抜粋なまもの日記

1997年〜99年「小ネタ集・間違いだらけの人生1」の巻


【97.8.7 Thu.】
 差し歯が抜けた。どうやら原因はモトモトの差し歯の芯が短いことにあるらしい。一度抜けると癖になるということで、今日は接着したもののまたすぐ抜けるようなら作りなおした方がいいですね、という話になる。抜けるのが癖になってしまうと、軽い歯ぎしりのような事をするだけで、妙な負荷がかかって歯が取れてしまうこともあるんだそうだ。くわばらくわばら。

 先生  「眠ってる時に歯が抜けると飲み込んでしまうこともあるからね」
 あたし 「飲みこんじゃったら、どうなるんですか」
 先生  「このサイズの歯なら、このまま出るから心配ないけど」
 あたし 「じゃぁ、それまた使えます?」

 ……ええ、ええ、どーせあたしゃバカですよ。歯科衛生士のお姉ちゃん、何もそんなに爆笑せんでもええやんけ。ちょっと考えが足りなかっただけの発言じゃないかぁ。先生までが笑いながら「大矢さんが気にしないんなら、まぁ、使って使えないことはないけど……できればやめておいた方が……」などと息も絶え絶えに答えるのを聞いて、やっと自分の発した問いの意味が分かった大矢なのでした。あたしのバカは筋金入りか。


【97.9.13 Sat.】
 こないだ、翻訳ソフトがおかしいという話を書いたら、いろんな人から「こんな珍訳」があるという情報を頂きまして。中にすっげー面白いのがあったので紹介だ。日→英の翻訳版ね。

 原文:名古屋へその書類を送ってください
 英訳:Please send the document of Nagoya umbilicus.

 え? これだけじゃ何が面白いのか判らない? ふふふ、最後の「umbilicus」という単語、これは実は「へそ」という意味なのよ。


【97.10.29 Wed.】
 近所のコンビニでレジに並んでいると、レジ脇のパン売場で会話している女子高生二人の甲高い声が耳に入る。

  「あー、ピロシキだあ。あたしこれスキ」
  「ピロシキもいいけどさぁ、ロシアつったら、アレが美味しいよ、アレ」
  「なに?」
  「何だっけなー、ほら、肉とか野菜を赤いスープで煮た、シチューみたいな」
  「えー? ビーフシチューじゃなくてぇ?」
  「違う違う、なんだっけ、ピロシキみたいにカタカナ4文字のヤツ」

 それはボルシチだよ、と、心の中で答える大矢だ。女子高校生は悩んでいる。すると急に、

  「4文字4文字、カタカナ4文字のロシア……あ、判った! トカレフ!」

 ……ぶわっはっはっはっは。確かにロシア語でカタカナ4文字だけどさぁ。食うかトカレフ。死ぬぞ。その前に歯が折れるか。ボルシチを知らない女子高生が、なんでトカレフなんぞを知ってる?


【97.11.11 Tue.】
 午後、元同僚Sちゃんより突然の電話。彼女は「こんな会社辞めてやるぅ!」と、定期的に愚痴の電話をかけてくるキャリアガールだ。で、ついにブチ切れたSちゃんは、2ヶ月前に辞表を叩きつけたのだが、それを直属の上司に握りつぶされたも同然の状態にあるという。どこも人手不足だし、Sちゃんは仕事のできる人だから、会社としても簡単に手放したくはないのであろう。そこで、Sちゃんも決心したらしい。決意溢れる声で宣言するSちゃん。

 「あたし、ちゃんと辞めるって意志表示したんですからね。こうなったら強硬手段に出ます」

 え、強硬手段って、何やるつもりなの? あんまり物騒なことは……。

 「あたしの送別会、自分で段取ります!」

 ……強硬手段って、それ? ああ、Sちゃんが円満に退社できる日は、来るんだろうか。


【98.5.24 Sun.】
 自転車友人の結婚披露宴に備え、招待状に同封されていた地図をチェック。すると妙な記載が。

  【××駅より車で5km約10分 ○○駅より車で8km約20分】

 車で5km、って……。歩いても自転車でも車でも、5kmは5kmだと思う……。


【98.7.23 Tue.】
 久しぶりに元同僚Sちゃんより電話。共通の知り合いが結婚したという話で盛り上がる。面白かったのは新婚旅行の話だ。その新婚さんは、アメリカ〜カナダ方面に旅行したらしい。ところが、どうも話がおかしい。

