野球

中日新聞で紹介される

 本日付けの中日新聞の愛知県民版に、拙著「脳天気にもホドがある。」の出版とからめて、ウチの夫婦が紹介されました。思いっきり写真も出てます。県民版だと油断してたら、中日新聞メディカルサイトに記事も写真もそのまま掲載されてることをツイッターで教えられ、ひっくり返ったさ。しかも写真、カラーだし。

 取材を受けたのは5日の夕方。
 その時点では日本シリーズの行方が決まってなかったので、「シリーズが終わってからの掲載となります」と言われていた。しかも「勝ったか負けたかで、紙面も扱いも変わる」とのこと。いずれにせよ日本シリーズにからめて「ありがとうドラゴンズ」みたいな記事にしたいらしい。

 だもんだから出来上がった記事を見て大笑い。ダンナの病気もリハビリも、すべての話はドラゴンズへと結びつけられている。まるですべての道がローマに通じるかのように、すべてのネタがドラゴンズへと通じている。これは中スポか。あ、いや、記者さんの主旨を汲んで、あたしがサービス精神全開でそういうふうに話したんですけどね。もちろんぜんぶ事実ですよ。

 ただ、記事の後半で「和田一浩選手が骨折していたと知り、同じ“骨折仲間”として負けられない、とリハビリに励んだ」みたいな意味のくだりがあるんですが。ここであたしは「でも
和田さんに勝てるのって髪の量だけですけど」というエスプリに満ちたコメントをしたんだが、それはばっさりカットされていた。やっぱりな。わはは。

 なお、新聞記事は良いんだが、ネット掲載分で見出しが「リハビリ竜が励みに」となっているのがわかりにくい、という指摘をいくつか頂戴した。確かに、リハビリと竜の間に読点欲しいよね。どんな新種の竜かと思ったぞ>リハビリ竜。

日本シリーズを振り返る

 ダンナのリハビリ通院の日。
 病院前の喫茶店(
拙著にも出てきたドラファンのマスターとママの店)でも病院内でも「負けちゃったのは残念だけど、でもなんか不思議と満足したよね」という意見が飛び交う。もちろんあたしも同意見。
 あれだけの試合を見せてくれたらもう、たとえ負けようが文句なんか言えない。言えるわけない。むしろ「ありがとう!」と。「めちゃくちゃ興奮したよ、いいもん見せてもらったよ!」と。
 そんな気持ち。

 というわけで負けた割には実に清々しい──いや、2日連続の寝不足なので決して清々しくはないか──戦後を迎えた今日、球史に残る今年の日本シリーズを振り返ってみる。

10月30日 第1戦:ナゴヤドーム D2ー5M

 中日の先発は吉見。09年は最多勝に輝いた吉見の、10年の目標は「
お立ち台で笑いをとる」ことだった。吉見は頑張った。1年間フルに頑張った。しかし彼が練りに練った面白コメントは、「ファンの皆さんにメッセージを」と言われ「おなか空いたんで、早く帰ってご飯食べたいんで、皆さんも気をつけて帰ってください」というような、なんというかその、えっと、彼の気持ちを分かっているファンですら「どうしたらいいんだ……」と戸惑うようなものであったことは残念ながら否定できない。
 この吉見の苦悩を野手も知っていた。もうこれ以上、吉見に無理はさせられない。彼がお立ち台に立つ度に、「今度も面白くなかったらどうしよう」とファンを悩ませるのも忍びない。そんな吉見への友情とファンへの愛情故に、お立ち台に吉見を立たせないよう、敢えて初戦を落としたドラゴンズなのであった。

10月31日 第2戦:ナゴヤドーム D12ー1M

 チェンはなかなか打てまチェン。チェン先発の試合は負けまチェン。おまけに台湾の人でありながら、ドラゴンズの平(ごほごほっ)……えっと、そこらの若手選手より日本語に堪能ということもあり、今日は安心してチェンをお立ち台に上げられるとばかり野手陣も打ちまくった。この友情に感じるところがあったのか、チェンは後にポスティングによるメジャー移籍を延期、来季もドラゴンズでプレイすると宣言することになる。チェンはどこにも行きまチェン。

11月2日 第3戦:マリンスタジアム M7ー1D

 ドラゴンズの先発は、あの07年の日本シリーズで8回まで完全試合をやり、今年の8月にも対巨人戦で8回までノーヒットノーランをやった山井である。もし野球が8回までのスポーツなら彼は間違いなく日本一、いや、世界一の投手として君臨するであろう。
 しかしここで注意を喚起したい。完全試合やノーヒットノーランというのは投手一人の力でできるものではない。捕手のリードや野手の好守備あってこその記録なのだ。山井はそれをちゃんと分かっていた。慣れぬ球場、慣れぬ人工芝、慣れぬ照明、そして風。山井は自らの記録を犠牲にし、各ポジションを守る野手に対し、できる限り多くの守備機会を作ることに専念した。フライありライナーありゴロあり、その様子はさながら守備練習のごとし。このコースに投げると打たれ、この方向への打球は風が押してホームランになる、そういった情報を山井は身を以て野手や後続の投手たちに示したのである。野球とはチームワークのスポーツである、ということを山井はファンの胸に刻みつけた。ありがとう山井。君の死はムダにしない。(死んでない死んでない)

