全国の主婦の共感を呼ぶであろう話があるのでご紹介。主婦であるあなたがダンナさんに「今夜、何食べたい?」と訊ねたとき、ダンナさんは何と答えますか? その回答に、「こいつ一回殴ったろうかしら。つか、殴る」と思ったことはありませんか?
こないだ出た「本の雑誌2月号」の「新刊めったくたガイド」で、大矢が紹介した8冊の中に永嶋恵美のが入ってまして。ガイドを書くにあたって「前にこの雑誌で誰か永嶋恵美を紹介してるかしら?」と思い過去の新刊めったくたガイドを検索してみたわけですよ。
上記リンク先(web本の雑誌内のコーナーです)の「作家名で検索」のところに「永嶋恵美」と入れてクリックすると、ヒット数は1。「書評を読む」をクリックすると、2000年11月号に吉田伸子さんがお書きになったガイドの全文が出てきます(直リンクできないので、まどろっこしい説明でごめんね)。
くだんの永嶋恵美作品の紹介はここでは関係ないの。
ガイド本文の最初に書かれている身辺雑記風の段落!
そこをぜひ全国の主婦の皆さんに読んで戴きたいのおおおおお!
そしてそれ以上に全国のダンナ様方にもぜひ読んで戴きたいのおおおおお!
吉田伸子さんの許可を得て(ありがとうございます)、くだんの箇所を抜粋・転載致します。
| おかげさまで、年内失業状態がほぼ確定したダンナである。ああ、働かざるもの食うべからず、という、美しい格言は、どこに行ってしまったのであろうか。じっと手を見る(泣)。そうなんである。人間、失業してても、腹は滅る。食う→寝る→食う→寝る、のエンドレスな生活してて、どこに腹が減るんじゃーっ! とヨシダは思うのだが、ダンナに聞いてみたところ、「ちゃんと滅る」のだそうだ。そりゃ、結構なこって。とはいえ、考えてもみて欲しい。この3度3度の食事の支度をするのが、誰なのか、を。あたしだよっ、あたしっ!! こう見えて(って、見えないか)、ヨシダは実は料理好きだったりする。生来が食いしん坊なので、食べるのは勿論だか、作るのだって大好きなのだ(ちなみに、最近のヒット作品は、刺し身用のイカを叩いて作る、イカ団子と春雨のスープ。夏イカは安くてグゥ)。でも、毎日毎日3度3度ご飯の支度をする、ってのは、実は結構ぐったりする作業だ。勿論、それはすごく大事なことだ、それこそが生活の基本だ、と分かってはいるんだけど、さ。栗原はるみさんはエライなぁー、とヨシダは心から思う。そこで、当のダンナに、「ねえ、何が食いたい?」と(半ばうんざりしつつも)聞いたりするわけなのだが、ダンナから返ってくる返事は、いつも一緒。「何でもいいざんす」 ダンナに対して、殺意がわく瞬間である。それが、ものを作ってもらう態度かぁぁーっ! じゃぁ、本当に何でもいいのね、とヨシダが開き直って、ジャムのせご飯に、甘納豆の澄まし汁、なんて出したら、どうするつもりなんじゃいぃぃっ!! ムッとしたヨシダの気配を察して、ダンナがダメ押し。「何か、美味しいもの」 むかーっ!! 殺意が倍加する瞬間である。えぇとですね、世の夫族の皆様、もし仮に、奥様から「晩ご飯、何食べたい?」と聞かれたらですね、「何でもいい」と「美味しいもの」、この二つの返事だけは絶対避けていただきたい。「お前の好きなものでいいよ」、これもまた、厳重に避けていただきたい。できれば、「たまには、外に食いに行こうか?」、もしくは、「たまには、俺が作ろうか?」、もしくは、「今日は店屋もので済ませてもいいよ」と、快く言っていただきたい。それだけで、結婚生活は黙ってても3年は延びます。ヨシダが、保証します。 |
「妻が夫に殺意を抱く瞬間」をここまでミゴトに、端的に、具体的に示したエッセイがかつて存在したろうか。いやない(反語)。もう、うちのダンナも同じ受け答えをします。まるで同じ。100%同じ。どっかで見られてたかしらってくらい同じ。そしてその「受け答え」に対して、あたしの胸の奥で瞬間的に数十メートルの火柱となって燃え上がる殺意もまるっきり同じだぁ! もしもどこかでホントにこれが動機で夫婦間殺人が起こったとしたら、充分に情状酌量の余地があると全国の主婦から嘆願書が送られても不思議は無い。
てなことを日記に書いたら。
ぎゃぎゃぎゃ。くだんの吉田伸子さんのコラムに全国の主婦の皆さんからの反響が! 「そうよそうなのよ聞いてくださいよウチなんて」というメールがたくさん来て、もうひとつひとつが涙無しには(笑い過ぎて)読めません。
こういうのって、いちいち目くじらを立てるほどのことはない些細な日常のヒトコマだし、怒るのは大人げないとは分かっていながらも、でも日常だからこそ「もう、たまには勘弁してよ」という気分になるんだよねえ。決してダンナ族だって悪気がある訳ではなく、場合によってはむしろ思いやりだったりもするんだが、家事をしない人間の思いやりの方向性ってけっこう的外れだったり。
というわけで、【妻が夫に殺意を覚える瞬間〜「晩ご飯、何食べたい?」】への皆様からのメール紹介コーナーです。
うちのダンナも「何でもいい」って必ず云いますね。
これ、「キミの作るものなら何でもいいよ」じゃなくて
「そんなの考えるのめんどくさい」なんだよね、実は。(Mほろさん他多数)
「美味しいもの」ってウチでもそう答えられますが、頭にきます!
