抜粋なまもの日記・特別編

踏みキン・ワークアウト日記3


 主婦向け・続けるための4ヶ条 


 脂肪を減らして痩せると決めたからには、これまでのような決心した翌日にはやめているという腑抜けた真似はしたくない。なぜこれまでの減量が成功しなかったか、それは自分には向かない方法で痩せようとしていたからに他ならない。
 ダイエットにしろエクササイズにしろ、気長に焦らず続けることこそ肝要。まずは、「これはできないな」「これは譲れないな」というものをピックアップしてみると、自分なりの続けられそうな方法が見えて来た。

 (1) 金は一切かけない。

 不景気だし家計を預かる主婦だしという以上に、自分の肉を捨て去るのに、なぜ金を払わねばならんのだ。ってことで、ジムには行かない・高いマシンやサプリメントも買わない、という方針で行く。それに、金のかかる方法をとると、諦める原因にもなるんだよね。「今月は出費が多くて苦しいから、ダイエットのあれに金を払うのは厳しいなあ」なんてことになりかねない。従って、できることなら出費ゼロで減量を達成したい。

 (2) 外に出ない。

 ウォーキングも自転車もすぐにやめちゃったのは、でかけるのが面倒くさいのが一番大きい理由なのだ。仮にも女性ですよ。出かけるとなれば、近所で知り合いに会ったりしたとき、恥ずかしくない恰好をしてなくちゃ。ってことは、ウォーキングなり自転車なりのために、わざわざ着替えて化粧して……ああもう、それだけで面倒くさいっ。え? 日々の買い物を歩きにすれば良いって? あなたね、特売の缶詰や卵やペットボトルや冷凍食品を山ほど抱えてのんびり歩いて帰れますか?
 それにさぁ、退屈なのよね。ウォーキングも自転車も。ぼーっと歩く(漕ぐ)ってのがあたしには出来ない。「季節の風景を楽しもう」なんていう風雅な感性はあたしには無いのさ(しくしく)。ウォークマンで好きな音楽聞いてたって目が暇でしょ? 従って、自宅でテレビを見ながら出来ること。これは譲れない。

 (3) 食事制限はしない。

 手っ取り早く痩せるには食べなければいい、或いはカロリー制限を設けたメニューを作ればよい、てのは分かる。だけどこれは主婦には無理です。だって、家族の御飯を三食作んなきゃなんないんだよ? 家族に朝昼晩の食事を作って、それとは別に自分用のメニューを用意するなんてことはできません。
 そうそう、本を読んでたら「出されたものを半分だけ食べよう」なんてダイエット方法が書いてあって、怒髪天を突いたね。作る人の身になってものを言え!
 それに何より大事なことは。「食べずに痩せる」という方法は、脂肪も落ちるかもしれんが、筋肉も落ちるのだ。前ページで書いたように、落とすのは脂肪のみにしておきたい。四十代の女性の筋肉が落ちると、間違いなく乳が垂れるシワが増える。なので、食事に関する制限は一切しない(でも間食はこの限りにあらず)。

 (4) やつれるんじゃく、キレイにシェイプアップできること。

 ただ体重を落とすだけなら、なんぼでも方法はある。でもその結果、乳が垂れたり頬がこけたり皮がたるんだりするのはイヤだ。やっぱカッコヨクならなくちゃ。あのワンピや、あのパンツが似合う身体にならなくちゃ。



 さあ、これで指針が立った。
 大矢の目指すダイエットは

金をかけず、自宅でできて、食事も減らさず、格好良くなる!

