今週のワタクシ11/27

11月21日 日曜日
 
三婆会。プチ忘年会で大河ドラマの話になり、四十女の脳の衰退が浮き彫りになる。
 「信長の役を舘ひろしがやったのって、何だっけ」
 「えー、利家とまつ?」
 「いやその信長はまつのダンナでしょ」(わかるね?)
 「あ、ほら、あれだ、ほら、パッチワークのやつ!」
 「そうだそうだ、武田鉄矢と前田吟が家来のやつ!」
 「淀が永作博美だったやつ!」
 「馬買うのにへそくり出すやつ!」
 そこまで出てるのになぜ「功名が辻」というタイトルが出ないのか。
 隣の席の人はさぞイライラしていたことであろう。

11月22日 月曜日
 ダンナの雑誌を書店に取りに行き、四十女の脳の衰退が浮き彫りになる。
 「雑誌で電話の取り置きをお願いした大矢ですが」
 通じたんだから良し。
 
11月23日 火曜日
 昨日とってきたダンナの雑誌が先月号だったことが判明。
 書店員さんの脳の衰退が浮き彫りに……って、いや、単なるミスだろこれ。
 交換に行ったが、ショッピングモールの駐車場が異様に混んでいることを不思議に思う。
 今日は祝日だ、と気付いたのは夜になってからだった。

11月24日 水曜日
 「いきものがかりって、名前は知ってるけど歌はひとつも知らない」と思っていたが、
 半年間毎朝見てた「ゲゲゲの女房」のテーマがいきものがかりだったことが判明。
 四十女の脳の衰退が最も顕著なのは芸能問題だという事実が浮き彫りになる。

11月25日 木曜日
 来月から始まるラジオのコーナーの打ち合わせで、CBCへ。
 今日でCBCを訪れるのは3度目なのに、いまだに入り口がわからないどころか
 いつも使ってるフロアが何階なのかも覚えていなかったことが判明。
 
をかべさんが迎えに来てくれなかったら、ツイッターで「CBC内で迷子なう」と書くとこだった。

11月26日 金曜日
 5ヶ月前に申請していたダンナの障害年金の通知が来た。
 手続き確認のために年金機構に電話した──つもりだったが何を押し間違えたか、
 10回以上のコールのあとでフェリー会社に繋がる。
 「たいへんお待たせしてホントに申し訳ありません」と謝られてしまったので
 間違えましたとは言えず、使う予定もない年末年始の運行予定を確認してしまった。
 12月29日以降大晦日まで、神戸→大分便の個室は満席だそうです。

11月27日 土曜日
 そんなふうに四十女の脳の衰退が浮き彫りになりまくった一週間だったが、
 いろんな部分でボケまくっているのは自分だけじゃないことが判明してちょっと安心する。

 「カレンダーに印刷ミス タイガースの11月に31日」(
asahi.com

 ステキ過ぎるぞ阪神。

足の裏・理学療法編

 ダンナは毎週2回、リハビリのためにかかりつけのK病院に通っている。右麻痺の機能回復訓練のための理学療法(PT)と、失語症の回復のための言語療法(ST)の2種類。
 PTの担当はT先生、STの担当はN先生で、いずれも入院時からずっと担当して下さってるんだが、
拙著をお読みの方には、織田先生(仮名)・羽柴先生(仮名)と書いた方が通りがいいかもね。

 でもってこのリハビリはあたしが送り迎えをしているわけだが、ものはついでとPTの織田先生(仮名)に先だってからの
足の裏問題(1)(2)を相談してみたと思いねえ。最初は何の気なしに「足底腱鞘炎ってPTの範疇ですかあ?」と尋ねてみただけだった。

 「まあ、範疇っちゃ範疇ですけど」

 露骨に「それがどうしたオレにはカンケーねえしもう昼飯の時間だし」と顔に書いてある。でも負けないの。そんな織田先生(仮名)のぶっきらぼうな風情の下は、実は意外とキュートだって知ってるから。その場で足を見せながら、いえね先生、実はこうでこうで、この病院の整形外科で見てもらったらこう言われて、マッサージ院で見てもらったらこう言われて、という説明を一通りしたところ、横から織田先生(仮名)の上司にあたるK先生が話に入ってきた。