主婦はいつも限られた予算の中で、できるだけ栄養があって「美味しいもの」を作ろうと
苦心しているというのに。そんなにいつも不味いと思われてるんでしょうか。(M田さん他多数)
「何食べたい?」の前には、暗に「(今日は夕ごはんつくる気分じゃないんだけど、
もう夕飯の準備をする時間だわ。でも冷蔵庫にはろくなものが入っていないから、
買い物にもいかなきゃならないのよね。だからこの際、どこかに外食に行こうとか
出前とろうとか言ってくれてもいいんだけど)何食べたい?」
という長い長い前フリがあるわけですよ。
それを察知するのが夫の務めじゃないのかと、愛があれば言葉なんか必要ないだろうと、
もう何年一緒に暮らしてるんだと、言いたいわけですね。(T橋さん、P子さん)
やつらは、御飯なんてのは時間になれば自動的に現れて当然のものだと思ってるのです。
365日、三度三度、それを作っている人がいるなんて、想像もしないのです!
(E上さん)
しまいにゃ「やつら」呼ばわり。夫の「考えるの面倒くさい」と妻の「作るの面倒くさい」の凌ぎ合いの様相を呈して来たわよ! もちろん外食狙いばかりではなくホントにメニューに迷ってるときもある。かといって、具体的にメニューをあげれば良いというわけでもないのよね。
「鍋でいいよ」と言われます。「でいいよ」たぁ何だ「でいいよ」たぁ!(S伯さん)
「常夜鍋」──確かに美味しいです。手間もかからないし私も好きです。
でも今の時期、ニュースを見てれば、どれだけほうれん草が高騰してるか
わかりそうなものじゃありませんか? なのにそれを言う?
(A藤さん)
「ごーやちゃんぷるーっていうの、いっかい食べてみたい。作ってよ」
パパ……雪に埋もれる1月の旭川でいったい何を言い出すの……。
(K牧さん)
先日も「おでん」と言われて、絶句しましたね。これから夕飯の支度をしようか
と思っているのに、「おでん」て・・・・・・。
(T橋さん)
わははは。確かに夕食どきになってから「おでん」って言われても、煮込む時間がないじゃんねえ。煮込み料理の場合は朝に言ってもらわないと。じゃあ、そこまで具体的に言わず、おおまかに言えば良いのかというと……。
「御飯に合って、酒の肴にもなって、でも脂っこいものは控えたいし、
かといって刺身は昼飯に食ったし……なんかインパクトがあって目が覚めるもの」
かぐや姫に無理難題をふっかけられた求婚者の気分です。唐辛子でも食わせようか。
(N部さん)
旦那様、15年も連れ添って今更こんなことをいうのもなんですが、
「なにか四角いものが食べたいな」とおっしゃられましても
すみません意味がわかりません。冷や奴で良いでしょうか。
(S原さん)
ししししし四角いもの! ひーっ、もうそれだけで20分は笑えるよ! すげえな、それ。そんなリクエストは初めてだあ。四角いものなら冷や奴、三角ならいなり寿司かな? ああ、なんか逆にすごく楽しそうなんですけど。四角づくしとか、考えるの面白そうだし。願わくば、S原さんのダンナさまのリクエストが五角形とか星形とか正二十面体とかに発展しませんように。
もちろん、妻からの一方的な攻めに甘んじるダンナ族ばかりではありません。戦いは熾烈です。
うちの場合「何が食べたい?」「なんでもいい」「じゃあ、八宝菜。」「嫌だよーん。」
という返しもあれば、「奥さん、今日のカレーのお肉は安い肉だね。」という
カレーでコーティングした輸入肉を見破る旦那なので、気が抜けません。
このときばかりは、旦那の中に海原雄山をみましたよ。
安い肉を食べてるのは何でかという所に、是非考えを持っていって欲しいものです。
(I村さん)
旦那に食べたいものを聞くとたいてい品名を挙げてくれます。
でも作るのが面倒なものは私が却下。
なので、週末の食事は旦那が自分の食べたいものを作ります。(中略)
私の作るチャーハンは
「ご飯がくっついていておいしくない… とーちゃん(子供はこう呼ぶ)のはパラパラだよ」
と言われます。NHKの今日の料理を見ながらレパートリーを広げる旦那です。
(W辺さん)
あ、それはそれで幸せなような辛いような。
ではダンナ族から言い分を聞いてみましょう。
我が家では「晩ご飯、何食べたい?」と聞かれるたびに、
「カキフライ!」「トンカツ!」と元気よく答えているのですが、
なぜかリクエストが実現することはありません。
「どうせ作ってくれないなら、聞かなきゃいいじゃん」と秘かに思っています。
口には出しません。口に出したら、きっと離縁されます。
晩ご飯のリクエストで離縁はされたくありません。
でも、聞いたってどうせ「カキフライ!」か「トンカツ!」としか答えない夫に、
きっと妻も内心では殺意を覚えていることでしょう。
(YしだMさしさん<伏せ字?)
