今週のワタクシ12/4

11月28日 日曜日
 ダンナの脳出血発症からまる2年。よく再発せず生き延びた。
 途中骨折して、3歩進んだリハビリが2歩下がったりもしたがな。

 ツイッターで、米澤穂信
『折れた竜骨』を「オレ竜」と略している人を発見。猛烈に感動する。

11月29日 月曜日
 
太田忠司さんが「12歳で読んだ本が人生を変える」てなことを言っていた。
 太田さんは12歳でクイーンの『神の灯火』を読んだという。なるほど。
 自分が12歳のときに読んだ本で印象に残っているものを思い出してみた。

 
『ベルサイユのばら』『スケバン刑事』だった。

 ……なるほど。
 
11月30日 火曜日
 週刊朝日に載りました。(→
日記

 「あたしのカンチェ」ことカンチェラーラの
チーム・ルクセンブルク移籍が正式発表
 オグレディさんも一緒。またレースを見ながら「オグレディが遅れでぃ!」
 とつっこめるかと思うと楽しみでしょうがない。
 それにしても旧サクソバンク勢8人て。稼働前の新チームなのにランキング1位って。

 ……と書いて通じる人だけわかってくれればいいです。説明はしない。しないってば。

12月1日 水曜日
 ダンナの誕生日。夕食後に
オーフェルクリンの小ぶりのガトーショコラでお祝い。

 自転車友人Yりちゃんがバースデイプレゼントにと
ミニフットバスを持ってきてくれた。
 麻痺足はどうしても血行が悪くなったりむくんだり、寒いときには硬直したりするので
 手軽に足だけ温めてマッサージまでできるフットバスというのはナイス選択。
 ありがとうYりちゃん、ありがとうありがとう。

 そしてあとで気付く。
 箱に
「サンダルの似合う足に!」「ペディキュアが映える!」とあるんだが……。
 ダンナの麻痺足に彼女は何を求めているんだろう。

12月2日 木曜日
 CBCラジオ
「多田しげおの気分爽快!朝からPON」にて、
 お薦めの新刊本を紹介する「私のポン棚」のコーナーが週イチでスタート。
 今日紹介したのは、里見蘭
「さよなら、ベイビー」(新潮社)でした。
 育児小説にして成長小説にして捻ったミステリ。年間ランキングで取りこぼした一冊。

12月3日 金曜日
 行きつけのマッサージ院でフットケアの専門家に足を診てもらう。(→
日記
 改めて、扁平足であるという託宣がくだる。

12月4日 土曜日
 半期に一度の名古屋オフ。激辛麻婆豆腐との死闘を繰り広げる。(→
日記

名古屋オフ忘年会(消耗編)

 名古屋オフは二次会に場を移す。
 普段ならビールだの焼酎だのを注文するメンバーなのだが、
一次会の〈死闘!激辛地獄〉のインパクトいまだ大きく、飲み屋なのに一斉にグレープフルーツジュースだのトマトジュースだのを注文。店にとってはやりがいのないことこの上ない。

 肴も同様で、普段なら酒に合うような味の濃いものだとかジャンクなものを頼むのに、舌も喉も食道も胃も疲弊しているため、「サラダが食べたい」「何かさっぱりするものを」「なめこおろしとか」──なめこおろしを肴にトマトジュースを飲む面々。しかも相次ぐトマトジュースのお代わりに、ついに店の在庫が尽きるという状況に。何の集まりだこれは。

 そこで起こったできごと。
 なめこおろしを二人前頼み、食べたい人でシェアしようということになったのだが、シェアするにはなめこおろしってえのはチト食べにくい。スプーンがあるといいよね、ということで、代表して水生大海さん(原書房より
「かいぶつのまち」が絶賛発売中)が店員さんにスプーンを貰えるよう声をかけた。

 「スプーンをもらうことはできますか」
 「何個ですか」
 「人数分もらうことはできますか」
 「他のお客様の分が足りなくなるので、人数分はちょっと」
 「では何個ならもらえますか」