 「ああ、その内くるぶしの出っ張りは、外脛骨(がいけいこつ)だね。
  骨自体はもう治らないから、歩き方の矯正と、インソール(靴の中敷き)だなあ。
  丁度いい、
織田君、今、インソールの勉強中だよね。作ってあげなよ
 「えっ。ホントに?!」
 「ええ〜〜〜〜〜? 何言ってんすか!」

 露骨に嫌がる織田先生(仮名)。

 「あ、織田先生がやってくれるなら嬉しいですぅ。でもインソールって高いでしょ?
  治療院で聞いたら、1万数千円から2万円するって言われて迷ってるんですよう」
 
「練習だし勉強だし、材料費だけでいいよ、なあ織田君」

 
「ええええ〜〜〜〜〜?!」

 心の底から不満そうな織田先生(仮名)を「練習練習、はっはっは」と笑い飛ばすK先生。このチャンス逃してなるものかと「ホント? ホントに? いいの? ホントにいいのなら御礼するよ何でもするよ芸術のためなら脱ぐよ!」とすがりつく。

 「……時間のあるときなら。練習台ですよ。練習台。あと、脱がないでいいです」

 瓢箪から駒とはこのことだ。もちろん御礼はするよしますとも。
 基本ボランティアでやってくださるとなれば、時間だ何だと無理は言えない。ただせっかくそういう話になったんだから、とりあえず今日は実際に足だけでも見てもらおう。その場で「外脛骨って、これですよね」と靴下を脱ぐ。と。
 いつもクールな織田先生(仮名)が珍しく大声を出した。

 
「うわああ、すげえ扁平足!」

 ……え? ええええ? 扁平足? あたしが? 嘘っ、土踏まずあるもん!
 46年生きて来て、扁平足だなんて思ったことも言われたこともないもん!

 「どこがですか。一目見ただけで扁平足ですよ。写メ撮って送りましょうか」

 この瞬間から、あたしと織田先生(仮名)の静かな闘いが始まったのであった。(続く)

 付記:このやりとりの間、もくもくとリハビリ(床に座る練習)を続けていたダンナがぼそっと「オレはずっと、それ扁平足だって思ってた」と呟いた気がしたが、失語症なので何かを言い間違えたのだろう。そうに決まってる。

女子力について考える

 世間では今、女子会なるものが流行っているという。
 お嬢さん方が男性抜きで集まって、美味しいものを食べながらガールズトークに花を咲かせるのだという。

 つまり
昨日の茶話会&忘年会もまごうかたなき女子会であったわけで。
 たとえ平均年齢が(ごにょごにょ)であっても、それでも女子会に変わりはない。ガールズトークである。たとえ話題が肩凝りだの「イマドキの若者」への愚痴だの老親や姑や子どもへの愚痴だのであっても、断固ガールズトークである。世のガールズトークが「おしゃれと恋」ばっかりだと思ったら大間違いだ。

 そう言えば、ネットや雑誌などで「女子力アップ!」みたいな特集があると、たいてい中身はおしゃれと恋の話なのでウンザリしてしまう。ときどき資格だの稽古事だのがちょこっと混じる程度である。

 声を大にして──いや、フォントをゴシックにして言いたい。

 
真の女子力が試されるのは更年期近くなってからだ。

 仕事の責任・子どもの成長・親の加齢・自分の体の変化──そういったものがほぼ同時に押し寄せるこの年代こそが女子力が要求されるんだぞ。ガチだぞ。
 覚悟しておけ小娘ども。そして、自分のことだけ考えていればいい年代のうちに、いろんなものを吸収して、女子力を蓄えておくがいい。20年後30年後のために、な。