今、主婦族の皆さんがいっせいに心中で叫んだ台詞。「揚げ物かよ!」
──まぁねえ、「リクエストしてもそれが出てくるとは限らない」ってのは、あたしを含め、主婦族には身に覚えがあるよね? あはは。「この時間からそれを作るのは面倒」とか「メインがそれだとしたら、他の手持ちの材料とのバランスが悪くなる」とか「今その食材を買いに出ると値段が高い」とか「こないだも似たようなメニューだったし」とか、理由はいろいろ。
でも考えてみれば──ダンナ族にそこまで斟酌させるのは酷だし無理な話だよな。家計も栄養も冷蔵庫の在庫も料理の手間も女房のレパートリィもぜ〜〜〜〜んぶ考慮した上で「○○がいい」とベストチョイスを出せるような男はいない。いたら逆にちょっとイヤかも。あれ? ということは、いったい何のためにダンナに「何食べたい?」って訊いてるの?
もちろん、「どうせ作るのなら夫が喜ぶものを作りたい」という思いがまず第一。
もしくは「作らなくていいよ」という優しさ、思いやりを期待してる、てのも当然ある。
でも自分で「今夜はこれにしよう!」と決めてるときは、ダンナに訊いたりしないよね。ってことはもしかして、自分では考えが浮かばないのでダンナに聞いてみたらひょっとして現在の条件に見合ったナイスアイディアが偶然出てくるかもしれない、そしたらそれにしよう、条件に合わなければ聞かなきゃいいやっていう、「参考意見」程度に考えてる部分がない?
じゃあ、答える側はどうせいっちゅーねん、とお思いですかお思いでしょうね。もちろん、最初に話に出た「俺が作ろうか・外食しようか・店屋物でもとろうか」というのもナイス回答のひとつでもあるのですが、大矢家での試行錯誤の末に出た解決策は「さっぱりしたもの・ガッツリ食えるもの・肉系・魚系・麺」というような、「大まかな方向性を出す」という手法(かといって、上記のダンナ族のように「インパクトのあるもの」「四角いもの」ってのも困るが)。
あと、うちのダンナが良く使うのは「何が出来る?」という質問返し。そうなると、今度はこっちが考えて選択肢を出さねばならなくなります。これはむしろ、楽かもしれなくてよ。ただし、こちらが出した選択肢に文句をつけさせない、という前提が必要ですが。
そしてそれを更に進化させたご夫婦が。
新婚時代に義母に「晩ご飯、何食べたい?」と聞かれた義父は、
「君に何が作れるのかわからないから、何を頼んだらいいのかわからない」と答えたそうです。
(私は、もしかしたらこれがダンナ族の本音の一つかもしれないと思いました。
でも、「何でも良いよ」と同じぐらい失礼なことに変わりはないですよね。)
これに腹を立てた義母は、「メニュー表」を作り、「この中から選んで。どれがいい?」と
義父に選ばせるようになったそうです。(O鎌さん)
親の時代から、さらにその親の時代から、この問題は川のように連綿と続いているのねえ……。そして「君に何が作れるのかわからない」というのが、能力のことだけでなく家計とか在庫とか時間とかに当てはめて考えるなら、まさにこれがダンナ族の本音なのかもしれません。主婦族の皆様、選択肢を出すという方法はお互いにとって存外効果的かも、ですよ。