名古屋場内の二の丸茶亭で抹茶を戴いたあと、名古屋城の石垣の中に燦然と輝く清正石を見学。これがでかい。周囲の石と比べると、あまりにでかい。石垣の中で妙に目立っている。バランスが悪いことこの上ない。この石は、築城を命じられた加藤清正が、石の上に着飾った小姓を立たせ、大勢の人足に手綱を引かせて運んだとされる石だ。
「でも実際には黒田長政の担当箇所だったらしいじゃん」
「あ、じゃあホントかどうか分からないんだ」
「黒田長政は関ヶ原のときに、加藤清正に徳川方につくよう説得したんだよね。仲はいいのよ」
「秀吉の参謀だった黒田如水の息子だっけ?」
「だけどこれだけでかいのを当時の技術で運んだのは事実でしょ。すごいよねえ」
などと、アカデミックな会話にメンバーが花を咲かせていたとき。歴史無知を遺憾なく発揮してきた黒田の一言がすべてをダイナシに。
「でかいけどさ、すっげぇ薄かったりしてな。畳んで運んだりして。あははは」
思わずその場にくずおれる4人。アカデミックな雰囲気、一瞬にして霧散。
黒田を石垣に埋めて帰りたい衝動を抑え、いざ行かんお昼御飯へ。今日のお昼ご飯は、名古屋の人間ぐるナビをかべさんのセットアップである。場所は、レストラン籠目屋。あのカゴメケチャップで有名なカゴメ株式会社の直営店だ。カゴメ株式会社が名古屋の会社だって、ご存知でした?
地下鉄市役所駅から名城線で栄まで2駅。1番出口を出て、ちょっと歩くともうそこに看板が見えるよ。実はこのとき、大矢は「お腹がすいた」という以上に「煙草が吸いたいっ!」という状況にあった。城内の二の丸茶亭も禁煙だったしさ。もう、鼻と言わず口と言わず、体中の穴という穴に煙草を詰め込めるだけ突っ込んで火をつけたい気分だったわけさ。なんなら煙で月までも飛びましょう、ってくらいの勢いである。
「あそこですよ」というをかべさんの声に、大矢の片手は既にバッグの中の煙草を掴んでいた。そのとき。レストラン入り口の看板に書かれた文字が目に飛び込んで来た。
思わずその場にくずおれる大矢。
「じゃあお店を変えましょうか」などとは誰1人言わず、皆で楽しげに談笑しながら大矢の屍を超えて行くよ。
今、籠目屋のサイトを見たら、ちゃんとランチタイム禁煙と書いてあるし。ぎゃあ。ふ、不覚……。でも、南瓜のクリームスープは濃厚ですっごく美味しかったし、ランチも堪能いたしましたことよ。この店自慢のオムライスも、注文した黒田のを一口貰って食べたし。量もたっぷりで、お値段もお値打ちです。ここはお薦め。
トイレに行って戻って来ると、「遅いからトイレで煙草吸ってるのかと思ったよ」と言われる。そんな高校生みたいな真似、しませんわよっ。第一、トイレにも灰皿なかったし。<探したのかよ。
食後はオアシス21をお散歩しましょう。「銀河の広場」では、三河の山里体験プラザなんてのが開催されていたが、お目当ては別にあるのだ。このオアシス21には、愛知万博のイメージキャラクターであるモリゾーとキッコロの着ぐるみがよくうろついているのだ。時期モノだし、黒田が現在モリゾー萌えなので、どうせなら見物していこうと思った次第。
ちょっと脱線。海上の森や青少年公園が格好の自転車コースだったせいもあって、あたしは愛知万博にはずっと反対していた。けれど決まっちゃったからには、反対派をも納得させてくれるような「良いもの」が出来るといいな、と思っている。ただね、聞いた話によると、マスコミでも学校でも、「愛知万博」という言葉を使わずに「愛・地球博」と言うように、とお達しが来ているのだそうだ。
これはちょっと首肯しかねるなあ。愛知万博でいいじゃん。そもそも、愛・地球博なんぞという、「愛知だけに、あい・ち球博。なんてね」ってなダジャレなんて、外国の人には通じないのである。万国博覧会のくせに、日本人にしか通じないダジャレにこだわってどうするのだ。狭いぞ。愛知万博、EXPO AICHI でいいじゃないか。なあ?
