女房元気で留守がいい・その1

 ダンナが脳出血を発症して1年10ヶ月、退院して1年半、その間骨折&人工骨頭置換による入院&リハビリが2ヶ月あったりもしたが、リハビリに頑張ってくれたおかげで今は「食事の準備」「入浴」「外出」を除けば、まぁだいたいのことはひとりでも困らなくなった。ビバ、リハビリ!
 それに応じて、生活も少しずつ変えていこう、という段階に来ている。
 退院直後はいろんなことに介助が必要で、あたしが家をあけるってのがなかなかできなかった。食事を三度三度作らなくちゃいけないから、ホントに昼間に2〜3時間てのが外出の上限だったのね。でも。

 たまには友達と時間を気にせず、ランチとか飲みとか行きたい。
 編集さんが来名されたときには、名駅や栄でちゃんと時間をとってお会いしたい。
 東京での打ち合わせやパーティなんかも、断ってばかりでは申し訳ない。
 九州にいる実家の両親の年齢を考えると、いつ帰郷の要請があっても不思議じゃない。
 偶然街で出会った椎名桔平から愛の逃避行に誘われる可能性がないとは言えない。

 介護する側だって我慢してばっかりじゃストレスがたまるし揺り戻しが来る。介護する側が無理をすると、介護される側だって負担になるだろう。ってことで、あたしも少しずつしたいことをしたいようにしようと思ってる次第。
 でもって普通、こういうときにはデイサービスとかショートステイを使う。つまり、専門のところに預かってもらうという方法。食事も入浴も介助してくれるし、何かあってもプロが常に控えているので預ける側も安心。名古屋市内にはリハビリに重点をおいたホテルみたいなショートステイ施設もあるし、いいんじゃね?と思ったのだが。

 ところがこれをダンナが嫌がった。かなり頑に嫌がった。
 まあ、そういうところはお年寄りばかりだしなあ、無理もないかなあ、と思ったのだが。先日京都から遊びに来てくれた自転車友人のN川君・H川君にその話をすると、一言のもとに否定されたのよ。

 「違いますよ、
奥さんのいない間、ひとりで好きに過ごせるのが楽しみなんですよ」

 
なななな、なんだとう?!

 言われてみれば。ダンナが病気になる前、たとえば自転車レースの遠征などでダンナが3日間留守をするなんてときには、あたしは「ひとり暮らしだ〜♪ お休みだお休みだるんるん♪」と嬉しくて嬉しくてしょうがなかったよなあ。あれか。あれなのか。

 よーし、そっちがその気ならわかった。遠慮はすまい。打ち合わせに東京行ってやる。出版社のパーティにも出てやる。忘年会だって三次会まで行ってやる。
 その代わり。
 ダンナがひとりでできること・できないこと、できないことをどうするか、緊急時の対応など、きちんと考えておかねばならない。

 かくしてダンナの「一人暮らしできるもん」計画がスタートしたのである。
 明日はちょっと告知がらみで別件の日記を書く予定なので、明後日以降、具体的な方策を紹介するよ。