 あ、あなた今、「そんな都合のいい方法あるかよ」と思いましたね?
 きっとある。信じて探せばきっとある。マルコだって、お母さんに会えると信じたからこそ三千里も歩いたんじゃないか。三千里もウォーキングしたら、さぞや痩せたろうなあマルコ。


 有酸素運動を勧められたけど…… 


 とまれ、この条件に合う方法を探すのだ。
 いやぁ、インターネットって便利ですねえ。いろんなダイエット方法の紹介やら体験談やらが満ちあふれているよ。でも注意しなくては。ネットは無法地帯。素人がたまたまやった方法が、たまたまその人に合っていて、たまたま成功したという、そんな例が誰にでも当てはまると思ったら大間違いだ。まずは正しい知識をつけましょう

 減らしたいのは脂肪だ。そして脂肪を落とすには──皆様、声を揃えてこうおっしゃる。

「有酸素運動が一番ですよ!」

 有酸素運動とは、あんまりきつくない、おしゃべりしながらできるくらいの運動を、長時間続けることです。つまり、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳、エアロビクス(有酸素運動を英訳するとエアロビクスになるのよ)などですね。脂肪燃焼には最適と言われています。

 でも、ダメなんだってば!
 条件の(2)を思い出してよ。自宅で出来ることが必須なのよ。ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳、エアロビクス……どれも自宅ではできません。脂肪を落としたいのはやまやまなれど、出かけなくちゃいけないのなら、それは続かない。きっと続かない。

 でもって有酸素運動ってのは、それはもちろん身体にはとても良いことなんだけれど、脂肪燃焼という観点で見ると「運動中に消費される」だけなのだ。もちろん体質改善はありますよ、心肺機能の向上とかで長い目でみれば脂肪が燃えやすい身体にはなると思う。でもとりあえずのところ、脂肪そのものは「運動中にしか消費されない」のだ。だから「だらだらとできるだけ長く続けましょう」ってことになるわけ。でもって45分のウォーキングで消費されるのはだいたい200kcal。おにぎり1個分。45分歩いておにぎり1個分。うーん。

 だから、これは却下。
 他の方法を探さなくちゃ。

   注意:有酸素運動の重要性については、半月後(連載第5回)にある展開があります。
     ここまで読んで「ああ、有酸素運動はナシなのね」と早合点せずに先へ進むのじゃ!


 「落として痩せる」より「増やして痩せる」 


 そしてぶつかった、ひとつの単語。
 ダイエットブームの昨今、大抵の人が耳にしたことがある、あの単語。
 「このワークアウト日記を読み始めたときから、そこに辿り着くこたぁ分かってたよ」と誰も思う、あの単語。
 あるある大事典でもためしてガッテンでもwww.さとなお.comでもあのサイトでもこの本でも、何度も何度も紹介されたあの単語。

基礎代謝

 出たっ! 今やダイエット関連でこの単語が出てこない日はないくらいだが、改めてその重要性を学んでしまったよ。あたしね、「食べて飲んで運動しなきゃ太るよな」ってな認識はあったんだけど、それがどういう意味なのか、どうして「食べて飲んで運動しなかったら太る」のか、その理屈は分かってなかったのよ。ま、ご存知の人は釈迦に説法・チャカに鉄砲でしょうが、まずは後に大矢の減量作戦の基本となるこの「基礎代謝」について、ものすごぉぉぉく噛み砕いて、噛み砕いた上に胃酸で溶かして説明します。

  ひろこさんが生きていくためには、エネルギーが必要です。
  エネルギーには、大きく分けて2つの種類があります(ホントは3つだけど、ここでは無視)。
  ひとつは、内臓を動かす・息をする・体温を保つなど、生きていく上で最小限必要なエネルギーで
  これを基礎代謝量と言い、30〜40代女性の基礎代謝量は約1170kcalです。
  最小限必要なエネルギーですから、何もせず寝てるだけでも、この1170kcalは消費されます。
  もうひとつは、体を動かすことによって消費されるエネルギーで、生活活動代謝量と言います。

  【問題1】
      ひろこさんは、基礎代謝量1170kcalに加え、1日の生活活動代謝量が330kcalあります。
      その一方で、ひろこさんは食事とおやつで、1日3000kcalのエネルギーを摂っています。
      ひろこさんのエネルギーの収支を計算しなさい。

  【答】
      3000-(1170+330)=1500kcal
      1日あたり、摂取量の方が消費量より1500kcal多いです。

  【問題2】
      では、その1500kcalは何になりますか?