閑話休題。
モリゾーとキッコロを探してうろついていると、おお、キッコロがひょこひょこと歩いているよ。カメラを持って追いかける黒田。あたしはなんとかケダちゃんと一緒に写真に収めてあげたくて、そのあとを追う。
まとわりつく子どもたちと遊ぶキッコロ。う〜ん、この汗ばむ陽気に、着ぐるみに入ってるってのは大変だろうなあ。辛いだろうなあ。でも子どもが寄ってきたら、ちゃんと相手をするんだなあ。偉いなあ。あ、ステージの裏手にキッコロが去って行くよ。出番は終わりなのかな。追いかけなくちゃ!
そしてキッコロを追いかけ、ステージ裏に踏み込む我々。そこで我々が見たものは。暑さの中、ずっと堪えていたのであろう。ようやく子どもの目から解放され、緊張の糸が切れたのであろう。
思わずその場にくずおれるキッコロ。
うわはははっ。疲れてるんだろうけど、見た目は着ぐるみのままである。着ぐるみが、ぺたんと座ってしまっているのだ。可愛い。異様に可愛いぞキッコロ。指さして笑っていると、その声が聞こえたのだろうか、キッコロは慌てて立ち上がり、控え室らしきテントの中によろよろと姿を消したのであった。
頑張れ、キッコロ。
このあと、モリゾーも出てきたので、無事、ケダちゃんと一緒に写真を撮って貰いました。子どもか。あ、黒田がモリゾーと一緒に撮った写真を自分のサイトに載せてますね。……どっちがモリゾーだ?
モリゾーに手を振りつつオアシス21を後にした黄門様御一行……じゃなくて、ケダなごツアー御一行は、をかべさんお薦めの喫茶店「シティ・カフェ&パイ」でお茶だ。
えーっと、ホントはこの間に、NHKの2階で黒田がクロマキー体験コーナーに挑戦、体を青い布で覆って首から上だけがモニターの中を浮遊するという映像に、通りすがりの子どもが引きつけを起こしたなどという微笑ましい出来事もあったのだが、さくっと割愛しよう。
で、「シティ・カフェ&パイ」である。
をかべさんご紹介のミルフィーユはちょっと感動モノ。ミルフィーユって普通はサクサクとかパリパリで、合間合間がシットリ、という感じでしょ。ところがここのミルフィーユはふんわりなのだ。絶妙のパイ生地である。甘いモノ嫌いの大矢が感動したんだから、お好きな人には堪らないのではないかと。
幸いにしてここは禁煙ではなかったので、のんびり談笑。昨日、ケダちゃんが出席してきたという、お友達の結婚披露パーティの話題で盛り上がる。
「彼女って、確か筋金入りのやおい娘よね?」
「そうそう。でもってこれまた筋金入りのファーストガンダム原理主義者なの!」
「きゃあああああ〜〜〜」
「うわあ……(うっとり)」
「でね、キャンドルサービスのBGMが、エヴァンゲリオンだったの!」
「きゃあああああ〜〜〜」
「でね、普通、披露宴といえばテーブルに花が飾ってあるでしょう?」
「うん、あるある」
「それがね、花じゃなくて、ガンダムとかのフィギュアが飾ってあったの!」
「きゃあああああ〜〜〜」
なんて強烈な披露宴なの! 以前、自転車友人Y田H史君の結婚披露宴の司会をやったとき、新郎新婦がともにSF者だったせいでBGMがひたすらガンダムだったという経験をしたが、さすがにフィギュアはなかったぞフィギュアは。
ということで、はるひさん、御結婚おめでとう! お二人の未来にシャチあれ!<名古屋だけに。
さっき書いた愛知万博の呼称についての話は、この喫茶店で出た話題なのだが、実はあとになってケダちゃんがとんでもない聞き間違いをしていたことが発覚。
我々が連呼する「愛・地球博」を、「愛知 900」だと思ってたんだってさ!