11月3日 第4戦:マリンスタジアム M3ー4D

 山本昌、45歳。200勝投手。ラジコン大会での優勝数を加えればとっくにカネやんを抜いているであろう日本球界の至宝である。そんな彼にもまだひとつだけ手にしてない勲章があった。日本シリーズの勝利である。昌が日本シリーズで勝ち投手になる日、それが昌にとって投手生活の完成形となるのだ。
 しかしそれは言い換えれば、目標を達成したあとの燃え尽き症候群を招きかねない。昌さんにはまだやめてもらっては困る。球界には昌さんが必要なんだ。そんな思いをマリーンズのナインはバットに込め、涙をこらえて昌を追い上げた。そして「より長い選手生命」のために「目先の勝利」を捨てるよう、昌を促したのである。ありがとうマリーンズ。あなたがたのおかげで昌は来年も現役です。
 試合はその後延長戦に突入。ドラゴンズファンは平均3回吐きそうになり、平均4回胃がモゲそうになる。ツイッターのTLは「胃薬をくれ」というツイートで埋め尽くされた。いつも通りのドラゴンズ野球である。普段通りの野球ができた方が勝つのは当然の理。浅尾が作ったワンアウト満塁の場面、リリーフした聡文は三直ゲッツーという離れ業を見せ、昌が27年かけても手に入れられなかった日シリ初勝利をあっさり手にした。ちなみに聡文は今年27歳である。なお、あのゲッツーの瞬間、TLが「ちびった」で埋め尽くされたことは言うまでもない。

11月4日 第5戦:マリンスタジアム M10ー4D

 中田賢一。ドラゴンズの暴れ馬。その暴れぶりたるや、三者連続四球のあとで三者連続三振にとるという、サドっ気満載のピッチングが癖になるファンも多い。野手いらんがや。しかし暴れ馬には欠点がある。異様に試合時間が長くなるのだ。以前、同じタイプのパ・リーグの暴れ馬・新垣(ホークス)と交流戦で投げ合ったときなど、1回の表裏が終わるのに45分かかったことがある(事実)。
 ところでこの日、幕張は冷え込んだ。ドーム球場ならまだしもマリンスタジアムでの長時間野球はファンに風邪を引かせてしまう。本来100球を超えてから真骨頂を発揮する大器晩成肩の中田ではあるものの、ファンの健康を第一に考え、早々にマウンドを降りるという決意をしたのであった。これは同時に「名古屋で2試合できる」という名古屋のファンへのサービスであったことは論を俟たない。
 尚、ホームランや決勝打を打つ度に「神様のおかげです」とコメントするブランコだが、このマリン三連戦、彼の神様は東京駅で京葉線ホームの場所が分からず、球場にたどり着けなかったことが後に判明した。

11月6日 第6戦:ナゴヤドーム D2−2M(延長15回、規定により引き分け)

 もう先発が誰だったかなんて、大化の改新くらい遠い昔のことになってしまった5時間51分の死闘。試合終了は日付が変わる直前。そりゃ幕張に比べてナゴドなら、空調は完備されてるし風はないし客が風邪をひく心配はないだろう。しかし終電の時間くらいは考慮していただきたい。夜中過ぎに何時間も歩いて帰ったファンやマンガ喫茶で一晩明かしたファンにはただただ頭を垂れるのみ。
 あまりの長さにツイッターでは途中から試合の趨勢より「解説席の野茂、起きてる?」という声の方が大きくなったほどである。もはや中日対ロッテの試合ではなく、試合時間対野茂の闘いであったと言えよう。翌日、知り合いにその話をしたら3人に1人の割で「え、野茂、いたの?」という返事が返ってきた。
 それにしても本来なら、ナゴヤドームでこのような展開で延長戦に持ち込んだら、ドラゴンズの勝ちパターンの筈。セ・リーグ相手ならサヨナラ勝ちの確率は9割を超えていたところだ。なのに勝ちきれなかったというあたり、やはり日本シリーズならではの重圧だろうか。

11月7日 第7戦:ナゴヤドーム D7−8M(延長12回)

 6対2でリードしたとき、勝ったと思った。
 河原が打たれ、6対6になったとき、まずいと思った。
 ネルソンが力つき、6対7になったとき、負けたと思った。
 9回裏、和田が三塁打、ブランコの犠牲フライで追いついたとき、全尾張が震えた。

 そのあとは、勝ち負けなんかもうどうでもいい、という気持ちになった。
 試合が、野球が、最高にエキサイティングだった。

 試合後、落合監督が「誰も責めない。今日は褒めてやる」という談話を出した。けれどファンは、監督がそう言う前から、試合中から「誰も責めない」と思っていた。2試合連続でイニングイーターの役割を果たしてくれたネルソンや、4イニングをまたいで投げた浅尾。彼らが打たれても、いったい誰が責められる?

 追いつかれてしまった河原も、逆転打を許したネルソンも、そのあとを引き継ぎミラクルなゲッツーを2回とった聡文も、悲運の負け投手になった浅尾も、そして岩瀬も、結果がどうであれ、彼らがベンチに戻ってきたとき、スタンドからは「よう投げた!」「ありがとう!」という声が飛んだという。試合中なのに、である。こんな泣ける話、ちょっとない。

 だから今日、会う人会う人が皆「残念だったけど、満足したね。充分だね」と清々しく笑い合えたのだ。

 それと。
 第7戦の試合中、あたしのツイッターのTLを埋め尽くした
「浅尾って可愛いだけじゃなくてスゴい!」が嬉しゅうて嬉しゅうて。あの浅尾の魂のピッチングを見て「中日ファンになってしまった」という人が続出。
 特に、テレビの演出なんだろうが、ピッチャーの顔のアップとバッターの顔のアップを交互に映したりなんかした日にゃあ、緊迫すべき場面にも関わらず「いやあ、申し訳ありませんけど、顔じゃあうちの浅尾のコールド勝ちですな、へっへっへ」とニヤけてしまったものだった。いやあ、だってねえ、別にマリーンズの選手がどうこうではなくてさ、バッターが誰であっても、あのカメラワークは比べられる相手が可哀想でしょう。特に里(げふんげふんっ)。

さあ、立浪以来の全国区の選手がやっと出てきたよ!
全国の皆さん、あれがうちの浅尾拓也です!