 Sちゃん「お城とか見てきたらしいよ」
 あたし 「お城? アメリカに城があるかあ? どっかの豪邸とかじゃないの?」
 Sちゃん「え、だって、ナイアガラに行ったって言ってたから。」
 あたし 「ナイアガラと言えば滝でしょ。城なんかないと思うけど。いつ頃の城よ」
 Sちゃん「いつ頃のかは知らないけど。日本だと鎌倉以降だよねえ。室町とか江戸とか」
 あたし 「(ここで大矢はピンと来た。)……ねぇ、正確にはどこに行ったって言ってた?」
 Sちゃん「ナイアガラばくふ見てきたって」
 あたし 「……やっぱり……」
 Sちゃん「え?」
 あたし 「瀑布ってサンズイに暴、それに布って書いて、大きな滝の事だって知ってる?」
 Sちゃん「えっ、ナイアガラ幕府じゃないの?!

 どんな幕府だよそれは。


【98.7.27 Mon.】

 テレビを見ていたダンナが「市川染五郎のお父さんって誰?」と訊いてきた。松本幸四郎だよ、と答えようとした矢先、ダンナは重ねて

  「染之助? それとも染太郎の方?」

 ……ダンナさま、高麗屋は傘の上で土瓶回したりしませんから。


【98.11.17 Tue.】

 ええっ?! 【しし座流星群】って、しし座が流れるんじゃなかったのお?


【99.1.27 Wed.】
 用事があって大分の実家に電話。母が出る。ただ、なんだか声が少しヘン。

 あたし「もしもし? なんか声が聞き取りにくいんやけど」
 母  「ああ、今、庭におるから。これ携帯電話じゃき」
 あたし「あ、そう。……え? でも今あたし、家の電話番号に電話したよ?」
 母  「新しい電話機買ったら、同じ番号で鳴る携帯がついてきたんよ」
 あたし「へー、こないだ帰った時にはまだエリア外で使えなかったのにねえ」
 母  「うーん、でも今でもお寺の角曲がったら入らんごとなる」

 電話を切った後で気付いた。……かあちゃん、それは子機だ。


【99.8.16 Mon.】
 清水義範・西原理恵子「おもしろくても理科」を再読して初めて気付いた、というか、知ったんだけど。
 恐竜が絶滅した原因については、いろいろ説がある。何かのウィルスが蔓延したんだとか、氷河期だとか。その中に有名な説として「巨大隕石地球衝突説」ってのがあるよね? 巨大隕石が降ってきて……てやつ。あれ、具体的にどういうことだか、皆さん知ってました?
 この本によると、「地球に巨大隕石が衝突して、大量の粉塵と水蒸気を巻き上げて雲となり、地球は太陽光線からさえぎられてしまった、のである。それが原因で地球が低温化した」から、その気温変化に順応できずに恐竜は絶滅したというのである。これが「巨大隕石地球衝突説」なんだって。つまり「巨大隕石地球衝突説」というのは「隕石が原因で起こった気候変化」説だと言うのだ。
 ええええっっ! そうなの? ホントなの?

空から降ってきた隕石が恐竜に命中して、それで絶滅したんじゃないの?!

 がーーーーん。初めて「巨大隕石説」という言葉を聞いてから、ずーっとそう信じてたぞ。たくさんの隕石が世界中に降り注いで、それがゴンゴンと恐竜の頭にぶつかって、それで恐竜は死に絶えたんだと。違うの? ねぇ違うの? そんなアホな勘違いをしてるのはあたしだけだとダンナは言うんだけど、そんなことないよね? 大多数、とまではいかなくても、半分くらいの人はそう思ってたはずだっ! お願い、そうだと言ってっ!