  【答】
     まるごと脂肪になります。


ギャース!

 しししし脂肪て。まるごと脂肪て。そうか、太るってのはそういうことだったのか。使うカロリー以上に食ってるから、その余りが全部脂肪になるのか。ええええ、使わないんだったらウンコになって出てくればいいのに、どうしてそんなに溜め込もうとするの! 意地汚いぞ人間の肉体っ!
 若い人で、よく「いくら食べても太らない」っていう人がいるけど、そういう人はこの基礎代謝量が高いんだな。でもね、基礎代謝量って年をとると減って来るんだジョー。

 上にも書いたけど、30〜40代女性の基礎代謝量は1170kcalだっていうじゃありませんか。こないだスカイラークのメニューを見たら、デミグラスソースのかかったオムライスが1100kcalもありやがんの。1日な〜〜〜んにもしないで寝てるだけなら、このオムライス1個のカロリーでほぼ賄えちゃうってことなのよ。逆に言えば、オムライス以外に何か食えば、それは全部肉になるのさ。オムライスが昼食だとすると、朝食と夕食は全部肉になるのさ! きゃーーーーー! そんじょそこらのオカルト現象やホラー映画より、よっぽど怖いわっ。
 だから、その摂取カロリーを減らすか、食った分は運動して生活活動代謝量を増やさなくちゃなんないわけですね。わぁ、ようやくわかったよ!(遅)

 ということはですよ? 食事制限をしないのなら、やっぱり運動するしかないんじゃん。えーーーー、それって有酸素運動ってやつでしょ? 話が戻っちゃったじゃないか。だからそれはダメなんだってば。他に方法はないの?

 ありました。

 運動による「生活活動代謝量」が増やせないのなら、
 基礎代謝量を増やせば良いのです。

 思い出して見てよ、基礎代謝量ってのは「生きていくのに最小限必要なエネルギー」で、つまり「何もせず、寝てるだけでも消費されるエネルギー」なわけだ。それが多くなれば、黙ってても消費するカロリーが増えるってことじゃありませんか! でもって基礎代謝量は、内臓を動かしたり息をしたり体温を保ったりするのに使われると書いたけど、それは主として筋肉で消費されてるんですって! だから、

 筋肉量が多いほど、基礎代謝量がアップする

 のです。つまり

    ダイエットで痩せるんじゃなく、
    ワークアウトで筋肉つければいいんじゃん!

    肉を落とすのではなく、良い肉(筋肉)を増やすのだ。
    そしたら、自動的に悪い肉(脂肪)が減っていくのよ!

 基礎代謝量って、総代謝量の70%を占めるんですってよ。おまけに筋肉がつけば、
 体積は脂肪の4分の1なんだから各所が引き締まる上に、スタイルの崩れも防げる。→条件(4)に合致
 食べても燃焼してくれる身体になる。→条件(3)に合致。
 筋トレなら方法論さえしっかりすれば自宅で身一つできる。→条件(1)(2)に合致。

 そう、何のこたあない、「佐々木みきって80kg弱もあるように見えないなあ、スタイルいいなあ」と思っていたその理由こそが「だって彼女は筋肉鍛えてるから」だったのだ。

 こうして方針が決まった。

   ▼筋肉量を増やし、基礎代謝量をアップさせることによる脂肪減を目指す。
   ▼身体の中でも大きな筋肉である、脚・尻・腹・背の筋肉を鍛える。

 というワケで、筋トレスタート。
 言っておくが、筋トレですからね。筋肉をつけることが目標なので、短期間で体重が減るような類のものではありません。「2ヶ月で5kgは落としたいの!」なんてタイプのダイエットを望んでる人には向きませんよ。

 さて、次回は、具体的にどのような筋トレを始めたのか、それを飽きずに続けるためどんな工夫をしたのかについてご紹介します。もちろんこのままスイスイといくワケがないのであった。そこには多くのなまもの読者からの経験と知識に基づくアドバイスがあったのだよ!


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