 拙著イラストを描いて下さったmihoroさんが、こんな可愛いイラストを描いてくれました。拙著イラストの仕事のせいで、何の興味もなかったドアラを何も見ないでも描けるようになったという「今後、使い道のない能力」を身につけられたmihoroさんに、来年こそ、喜ぶドアラのイラストを描いてもらえますように。

 マリーンズファンの皆さん、おめでとうございます。
 そしてドラゴンズファンの皆さん、お疲れさまでした。今年も楽しかったね!

鳥飼否宇さん来名

 『官能的〜4つの狂気』(鳥飼否宇・原書房)という本格ミステリがある。
 架空の都市・綾鹿市を舞台に起こる殺人事件とその謎解きが詰まった連作短編集で、バカミスすれすれに見えて実はけっこう緻密に練られたトリックや、シモネタすれすれに見えて実はすれすれどころか力一杯シモネタの、なんつーかその、薦める相手を非常に選ぶ、著者の名物シリーズのひとつだ。
 シモネタというだけで、苦手、と感じる人もいるだろう。ただ、たとえあなたがシモネタ嫌いであっても、あるいは本格ミステリというジャンル自体に興味がなかったとしても。

 
中日ファンなら、『官能的』は読んでおくべき本である。

 言っておくが野球小説ではない。野球のヤの字も出てこないし、ドラゴンズのドの字も出て来ない。それでも中日ファンが読めば、「ああ、これはドラゴンズ小説だ!」と納得していただけると思う。ちなみに本書を読んだときの、あたしの感想は
こちら

 さて、そんな小説を書かれた鳥飼否宇さんはもちろん中日ファンである。現在、奄美にお住まいなのにも関わらず、なんと6日の日本シリーズ第6戦を見るべく来名されたのだ。となればもちろん、歓迎の宴を開くべきであろう。
 本来なら名古屋城の天守閣を借り切って酒池肉林の盛大なパーティを催すべきところだが、鳥飼さんと会えるのが7日の夕方というのがネックになった。連絡をとり合った時点ではまだ7日に試合があるのかどうか分からなかったからだ。試合がないのなら大パーティも可能だが、あるとすればそれは最終戦、つまり勝った方が日本一という試合になるはずで、だったら飲んでる場合じゃあるまい?(もちろんこの時点では7日の試合があんなことになろうとは予想もしていない)

 結局、7日の試合がどうなるかは6日が終わらなくちゃわからないため、名古屋城は断念。「野球が無ければナンボでも飲むが、あるなら早めに帰る」という臨機応変な対応が可能の、在名の同業者にして中日ファン限定の迎撃となった。参加者は
太田忠司さん、水生大海さん、そして鳥飼さんとあたし。

 夕方4時過ぎに鳥飼さんお泊まりのホテルに集合。鳥飼さんとは全員初対面ではあるが、互いの著作を通じて知っていたということもあり、何はなくとも「何ですか昨日の6時間試合は!」という共通の話題であっという間に打ち解ける。
 予約していたダイニングカフェに場を移し(ここがまあ訳の分からない
真っ暗な店であった)、中日の勝利を祈って乾杯。今、完敗という嫌がらせのような誤変換をしやがったことえりに10分悪態をついたところだが、まぁそれはそれとして、仕事の話、本の話、野球の話、そして「なんで奄美なんですか」「虫が好きだから」ってな話、「こないだマダガスカルに行かれたそうですね」「虫が好きだから」ってな話、「会社をやめて専業作家になろうと思われたのは何がきっかけですか」「虫が好きだから」ってな話、てか、どんだけ好きなんだ虫。たぶんあたしと虫が溺れていたら、鳥飼さんは間違いなく虫を助けるだろう。

 あたしが大学時代を過ごした町と鳥飼さんの故郷が同じで、しかもかなり近所だったことに驚き、「旦過市場のとこに出る屋台って、おはぎがありましたよね」だの「守恒のニチイの坂を降りたところにあったスーパー、何て名前でしたっけ」「アピロス」というローカルにもホドがあるような話題(分かる人だけ分かってください)で局地的に盛り上がったり。

 そうこうしてる間にプレイボールの時刻となる。勝てば明日があるし負ければ終わりってことで、「プレイボールから見なくちゃ!」という切羽詰まった気持ちはないとはいえ、6時を過ぎると4人が4人ともまるで打ち合わせたかのようにモゾモゾし始める。「わ、ワンセグ入らないっ」「吉見対俊介だよね、たぶん」「とりあえずネットの速報を」「ナゴヤドームの俊介なら打てない事はないと思うんだけど」……「あ、先制されてる」「ええっ!」「あ、でも裏にすぐ取り返してる」「おお!」

 ……まあ、その顛末はどうであったかは、「勝ってるねー」「リードしてるねー」「安心だねー」と言い合ってそれぞれ帰途についた4人が、帰り着くなり声を揃えて
「どゆこと?!」とツイッターで叫んだ、とだけ書いておきましょう。しくしく。

 とまれ、たいへん楽しゅうございました。次回は野球の時間に縛られることなく、もっとゆっくりじっくり飲みましょう鳥飼さん……って、野球見に名古屋に来るんだからそれはハナから無理な相談か。では来年は、56年ぶりの完全制覇及び昌の日シリ初勝利の美酒をご一緒できることを願っております。

スポーツオーソリティと日本シリーズ

 今日は友人いつみとショッピング。
 守山区のイオンに入っている
スポーツオーソリティのセールに、ロングパンツを買いにいくのだ。

 ナイキやアディダスなどのブランドものもあるが、あたしの狙いはスポーツオーソリティのオリジナルブランド。ストレッチタイプのロングパンツがもう、もともとエアロビクスなどのワークアウト用なので超動き易くて楽で、洗濯機でがんがん洗えて、でもシルエットがめっちゃキレイで、トップス次第では普通のお出かけにだって使えるという優れもの。しかも3500円程度。
 デニムってきついし動きにくいしカジュアル過ぎるしとお悩みの中高年マダムの皆さん、ワークアウト用のスポーツウェア、使い勝手がよろしゅうございましてよ。縦ラインの無いデザインなら、ちょっと見、フォーマルっぽい着回しも出来ましてよ。

