いたよセンター」
「いた?」
「うん、1番バッターでセンター。すばしっこくて切り込み隊長的な度胸もあって!」
「誰?」
「大石鍬次郎!」
「ええ? 確かに元気はいいけど、あいつ、試合で谷周平に負けてたぜ?」
「いいの。谷周平は女子マネだから」
自分で言ってて意味がわからなくなってきたが、これで全ポジションが埋まったよ。スタッフも加えて、大矢家で決定した新選組ロウシーズのラインナップは、
1 大石鍬次郎 (中) 監督 近藤勇
2 井上源三郎 (二) ヘッドコーチ 土方歳三
3 オダギリジョー(左)
4 島田魁 (一) スカウト 山崎烝
5 永倉新八 (三) スコアラー 武田観流斎
6 原田左之介 (右) マネージャー 河合耆三郎
7 藤堂平助 (遊) 女子マネージャー 谷周平
8 山南敬助 (捕) 広報 伊東甲子太郎
9 沖田総司 (投) 呼ばれてないのにかけつける応援団 捨助
球団社長 松平容保
オーナー(途中退任) 徳川慶喜
「決まったな」
「決まったねえ」
「ベンチの中の様子が目に見えるようだ」
「近藤勇の隣に土方がいて指揮を出すのね」
「てめえ、出塁しなかったら切腹だ!」
「うしろにすすっと山崎烝が寄ってきて、ブルペンの様子を報告」
「なぜか占い師に変装して」
「いや、そこで変装はいらないでしょ」
「横で河合が試合状況の説明をするんだよな」
「27m四方の内野に敵味方合わせて8人ですから、ひとりあたり90平米とちょっとですね」
「採用です!」
いや、もう採用されてるから。それにそんな計算いらないし。
「ベンチの奥には、誠の旗が」
「うんうん」
「そして、その脇には、沖田の姉のみつさんが近藤勇のために書いた色紙が」
「色紙?」
「めざせカッちゃん、甲子園!」
「タッチかよ! っておまえ、もしやこの長い日記は、それが言いたかったがための……」