 
あんたらはニューホライズンの英語の教科書か。

 〈風呂に入るのは簡単だが、それを文章で書くのは難しい〉と言ったのは芥川龍之介だったか。この会話の面白さを文章だけで表現するのは実に難しい。水生さんの、まるでアナウンサーのように語尾まで滑舌の行き届いた発声と、おもねるでもなく責めるでもない淡々とした物言いが、なんつーかもう、「英文を和訳して朗読してますっ!」って感じで、それが一次会の激辛地獄に疲弊したメンバーの笑いのツボを直撃したのよ。Can we have some spoons? How many spoons do you need? We need spoons for each person. Sorry, it's too many to provide. Then, how many spoons can we have?

 まだ深夜というような時間ではないし、トマトジュース祭りで酔っぱらってるわけでもない。なのになぜかこれを機に「英文和訳会話」がその場を席巻した。誰かが醤油をこぼせば「おしぼりはもらえますか!」「おしぼりは何枚もらえますか!」「おしぼりは2枚もらえます!」などとワケのわからない言葉が飛び交い、料理が出れば「これはお好み焼きですか」「いいえ違います」「これは何ですか」「これは卵焼きです」「これはイモ焼酎ですか。それともトマトジュースですか」という「見てわからんか」てな会話が交わされる。何だこのバカ会話は。昭和の英語教育の限界、ここにあり。

 あなたは三次会に行きますか。はい行きます。いいえ行きません。私は間もなく来るところの地下鉄で帰ります。半年後に行われるところの次の機会に再び会いましょう。というバカ会話のあと、解散。私はコーヒーが飲みたいです、コーヒーを飲めるところの店を知っていますか、いいえ知りません、というメンバー5人で夜の栄を延々歩き(下調べしとけよ!)、デニーズで一服して解散となったのであった。いやもうホントに本の話は殆どない忘年会であったことよ。半年後のオフは「あなたは何冊本を読みましたか。それは本格ミステリですか、それとも冒険小説ですか」からスタートさせてやるから覚悟しとけ。

名古屋オフ忘年会(煩悶編)

 さて、前回のレポでは「辛い辛い」としか書かなかったが、ちゃんと恒例の今年のベスト本発表や本の交換会も滞り無く行われたことを、ここに記しておかねばならない。

 ところで、あたしは毎回、メモも何もとらずに皆の挙げたベスト本を覚えて日記に書くというワザを披露してきたが、今回は脳味噌のいろんな箇所に山椒と唐辛子が挟まって、思い出そうとするとコメカミのあたりが辛くなるのだ。なのであきらめた。ただ、拙著
『脳天気にもホドがある。』を挙げてくださった方がいたことだけは覚えている。気遣いは大人のマナーですね。
 ちなみにあたしは初野晴
『空想オルガン』を挙げる予定だったが、あまりの辛さに脳が死に、激辛麻婆茄子が大事な小道具になっている日明恩『埋み火』に急遽変更。あたしが解説書いてますのでどぞよろしく。

 一方交換会はと言えば、道尾秀介『月と蟹』や海堂尊『アリアドネの弾丸』といったベストセラーあり、『ベルサイユのばらカルタ』という飛び道具あり、『マンガで読破・黒死館殺人事件』あり、「参加者は女性が多いので、稲見一良の文庫『男は旗』を持ってきたよ」という、どう考えても逆だろというセレクトあり。──ああ、これも思い出そうとすると脳から山椒の臭いが立ち上って思考が中断される……。あ、あたしは狙っていた『ベルばらカルタ』を奪われてしまったので、京極夏彦トリビュートのアンソロジーをゲットしましてよ。

 まあ、交換会が始まった初期のように「名古屋市政だより」だの「ディノス通販カタログ(期限まで残り1週間)」だの「宮部みゆきの『クロスファイア』上巻だけ」だの、どう考えても自宅の本棚の掃除目的だろうというようなラインナップに比べると、供出本には格段の向上が見られるということは確かだ。今にして思うが、なんで当時はみんなしてあんな嫌がらせのような交換会をしてたんだろうな。その次から「通販カタログと電話帳は禁止」というワケのわからない決まりができたほどだったぞ。