 ところが今お気に入りのものと同じタイプがない。店員さんに「これと同じのが欲しいんですが」と自分の足を指差すと、若い男性の店員さんは「品番がタグに書いてあるんですが……」とモジモジ。え、とウエストの裏側あたりを見ると、「いえ、もうちょっと下の方に……」と更にモジモジ。
 なるほど、左サイド骨盤あたりの裏側にタグがある。平気でそこまでめくって見せる。四十過ぎるとこういうのが平気になります。昔は「金をもらっても見せたくない」だったものが
「金を払ってでも見せたい」と思うように……いや、虚しいからやめよう。

 嫌がらせのように店員さんにタグを見せた結果、すでに廃版だという。しょうがないので、同じシリーズの新版を購入。ちょっとデザインが変わってるが、問題無し。
 せっかくだから他のブランドものの同じタイプのものも試さねば損だ。あたしが試着室に入って1本穿いてる間に、いつみが見繕った別の商品がどんどんドアの下から差し込まれてくる。連れのいるショッピングの何と楽なことか。

 本来の狙いだったスポーツオーソリティオリジナルブランドとは別に、NIKEやGfitなどいろいろ試した結果、ルコック・スポルティフのロングパンツを購入。もうひとつ、やや厚手の生地のボトムも探したが(
こういうやつね)、こちらは気に入ったものが見つからず断念。次のセールに賭けることにする。でも良い買い物したー。

 夜は日本シリーズ──のための練習試合がナゴヤドームで行われた模様。
 うちの吉見や平井のために、ロッテの皆さんが投球練習に付き合ってくださったらしい。ここに投げたら打たれる、というのを教えてくださったようだ。
 バッター陣のためには、なんとロッテのエース成瀬が、打撃投手を買って出てくださった。でももうちょっと打ち易い球を投げてくれないと練習にならないよ成瀬──って、これも虚しいからやめよう……。しくしく。

 なお、諸般の事情でダンナの実家近所のコメダ珈琲で、ワンセグで試合を見てたんだが、いつもは呼んでも来ない店員さんが、頼みもしないのに水のお代わりや灰皿の交換にやって来る。負けてる、と教えてやる。厨房に衝撃が走っていた模様。

 深夜、ロッテファンの友人から
「中日はロッテより弱い」という呵々大笑のメールが来た。
 そ、それは昔、巨人が三連敗から四連勝したときの魔法の呪文……! いいのか?

地上波のお祭り中継なんか要らない

 朝日新聞の記事によれば、名古屋開催の1・2戦目の放映権を持っているTBSが、「だってその時間は世界バレーやるんだもん」ということで、全国中継を蹴ったのだそうだ。
 まあ、ぶっちゃけイマドキ野球なんて視聴率とれないしー、ってことなのだろう。

 個人的には、ぜんぜん、まったく、一向に構わない。
 BSやCSがやってくれるのならね。<そっちの方が心配。

 幸いなことに、ここ10年では04年、06年、07年に中日は日本シリーズに進出しておりますが、正直言って、地上波での全国放送は野球好きにとっては耐えられないくらいショーアップされた演出で、こんなことならNHKかCSでやってくれ、と切に願ったものだった。

 特に06年・07年なんてアンタ、どっちも相手は日ハムだったわけだが、06年は「新庄引退花道」という位置づけの中継で、中日はもちろん、日ハムの他の選手まで脇役扱い。CMに入る前には必ず新庄を映す。たとえその回、他の選手が活躍してようが、新庄を映す。もうげんなり。中日にもあのシリーズを最後に引退する選手がいたんですけどね。世界一のバント職人・川相さんがね。しかもヒルマン監督の勝利インタビューの途中で中継ぶったぎるというテイタラク。

 07年は、ダルビッシュがサエコ夫人と結婚したもんだから、試合中にやたらと客席のサエコさんを映す。選手よりサエコさんを映す。次第に、
サエコの隣に信子を座らせたい、という黒い衝動がふつふつと。相手は妊婦だから自重したけど。<さりげなくひどいこと言ってないか?
 とまれ、局側も何か視聴者の気を引くネタを作らないと、
野球の面白さだけでは番組がもたないと思っていることは明らか。しかしそれは実のところ、野球そのものの面白さを伝える技術がテレビ局にはない、と公言しているに過ぎないんだが。

 視聴率がとかスポンサーがとか延長時の番組調整がとか、そりゃいろいろあるのだろうと思うが、ここまで多チャンネル化が進んだ今、スポーツを地上波で流すメリットははっきり言ってないと思うのよ。むしろこれまで、当たり前のようにゴールデンタイムに野球という一スポーツの中継をする方がおかしかったのだと思う。
 今だって、あたしは自転車ロードレースをCSで見てる。地上波でやって欲しいとは思わない。レースの流れをぶったぎるCMや不必要な演出が入るくらいなら、今の国際映像そのままでレースに詳しいアナや解説の〈わかるひと向け〉の実況が入るだけで充分。
 それと同じで、野球が好きな人は、BSやCSに金を払って中継を見ている。試合終了まで中継するのは当然、余計な煽りも演出も無い、BSやCSの中継で必要にして充分なんだもん。