 いや、それでもまだ足りないかも。
 今の七十代の女子力、ハンパねえ……ということを日々実感する嫁の日々。
 女子力に磨きがかかるのは、もしかしたら還暦過ぎてからなのかもしれない。

月例茶話会&プチ忘年会

 今日は月に一度の、仲良しの三婆……げふんげふん、三人娘が集まって優雅な茶話会が開かれる日。レギュラーメンバーのこいんが所用につき欠席ということで、いつみ・かおかお・あたしの3人だけになり平均年齢が……げふんげふん、いや、つまりは、いつにもまして大人の女の茶話会である。

 もともとは「ダンナさんが倒れて大矢さんもいろいろたいへんだろう、何かお手伝いできることはないか」という、ありがたくて涙がでるような理由で始まったこの月例茶話会。その主旨通り、当初はあたしの苦手な裁縫を手伝ってくれたり、あたしの苦手な事務仕事を手伝ってくれたり、ダンナの回復を見て喜んでくれたりしていた。確かにしていた。そのための集まりだった。

 いつからだろう。
 ただ集まって、wii fit plus に興じてお菓子食べて帰るだけになったのは……(遠い目)。
 
 ということで今回は初心に戻ろうと、「あと1ヶ月半で今年も終わりだから、年明けに税理士さんが来るまえに、ここまでの領収書を整理しておきたいんだ、手伝ってよ」と意気揚々と持ちかけた。
 「今回はこいんがいないから、
彼女を仲間はずれにしては可哀想だ」というワケのわからない理由で、領収書整理は却下された……。
 この集まりが始まった当初は「ありがたくて涙が出る」と書いたが、なんか今は別の涙が出るんですけど。しくしく。

 それでも気の合う&話の合う友人と集まって遊ぶのは楽しい。肩凝りや筋肉痛を心配しながら興じるwii fit plus はそれぞれの一挙手一投足に大笑い。むしろ足腰より腹筋が鍛えられる始末。このwii はダンナの自転車友人がリハビリのためにとプレゼントしてくださったもので、理学療法士のT先生からも「自宅でwiiのスキージャンプやってください。あれはバランスと膝を柔らかくする練習になるから」と指示されるくらいだというのに、それを独占して「ペンギンが!」「ニワトリが!」「パンダが!」と大騒ぎの三婆。
 自転車友人やT先生に、この様子は見せられない。

 夜はそのまま近所の居酒屋に移動してプチ忘年会。ダンナには介護保険の配食サービスを頼み、自分は友人と飲みに出かける妻である。それでいいのだ。たまのことなんだし、息抜きは必要さっ。まあ、もう抜く余地はないってくらい抜いてる気もするが。

 その居酒屋は、前からくろけんと一緒に行ったり、〈ひとり飲み〉に行ったりしてて、すっかり馴染み。お刺身や肴をちょこっと注文して白飯と汁物なんていう注文ができるので、ご飯を食べる気分で飲みに行ける店なのだ。
 でもって先日試しに注文してみた牡蠣のバター焼きがそりゃもう旨くて、牡蠣の風味とバターの風味の混ざり具合が絶妙で、一口で惚れたのだが一皿6個は多い。味が濃いだけに、ひとりじゃきつい。ということで、今日は3人だから丁度いい、何はなくともその牡蠣バターを注文。 
 「こないだ牡蠣に当たった……」といういつみの目のまえで、かおかおと3個ずつたいらげる。うまうま。涙目でひとりアサリを注文するいつみ。だからさあ、食べられないんだからせめて目と鼻だけでも楽しませてやろうという友情じゃないか、なあ? うひひ。
 その他、真鯛の兜煮がでらうま。骨まで吸い尽くす。チーズだし巻きもうまうま。ジャガイモのバリバリサラダもうまうま。刺身の盛り合わせに入っていたウニが、とろとろの甘々ででらうま。そして安い。
 もう、すべての忘年会がこの店でいい。近いうちに、〈ひとり忘年会〉しにこよっと。