 それにしても今回のオフは1次会はもちろん二次会でも三次会でも本の話がほとんどなかった。これもまた珍しい。あたしは「これはミステリファンのオフである」ということを忘れさせないため、「電子書籍ってけっこう使い勝手いいよね」とか「あの作品の続編はどうですか」とか頑張って本の話を持ち出していたのだが、どれも3秒で終わってしまった。「それほどまでに議論を呼ぶような作品がなかったってことだよ」とは太田さんの弁。

 まあ、いわゆる「ミス研」出身者が集うようなオフじゃないからな。そもそも名古屋にはアクティブなミス研てえのは、(昔は)無かったと言うし。そう思えば、そんな土壌でよくこれだけのメンバーが集ったものだと思えなくもない。
 ただ、軽くショックだったのは、「今年のベスト本を発表するとき、『あんまり読めてないんですが』って言う人が何人かいたけど、だいたい何冊くらいだったら『読めてない』と思うの?」といういつみの質問に対し、複数の人が「1ヶ月に1冊しか読んでないと、読めてないかな」と答えたのだ。
 まがりなりにもミステリファンが集まってる筈のオフで、そ、それはあまりに少なくないか……。

 本、読もうよ。楽しいよ。
 
 あ、それを伝えるのがあたしの仕事なわけか。そうか。

名古屋オフ忘年会(死闘編)

 半期に一度の名古屋オフ。
 今回は人数少なめで、男性3人女性8人という〈ほぼ女子会〉のノリ。

 今回の会場はラシック8階の陳麻婆豆腐。売りは激辛麻婆豆腐だと言う。激辛ウェルカム、どっからでもかかってらっしゃいな気分で戦地に赴く。まずは前菜。蒸し鶏と胡瓜とナッツは、大蒜たっぷりのソースがたいへん美味。次に出て来た海老の塩炒めもたいへんに美味。桂花陳酒おいしーねー、いややっぱり紹興酒でしょ、ホットの紹興酒にザラメを入れて混ぜずに飲むと翌朝お肌ツルツルだよ〜、などといかにも女子会らしい会話に花が咲く。
 しかし、暢気に頬張っていたのは、ここまでだった。
 3品目、イカとパプリカの炒め物──か? この色は、何? なんか禍々しい茶色とそこから分離したラー油的オレンジが、なんつーか、こう……

 「これ、辛いですか?」
 「ゼンゼンカラクナイデスヨー」

 「辛くないって言ってるよ」「じゃあ辛そうなのは見た目だけかな」
 「では戴きましょう」「ぱく」「ぱく」「ぱく」
 「あ、大丈夫大丈夫。おいし──
ぐはぁげほげはっ、かかかかからっ

 時間差攻撃で食道から辛みが駆け上がる。

 「お姉さんぜんぜん辛くないって言ったのに!」「中国人はこれ平気なのか? これが辛くないのか?」「国際問題になるから伏せ字にするが××って××じゃねえのかっ!」

 場が騒然とするところに、次はチキンとナッツの炒め物。ああ、これなら大丈夫そうだ。おや、チキンとナッツはわかるが、この黒いのは何? キクラゲかな? お兄さん、これは何ですか?

 「ソレ、とうがらしデス」
 「唐辛子! 唐辛子の輪切り?! ……ってことは、これも辛いですか」
 「カラクナイデスヨー(にこにこ)」
 「さっきのイカと、どっちが辛いですか?」
 「……コッチカナー。デモ、カラクナイデスヨー(にこにこ)」

 さっきより辛いのかよ! チャレンジャーかおかおが、キクラゲにしか見えない唐辛子を一切口に入れる。一瞬の間。そして──

 「痛い痛い痛い
ベロが痛い!