 「その時間は世界バレーやりますんで」というTBSにしたところで、バレーそのものの面白さを伝えようなんて気はさらさらないんだろう。芸能人を「オフィシャルサポーター」とかいう立場に置いて衆目を集めるのをもう何年もやってるわけだから。試合をカットしてアイドルの歌を流すってのも当たり前のようにやってたわけだから。
 そういう番組作りでは、視聴者にスポーツの面白さは伝わらない。だからいつまでも競技そのもののファンは増えない。同時に、
競技ファンはその演出にうんざりして地上波の中継から離れる。見なくなる。
 畢竟、地上波でのスポーツ中継はどんどん数字がとれなくなる。

 スポーツそのものを楽しみたい人は、金を出してCSでコンテンツを買う。そういう時代なんだから、「日シリを地上波でやらないなんて、野球人気凋落?!」などと騒ぐようなことではないのだ。最初から。

ライバルに敬意を持つということ

 ダンナの「一人で留守番プロジェクト」の続きを書かねばと思っているのだが、先月29日に書いた「ライバルでも、負けを願いたくはない」についての反響がまだ続いているので、その件について。

 ドラゴンズのリーグ優勝はそりゃもちろん嬉しかったんだけども、試合のない日にマジック対象チーム(阪神)が負けたことによる、いわば「待ちの優勝」だった。
 これはドラゴンズの優勝史上でも最近はなかったことで、各テレビ局が絵に困ったことは簡単に想像できる。優勝決定の瞬間、選手はカメラの入れないロッカールームにいるんだから。

 それで各テレビ局はどうしたか。
 これがねえ、個人的にはとても嫌だったんだけど、ドラゴンズファンが集まる居酒屋さんで「その瞬間」の映像を撮り、それをニュースや特番で使ったわけですよ。
 うん、確かにそれもひとつの「優勝の瞬間」ではあるし、他に手がないってのもわかるんだけど。

 でもさ、見ていてものすごく辛かったのよ。やめてくれ、と思ったのよ。
 それがどういう場面だったかを、ドラゴンズファンとしてでなく中立的な目で見ると。
 9回表、この試合に負けたら優勝が消えるという試合で5点差をつけられて、正直もう望みはないってわかってて、それでも諦めずにバッターボックスに立つ金本。
 そこで「あとひとり! あとひとり!」「あと一球! あと一球!」とコールを上げ、金本が三振に倒れた瞬間に喜びを爆発させ、呆然とする阪神ベンチの映像が流れる中で万歳三唱。
 もうね、どんだけ阪神と阪神ファンに失礼なニュース映像かと。

 あ、あらかじめ断っておくけど、その居酒屋のお客さんは悪くない。ファンとして素直な気持ちで声を上げ、喜んでるだけだし、あたしもその場にいれば同じことをしたと思う。実際、ツイッターでもこっそりと「あとアウトみっつ……!」とかって呟いてたしな。
 ただ、それをメディアがどう見せるか次第で、居酒屋のお客さんは「中日の優勝を喜ぶファン」ではなく「阪神の負けを喜ぶファン」というふうに視聴者の目に映ってしまう。
 それは決してイコールではない。あの場にいたお客さんたちだって、決して阪神憎しではなく「中日が優勝だ」ということで喜んでるんだから。でも。

 逆の立場になってみれば簡単に想像できる。
 もしも中日の負けで試合のない阪神の優勝が決まっていたとしたら、そして阪神ファンの集まる居酒屋が中継され、たとえば森野が三振した瞬間に万歳されたら。沈む中日ベンチを見て「やったあ!」と喜ばれたら。
 気持ちのいいはずがない。

 そりゃね、あたしだってこれまで「阪神負けろ」「巨人負けやがれ」と思ったことがないと言ったら嘘になる。いや、しょっちゅう思ってた。っていうかむしろこの2チームより、ヤクルトに対してどうにも歯痒い思いがあり、「館山の乗った車が渋滞に巻き込まれて球場入り遅れろ」なんて思ったりもしたさ。あまりにも館山が中日に強いんで、「きっと館山は難病の少年にウィニングボールを渡す約束をしてるんだ、その少年は館山が勝ったら手術を受けるって決心してるんだきっとそうだ」などと詮無い想像で自分を慰めてたさ。しまいにゃ「ウィニングボール何個貰えば気が済むんじゃ、とっとと手術しがやれ!」と架空の少年に腹を立てたりしたさ。

 けど、それもこれもペナント終結とともにすべて終わること。
 そのとき、半年間戦って来たライバル球団とそのファンに、敬意と礼節を持った報道をすべきだと思う。
 自分たちが勝った瞬間ではなく、相手が負けた瞬間をこれでもかと流すことに、大きな意味があるとは思えない。むしろそれは(言葉は失礼だけど)死者に鞭打つ行為なんじゃなかろうか。
 ライバルの負けの瞬間を繰り返し映さずとも、号外が配られる名駅や、バカが噴水に飛び込む栄や、優勝コスチュームのナナちゃんを映すことで、じゅうぶん優勝の喜びは伝えられるんじゃない?

 敬意と礼節。
 野球に限らず、書評を書く時にも、肝に銘じている言葉です。

胴上げなう

 と、その前に告知。
 
「能天気にもホドがある。」の予約が楽天ブックスでも始まりました。発売は10/21です。
 どぞよろしくお願い致します。

 さて、胴上げなう。


 胴上げなう、なんて言葉をツイッターに書けるのは、6球団中1チームだけ。
 そう考えると、このチームのファンでいるということはなんて運がいいんだろう、と思う。願わくばもう一度、今度は12球団で1チームのファンしか書けない「胴上げなう」を書きたい。

 てなわけで名古屋は朝からお祭り騒ぎ。
 あたしも朝イチでまずコンビニでスポーツ紙を買い、「浅尾がAKB48の前田敦子ファン」というスポニチ情報に軽くショックを受けたり、
「阪神ファンのオール巨人の息子が中日の山井の妹と結婚」というややこしいこと極まりないニッカンの記事に頭を捻ったり。
 そしてもちろん、ドアラが泣いて勧めるピアゴのセールへ突撃し、死力を尽くして買い回る。特に生鮮食品66円コーナーでの死闘は後生に語り継がれるほどの熾烈さであったよ。それでも「狙う」「掴む」「かっさらう」という勝利の一人方程式に持ち込み無事勝利、先着順で貰える堂上兄弟と岩瀬のクリアファイル2枚組もしっかりゲットし、「買いましたー!」とばかりに凱旋。
 それはそうと落合監督、ものは相談だが、来年はもうちょっと小さな数字の背番号に変えてみませんか?