【99.10.11.Mon】
 ねぇねぇ、「あからさま」なの? 「あらかさま」じゃないの? 30年間「あらかさま」って言ってたんですけどあたし。


【99.11.7.Sun】
 テレビのゴルフ中継を見ていると、実況のアナウンサーがスポンサーだか主催企業だかの説明をしていた。企業名は聞き漏らしたが、どうやら環境問題に気を使っている企業らしい。そこで(勿論言い間違いなんだろうけど)アナウンサーの言った一言。

  「ペットボトルのリサイタルをしています。」

 ……そりゃ、リサイクルやろっ!
 どんなんだ、ペットボトルのリサイタルって。歌うのか、ペットボトルが。それ見て観客がペンライト振ったりするのか。ファンがステージに押し寄せて花束渡したりするのか。チケットぴあでチケット買ったりするのか。と、延々突っ込んだ大矢である。たかがアナウンサーの言い間違いに、怒濤のツッコミ。何やってんだか──
 はい、ペットボトルだけに、茶々を入れてます。おあとがよろしいようで。


【99.11.11.Thu】
 若竹七海「ヴィラ・マグノリアの殺人」読了。この本を読んでる時、裏表紙に載っている著者の写真やプロフィールを見ながら、しばしダンナと談笑。

 ダンナ 「あ、オレと同い年だ」
 あたし 「随分若く見えるよね。二十代って言っても通用しそう」
 ダンナ 「著者近影って書いてないから、ホントに二十代の頃の写真だったりして」
 あたし 「……著者近影って、著者を近くから撮った写真の事でしょ? なんで歳が関係あるの?」

 ……ダンナ、大笑い。
 辞書で確認して唖然とした。著者近影って、著者の最近の写真ってことなんだって! あたしゃ35年間間違って覚えてたぞ。近くから撮った──つまり、アップやバストショットの写真ってことだとばっかり。だから、遠くから撮ったら遠影になるんだろうと……がーん。
 それを本なんて全く読まないダンナに指摘されたのが実に悔しい。市川染五郎の父親は海老一染之助・染太郎のどっちだっけなんて言うような、筋肉バカのダンナにバカにされるなんざぁ……。


【99.11.17.Wed】
 会社員時代、当時の同僚Sちゃんの家にお邪魔して、押入からファンヒーターを出すのを手伝ったことがある。色々と雑多なものが詰め込まれている押入で、それも奧の方にしまってあったので、あたしもSちゃんも汗と埃まみれになったんだけど、急にSちゃんが「きゃっ!」と叫んだのだ。ゴキブリでもいたのかなと思って「どしたの?」と訊いてみたら、

 「ゾウリムシがいた」

 ……何と見間違えたんだ?

 「でも、どっかに飛んでったから大丈夫」

 ……何と見間違えたんだッ!?


【99.11.25.Thu】
 一旦ベッドに入ったものの、何故か寝付けず、スースーと気持ちよさそうに寝息を立てているダンナの横で羊を数えていた時のこと。ダンナが突然寝返りを打ち、寝息が乱れ、何かムニャムニャし始めた。お、これは何か夢を見てるに違いない。雰囲気から察するに、あまり穏やかな夢ではなさそうだ。暗闇の中でめったやたらと手足を動かすダンナ。
 と、その時いきなりダンナが大声で

  「小さく前にならえ!」

 いったいどんな夢を見てたんだあ? 布団の中で笑い転げてしまった。声を出さずに笑うのって、ひぃ、苦しい〜〜。ダンナはそれだけ叫ぶと、さっきまでの寝苦しさが嘘のように穏やかな寝顔に戻ったのだった。「小さく前にならえ」によって、とりあえず夢の中の問題は解決したらしい。でも、早く「なおれ」って言ってくれないと、肘から先が辛いんですけど<やってるんかいっ。


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