 時をおかずして、テーブルのあちこちから同様の絶叫があがる。白飯をくれ白飯を。いや水を。これは何の罰ゲームか。しかもちゃんと美味いから不思議だ。美味いよ。でも辛いよ。アホかっちゅーくらい辛いよ。てか中国人(以下自粛)。

 そしていよいよメインである。麻婆豆腐である。既に心の準備はできている。念のため、店員さんに訊く。これ、辛いですか?

 「カライデスヨー(にこにこ)」

 ついにお墨付きを戴いた辛さ。ちゃんと白飯がついてくるあたりが、辛いよと宣言しているようなものだ。覚悟して食べた。そして辛さは覚悟をあっさり凌駕した。

 「ベロが痛い!」「食道が痛い!」「なんか体中の毛穴からヘンな汁が出るよ怖いよ怖いよ」「こ、この山椒の粒を噛んじゃダメなんだ、飲むんだ飲み込むんだ、麻婆豆腐は飲み物だ!」「日明恩の
「埋み火」に確かこんな辛い麻婆茄子を食べるシーンがあったなあ。読んだときは大げさだと思ったけど、今なら雄大たちに心の底から感情移入できるよ。ごめんよ日明さん!」「こんなに辛いのに、なんで美味いんだ」「辛みと旨味を感じる部位は別なのか」「美味いよー辛いよー」「白飯が足りん!」

 そして。闘い済んで日が暮れて。
 皆は「ごちそうさま」の代わりに「ナイスファイト……」と互いを讃えた……。
 食べた、というより、一試合終えた、という気持ち。

 デザートの杏仁豆腐がこんなに美味しかったのは生まれて初めてかもしれない。

 あ、ちゃんと忘年会恒例の今年のベスト本とか本の交換会もあったんですよ。でもそれはまた後日、別項で。こうしてあのメニューを文字にしてるだけで、なんか舌が痺れてきたよ……。

足の裏・計測編

 ダンナ担当の理学療法士・織田先生(仮名)にインソールを作ってもらうことになったのは、この日の日記に書いた通り。しかし基本ボランティアなので、ぜんぶ先生にお任せするのではなく、自分で出来ることはやろうという殊勝な心がけの大矢である。

 ってことで、今日は行きつけのマッサージ院でフットケアトレーナーによる、〈自分の足を知ろう:無料測定サービス〉というのを受けてみた。数値の他にフットプリントも戴けるというので、それを持って織田先生のところに行けば先生の手間も省けるのではないか、と。

 トレーナーさんは若くてキレイな女性。
「実はこれこれこういう症状がありまして、知り合いの理学療法士さんがインソールを作ってくださるので、その前に自分でも自分の足を知っておきたいなと」と説明する。

「その療法士さん、あたしの足を見て扁平足だなんて言うんですよ。
 ちゃんと土踏まずあるのに。ちょっと見て戴けますか?」
「扁平足って、本来はレントゲンをとって骨の状態を見ないと、
 見た目だけからはなかなか判断できないものなんですけど……」

 ほらぁ、一目見ただけで「扁平足」と断じた織田先生(仮名)に、このトレーナーさんの慎重な姿勢を見せてやりたいぞ! と思いながら靴下を脱ぎ、足を出す。と、間、髪を容れず。

 
「完璧な扁平足です(ズバッ)」

 えーーーーーっ。いや、見た目だけでは判断できないってアンタたった今言ったじゃん!

 「いえ、これはわかります。扁平足です。扁平足です。」

 繰り返さなくていいです。

 そしてトレーナーさんは問診票を見ながらあたしの足をつまんだり回したり折ったり伸ばしたり裏返したり畳んだりして、「関節がルーズですねえ……」と言った。本来足首が曲がるべき正面方向には固いのに、左右にぐらぐらしてると言う。「捻挫しやすいでしょ」「歩いてて何もないところで捻るでしょ」ええ確かに。わかるもんなのだなあ。

 次に台の上に立って計測しつつフットプリントを取る。サイズは右が23.8、左が23.6。そして足の幅は靴のサイズで言えば1Eだと言われて驚いた。あたしずっと今まで自分の足、幅広だと思ってたよ。3E履いてたよ!