 そして夜の今季最終戦@ナゴヤドーム。
 寝不足なのか二日酔いなのか知らんが、予想通りサクっと負けましたな。でも、それもまた良し。
 なんつったって投手陣がもう、吉見・チェン・山井・中田・河原・高橋・浅尾という夢のような豪華リレーで、こりゃどこのオールスターだ、こりゃ何のファン感謝デーだというようなデラックス継投。これはもう、1年間応援し続けたファンへの、落合監督なりの御礼であり感謝の印なのだろう。なんかもう泣けてきたよ。
 贅沢を言わせて貰えるなら、昌と岩瀬が入れば完璧だったんだが。まあ、二人とも「お疲れさま抹消」でベンチ入りしてないので無理なんだけどさ。セレモニーには出てきたからいいや。

 さあ、これで一段落だ。
 明日からは仕事しますよ、ええしますとも!
 CSの第二(ファイナル)ステージは20日から。ちょうど
「脳天気にもホドがある。」の発売日がCS期間中に重なるので、ばんばん勝って、その勢いでばんばん買って戴きたい。

やりましたー!

    中日ドラゴンズ、2010年セ・リーグ優勝!
      やりました〜〜〜〜〜!

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 試合のない日にマジック対象チームが負けて、優勝決定。
 試合がないんだからその瞬間のテレビ中継も、もちろんなし。
 一番早いのはNHKだと、ニュース9のスポーツコーナーを正座して待つ。
 やっと落合監督の会見が始まった、と思ったその瞬間。
 大阪地検特捜部、前田検事らの逮捕の一報が入り、すべて吹っ飛ぶ。

 思い起こせば99年、星野政権下でセ・リーグ優勝を決めたあの日。
 東海村の原発事故が起き、ニュースも一面もぜんぶ吹っ飛んだっけ……。

 さらに遡って88年、郭源治がMVPになったあの年。
 昭和天皇のご容態が思わしくなく、ビールかけもパレードも自粛……。

 そんな事態に比べれば、まあ「これもウチらしいやな、はっはっは」てなもんだ。
 しかも逮捕されたのは前田検事。略してマエケン。
 マエケンと言えば、カープのエースにして今年のセ・リーグ投手三冠の麒麟児。
 そして今日のドラゴンズの優勝は、カープがタイガースに勝ってくれたからこそ。
 マエケンとカープの活躍に免じて、NHKの無礼を許すことにする。

 それからはもう、在名各局の優勝特番を見まくり録画しまくり、
 ツイッターではドラファンによる「やりましたー!」が等比級数的にRTされ、
 ビールかけの様子がUstで流され、それがまたツイッターで実況され、
 健太が聡文のパンツ脱がせただの、藤井が明太子になってるだの、
 ドアラの襟元からビールが流し込まれ、中……じゃなくて、えっと、その、何だ、
 つまり、ドアラの内蔵が直接濡れちゃってんじゃないかとか、
 そんなことよりインタビュー中の監督に堂々とビールをかけるマスコットが
 どこの世界にいるんだとか、てかマスコットに樽酒かぶせるチームって何、とか
 わけのわからない情報が飛び交って、優勝の一夜は更けていく。

 さあ、明日の最終戦はお祭りだフェスティバルだお披露目だエキシビションだ。
 多分負けるが(笑)、
胴上げが決定している試合、というのも気持ちいい。
 どうせなら先発6枚と高橋・浅尾・岩瀬の9人で1イニングずつとかやってくんないかな。

 選手の皆さん、監督。おめでとうございます。ありがとうございます。
 全国のドラゴンズファンの同志よ、おめでとうございます。
 東海圏の主婦たちよ、明日からセールだバーゲンだ。用意はいいか。

 乾杯!

ライバルでも、負けを願いたくはない

 それにしても考え出すと頭がぐるぐるするのがセ・リーグ優勝ラインだ。
 昨日、巨人が勝って阪神が負けたことは、中日ファン的には喜ばしい(阪神ファンの人、ごめんね)ってのはわかるんだけど、じゃあ今日はどっちが勝てばいいのかが、同じ中日ファンでも人によって意見が違うのよ。

 あたしは、「今日(29日)阪神が負ければ、明日以降、巨人阪神がともに全勝したとしても、2日に中日が勝てば中日優勝=中日にマジック1、自力優勝復活&勝てば胴上げ」となるから、今日も巨人に勝って欲しいと思ってたんだけど。

 その一方で、「今日以降、巨人は1敗、阪神は2敗すれば2日の中日の結果如何に関わらず中日の優勝が決まる。巨人は今日を逃すと2日まで試合がない。阪神は明日も明後日も試合がある。そのため、2日以前に中日が優勝を決めてドームで胴上げを見るためには、今日巨人が負けて、阪神が明日明後日連敗してくれるのがベスト」という意見があるわけだ。そっちの方がいいという人は、「今日は阪神を応援」となるらしい。