ぶわはははは! 似てるっ! 似てるよパトラッシュ(今気付いたが、パトラッシュとパチョレックも似てないか?<ってゆ〜か、古!)。愛知 900。いったい何が900なのか。単位もわからない。愛知900人? 愛知900メガバイト? 愛知900デシリットル? 900マイルは遠すぎる。
ほらねー、日本人にすら通じないしょーもない呼称に拘らずに、愛知万博でいいじゃんよ。ってゆ〜か、愛・地球博の知名度、低!
ケダちゃんが予約している帰りの新幹線は16時23分だったのだけれど、時間に余裕を持って名古屋駅に向かいます。だって最後のイベントとして、ナナちゃん人形(←リンク先は個人サイトです)の股ぐらをくぐる、というのが予定されていたからなのです。おまけに股ぐらで写真撮影するのよ!
──はい、名古屋の人なら、それがどれだけ恥ずかしいことか、お分かりですね?
それまでは嬉々としてケダちゃんと一緒に写真に納まってきたメンバーも、今回は全員尻込み。名古屋城で金シャチに跨ったり、モリゾーと写真を撮ったり、そういうのは平気だったメンバーも、ナナちゃんの股ぐらで写真を撮るのだけは断固として拒否する。さすがに東山公園のボートと並んで「恋人と別れる」というジンクスを持つナナちゃんだけのことはあるぜ。──え? そんな理由じゃなくて、ただ純粋に恥ずかしいだけだって?
ということで、何も知らないケダちゃんは、ナナちゃんの股ぐらでナナちゃんと同じポーズで写真に納まったのであったよ。
さあ、あとはのんびり名駅に向かいましょう。ってことで駅前まで戻ってきたとき、大矢はあることに気付いたよ! ことあるごとに裏目に入っていた「からくり時計」だが、名駅にもからくり時計があるじゃないか。その名もテリヨンだ。名駅のテルミナ入り口にあるのさ。名古屋の観光案内をしてくれるからくり時計だと噂に聞いている。今何時? おお、16時まであと5分! 間に合うぞ間に合うぞ。ってゆ〜か、ケダなごツアー最初で最後の「タイミングが合った」出来事ではないかあ!
2分前にはきっちりと時計前に陣取るツアー御一行。もちろん、誰1人として、これまでテリヨンの作動を見たことはない。わくわく。白波五人男は故障中だった。歌舞伎口上人形は2分遅かった。橋弁慶はそもそもまったく時間が合わなかった。ああ、でも、最後になってテリヨンを見せてあげることができるよ。終わり良ければすべてよし。<尾張だけに。
さあ、16時になるわよお!
……。
……。
……。
……あれ? なんで? なんで動かないの? 説明プレートを皆で見に行く。
上演時刻 10:00 12:00 15:00 18:00
思わずその場にくずおれる5人。
16時は上演しないのか! うおおおお、最後まで裏目に入っぱなしだぞケダなごツアー!
ということで、7時間に渡ったケダなごツアーレポートは以上。お付き合いありがとうございました。ここまで読んで下さったあなたのために。
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問1 文中に登場した4種類のからくり時計について、以下の問いに答えなさい。 (1) 4つそれぞれの、設置場所と名称(演目)を挙げなさい。 (2) 4つの時計が揃って上演されるのは、何時でしょう。
問2 加藤清正の業績として、正しいものに○、間違ったものに×、微妙なものに△をつけなさい。
問3 ツアーの最中、登場人物たちは、延べ何度くずおれたでしょう。
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