 「足の骨が歪んでいるので、1Eだと擦れる部分が出るというだけのことです。
  サイズから言えば、1Eです。幅広の靴を履いてると中で足が動いて、捻り易くなります。」

 そしてそのあと、歩く様子をビデオ撮影。その映像と、さっき撮ったフットプリントを見ながらトレーナーさんが解説してくれた。

 プリントで見ると確かに土踏まずがあるように見えるけど、本来アーチになってなければならない箇所が潰れている。加えて、歩くときに外側から着地し、内側で蹴り出してるので不自然な荷重の移動が起きている。その結果、内側に力が滑ってしまってくるぶし部分の骨が出てきてしまった、と。その逆側が内にくびれてしまって、足全体の形が左右で >< ←こうなってるそうだ。

 もうこの骨自体は治らないので(行く先々でこう言われる……)、歩くときに足が外側や内側によれたりしないよう、踵と両脇をしっかりホールドする靴を選んでください、とのこと。
 それで勧められたのが、
ニューバランスのWW584という銘柄だった。いちまんごせんえん……しかし、今は足の上で荷重が横滑りしているため、膝の動きもブレているし、それは腰にも負担であるらしい。まあ、向こうも商売だから話半分としても、先々の医療費を考えれば決して1万5千円の靴ってえのは、高くはない、と思うのだが。

 このままこの治療院でインソールを作るのならこの靴でもいいんだろうが、そこは織田先生(仮名)に相談せねばなるまい。靴を買うかどうかは保留にさせてもらって(丁度のサイズの在庫がなかったので試着できなかったのだ)、とりあえず結果を持ち帰った。(続く)

ノリPに便乗

 今日発売の週刊朝日12/10号の、「週刊図書館」の中の「書いたひと」のコーナー(「の」の多い悪文の典型みたいになっとるがや)で、あたしと拙著『脳天気にもホドがある。』が取り上げられたので、興味のある人はご覧下さい。
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asParaに登録するとネットでも読めるようです。が、ま、そこまでして読むほどのものでも。

 ただこの号はトップ特集があの酒井法子独占インタビューで、週刊朝日の売れ行きがいつもよりかなり良いらしい。そういう号に載せて貰えたと言うのは、こと宣伝という点においてはラッキー以外の何者でもない。のだが。

 ただ、探して買ってくれた友人親戚にとっては……特に普段この手の週刊誌を買わない層にとっては、なかなかにハードルの高い買い物であったようだ。

 「別に酒井法子興味ないのに、絶対ミーハーだと思われた……」
 「わざわざ店員さんに訊いて、出してきてもらったら酒井法子って」
 「オレもノリPにつられて発売日に買いに来た客だと思われたんだろうなあ」

 これだけでもなかなか忸怩たるものがあったようだが、記事はノリPだけじゃない。

 「表紙の上の方にある〈40代からの幸せ♥セックス〉って何っ!」
 「わざわざ電話で取り置き頼んで、出された表紙に〈40代からの幸せ♥セックス〉…」
 「違うんです確かに私は40代ですがその記事が目当てじゃないんですホントです!」

 いやはや、すまないねえ。わははは。

 ところでこの取材は近所のコメダ珈琲で受けたのだが、ライターさんが同い年の女性ということもあり、雰囲気としては終始雑談だった。話のメインは本のことでも介護のことでもなく「どうして男ってえのは、妻の運転に対して助手席からやいのやいの言うんだろうか。あの性質はY遺伝子に組み込まれているのではないか」という話で小一時間盛りあがったくらいだ。
 あれで仕事になるんだろうかと危惧していたが、やっぱプロだな、ちゃんと記事になってるよ。ライターさんが言った「私は夫に助手席からあれこれ言われてぶち切れ、向こうが謝るまで1週間口をきかなかったことがあります」というエピソード以外、あたしは何も覚えてないのに。