 なんかもうワケわかんねえから、あたしはよりシンプルな前者を採ることとします。
 だってさ、中日に勝って欲しい=相手チームの負けを願うことになるのはまあしょうがないんだけど、中日が直接かかわってない試合で、「××負けろ」と願うのって、なんか嫌なのよね。ほら、フィギュアスケートで、真央ちゃんに優勝してもらうためとは言え、「キムヨナ転べ」って願うのって、なんか嫌でしょ? どっちも最高のプレイを見せてくれて、その上で応援してる方が勝つってのが一番いいじゃん。

 ライバルだろうが何だろうが、「負けろ」と思うのは自分の精神衛生上あまり良いものではないので、負けを願う試合は最低限の1試合だけ(今日の阪神)にさせてもらって、あとはどこも頑張れ、2日は中日が自力で勝って優勝しろ!と願うことに致します。

球場の車椅子席の価格

 ドラゴンズの命運は今日からの関東2連戦にかかっているわけだが、それに先んじて、公式サイトでクライマックスシリーズ(CS)のチケット販売要項が発表された。ナゴヤドームで試合が行われる場合のチケットです。おかげさまで3位以上は確定してるんでね。

 でもってCSってのはやっぱりスペシャルなイベントだし、普段にはないいろんな経費もかかるだろうし、営業的に見てもドル箱だろうし、通常価格よりも高くなっている。それは市場原理として理解はできる。だから「いつもより高いじゃん」ということに対して文句を言うつもりはまったくない。のだが。

 ちょっと値上げ幅をご覧戴きたい。席名のカッコは普段の呼び名。

 内野指定S席       (通常)5.800円 → (CS)8,000円
 内野指定A席       (通常)4.800円 → (CS)6,000円
 5階指定B(パノラマA) (通常)2.500円 → (CS)4,000円
 外野応援A席       (通常)1.800円 → (CS)3,000円
 外野応援ビジター     (通常)1.800円 → (CS)3,000円
 外野応援B(パノラマB) (通常)1.500円 → (CS)2,500円
 車椅子席         (通常)2.500円 → (CS)5,000円

 
車椅子席の値上げ率だけ、倍って!

 他の席も値上げはしてるけど、だいたい3割増ってところ。なのに車椅子席だけ倍増。しかも介助者も同じ金額が必要なので、車椅子の人と介助者がCSを観戦しようと思うと1万円ですよ奥さん。
 ご存知の方はご存知のように、うちはダンナが脳出血の後遺症で片麻痺になってまして。普段は杖を使えば歩けるんだけど、ドームの急な階段や、スタンドの狭い通路や跳ね上げ椅子は無理なわけ。人も多いので、杖歩行では本人にも周囲にも危険だから、野球を生観戦したいなら、やはり車椅子席を利用することになる。でも普段がふたりで5千円てことを考えると、1万円は高いなあ。

 あ、誤解されないように言っておくけど、あたしは「障碍者様なんだから優遇しろ」などという考えは
一切ありません。障碍があろうがなかろうが、払うべき対価はきちんと払うのが当たり前だと思ってる。今、いろいろな分野で障碍者割引とか減免とかもあるけど、別に優遇してもらう必要のないことまで優遇してくれなくていいから、ちゃんと払うから、その分の費用で建物や道のバリアフリー化をしてほしいなと考えてるほど。だからCSのチケットが高いということ自体にも不満はない。

 ただここで問題なのは、ドームでは
車椅子利用者には他に選択肢がないってことなのよ。
 これがもし健康な人なら「いつもは内野指定で見てるけど、CSは高いから外野にしとこうかな」ってな選択ができるでしょ。ところが車椅子席は1種類しかないから、そこがダメならもう生観戦はできないのだ。倍額を払うか、観戦を諦めるか、ふたつにひとつしかない。これが残念。

 ちなみに昨年までのクライマックスシリーズ開催実績がある他の球場の車椅子席も調べてみた。

 東京ドーム(09年) (通常)2,500円 → (CS)3,000円
 大阪ドーム(08年) (通常)1,500円〜2,500円 → (CS)2,000〜3,000円
 札幌ドーム(09年) (通常)1,500円 → (CS)1,500円
 西武ドーム(08年) (通常)2,500円 → (CS)4,000円 ※日本シリーズの値段
 Kスタ宮城(09年) (通常)2,100〜6,500円 → (CS)4,300〜6,500円
               ※Kスタ宮城は介助者1名無料。
 YAHOOドーム(10年) (通常)2,500円 → (CS)4,500円
 千葉マリン(10年) (通常)?円 → (CS)1,000円

 
安っ!

 何この値段。いや、球場によって設備や環境が違うから、一概に値段を比較することに意味はないんだけどさ。他の球場は通常ゲームとCSの値段の違いってせいぜい500円じゃないか。札幌ドームなんか値上げ無しだよ。ナゴドに一番近い価格設定をしてるのは福岡のYAHOOドームだけど、それでもCS時はナゴドより500円安い。Kスタ宮城は高いように見えるけど、介助者1名が無料なので実質はこの半額と考えていい。

 しかも、大阪ドームとKスタ宮城は、車椅子席にも内野席と外野席があるのだ。それで値段が違うから、「こっちは高いから、あっちにしよう」という選択が可能。うわあ、いいなあ。羨ましいなあ。
 こうしてみると、もしドラゴンズが日本シリーズに進めたら、パ・リーグのホームの方に応援に行くほうがいい気がしてきたぞ。その場合、ロッテがベストだな。よし、ロッテ応援しよう。<交通費のことを考えてない。……てか、ロッテってチケット販売の告知してるけど、CS確定したんだっけ?

 他球団がこれだけのことをやってるんだから、ナゴヤドームだけ出来ないってことはないと思うんだが、どうだろう。てか、CSチケットは車椅子席だけ倍額、という価格設定の理由が知りたい。納得できる理由があるのなら文句なんて言わないさ。5千円が1万円でも払うさ。
 もしも「こういう理由なんじゃ?」というのが分かる方がいらしたら、ツイッターででもメールでも良いので、ぜひ教えてください。

M点灯せず。べ、別に悔しくなんかないんだからねっ!

 今日、中日が勝てばマジック3が点灯するはずだった。途中で巨人が負けたので、勝った場合のマジックは2になった。のだが。
 まあ、そう巧くはいかんわなあ。エース吉見を擁したとは言うものの、考えてみれば今までの大型連勝も連続無失点記録も、たいがい吉見で途切れてるんだから(エースなのに?)。切り替えていきましょ。それに今日は開始前から、もしかしてヤバいかなとは思っていたことだし。……それは何故かというと。

 こういう仕事をしていると、仕事で知り合った編集さんが「実は私、中日ファンなんですよー」とカミングアウトしてくる、ということが時々ある。文壇では(特にミステリ業界では)阪神ファンの勢力が強く、阪神ファンの作家さんたちが
『新本格猛虎会の冒険』てなアンソロジーを出してるし、阪神や巨人をモチーフにした野球小説は後を絶たないほどなのだが、どうしてなかなか、ドラゴンズ勢もちゃんといるのだ。ひそやかに。しめやかに。引き出しの片隅とかに。床の下とかに。中日ファンはアリエッティか。

 小説世界でドラゴンズがどう扱われてきたか、
『本の雑誌』09年7月号 にて「中日ドラゴンズ小説にエールを贈る」というテーマであたしがドラゴンズ小説を紹介してるんで、興味のある人はお読み下さい。宣伝ですねすみません。最強のドラゴンズ小説として某ミステリを挙げてます。その著者はもちろんドラゴンズファンです。

 閑話休題。
 現在、B社の文庫解説のゲラチェックをしているのだが、その担当編集B嬢もドラゴンズファンである。東京の人なのに見上げた心意気である。ただ今年は「神宮での観戦、全敗」だと言う。まあそもそも今年は神宮でまったく勝ててないので、そういう人は多いだろう。
 そのB嬢が、今日はナゴヤドームまで観戦に来るという。一人ではない。出版社の垣根を越えてドラゴンズファンの編集者2人、そして熱烈なドラゴンズファンである某人気作家の××さんも一緒だという。

 ところがこの××さん、「行くとドラゴンズが負ける」という傾向にあるらしい。
 歴史小説の大御所にしてドラゴンズファンである作家のM先生などは、先日わざわざB社の編集長に「週末の神宮に、××さんが行っていたのではないか?」と電話で確認してきたほどだそうな。
 そしてまた、B嬢と××さんに同行する他の編集者も、前述のM先生から「君も球場には行かないでくれ」とお達しが出るくらい、絶品の負け率を誇っているという。
 そこに「今年の神宮全敗」のB嬢である。こいつらが来るというのだ。今日のナゴドに。勝てばマジック点灯という正念場に、天王山に、剣が峰に、来るというのだ。なんでだ。なんでそんなことになったんだ。やって良いことと悪いことがあるだろう。落ち着いて考えてみろ。

 「だってホームゲームって憧れなんだもん」
 
 まあその気持ちは分かるけどさ。
 その話をツイッターに書くと、もうあらゆるところから「豪雨で新幹線止まれ」の大合唱。一方、阪神ファンのフォロワーさんからは「ウエルカム!」と大歓迎。実際、熱海でちょっと足止めを食らったらしいが、無事に着きやがった。

 結果は皆さんご存知の通り。どんだけパワーあるんだこいつら。
 異様な勝率を誇るナゴドですら、こいつらの負けオーラにはかなわないのか……。

 試合後、彼らは
郭源治の店で夕食を食べると言っていた。郭源治にドラゴンズ魂が残っているのなら、やつらをそのままどこかに閉じ込めておいて戴きたい。

 そして夜、B嬢からメッセージが届く。

 「日曜の神宮のチケット、入手済み」

 東京の同志よ、誰でもいいから全力でこいつを止めてくれ。
 救いがあるとするならば、××さんが同行しないことだけだ。

呪縛を解く方法

 あー、ようやく神宮で勝った。
 神宮での試合は今日を含めて残り3試合しかないというこの時期に来て、やっと神宮2勝目。いったい何の呪いかと、「行けば必ず負け試合」という目に遭ってきた関東のドラゴンズファンたちは、塩を盛り、水ごりし、厄よけのお札を額に張り、ニンニクと十字架を持って神宮のレフトスタンドに通ったという(嘘)。
 それを思うと、今日の勝ちは実に嬉しい。だって、今日の神宮の様子、見た? あれだけ負け続けてたのに、3塁側からレフトスタンドにかけてみっちりとドラゴンズブルーで埋まっていたじゃないか。すごいぞ神宮レフドラの不屈魂!

 これで思い出したのが、06年の阪神がナゴヤドームでまったく勝てなかったときのエピソード。
 テレビで片岡(現阪神コーチ)が言ってたんだけど、あまりに負け続けてたのでベンチの前に盛り塩をしてみたが、やはり勝てない。すると9月のある日、誰か(助っ人外国人だったんだけど名前忘れた。ジェフだったかな?)が「自分の国では厄払いには日本酒を飲む」と言ったのだそうな。そこで選手全員が、一口ずつ日本酒を口にして試合に臨んだ。

 その日の試合で阪神は、山本昌にノーヒットノーランを食らった……。

 いや、まあ、そういうこともあるよな。うん。

 さて、中日にとっての「神宮の呪い」はこれで解けたんだろうか?
 神頼みなどしそうにないチームではあるが、何か厄払いでもやったのかしらと思いながらベンチの映像を観たら、今日のヒーローである和田と小田が、帽子を脱いで並んで座っていた。

 どこの寺か、と思った。

 ホト毛さま、じゃなくて、仏様が何か勘違いして助けてくれたのかもしれない。