今週のワタクシ1/1

 というより昨年のワタクシと言った方がいいような気もするが。

12月26日 日曜日
 フィギュアスケートの全日本選手権、女子フリー。結果は順当なところだと思うが、29歳で最終滑走組に入る村主さんがすごい。スケート界の山本昌と言っても過言ではない。<過言ではないが失礼ではある、気がする。女性アスリートの現役年齢をもっともっと延ばしていただきたい。

 それにしても実況アナウンサーのわけのわからん比喩が何とも。「全日本のリンクは村主章枝の生活空間です」ってアンタ、氷の上にテントはって暮らしてるとこ想像しちゃったじゃないか。あと、国分太一は必要なんだろうか。
 番組構成自体も煽りが多くて、ムダな時間を使ってるようにしか思えないが──てのは大きなスポーツイベントの度に言ってることなので省略。地上波でお祭り騒ぎをやるなら、せめてBSかCSで純然たる競技の様子を見せる番組を作って欲しい。
 
12月27日 月曜日
 
週刊誌用の書評原稿を1本送って、年内の書き仕事はすべて終了。
 その後は大掃除の一環として、ガスコンロの掃除。重曹恐るべし。もとが何色だったか不明なほどの五徳がピカピカになった。あまりにキレイになったので使うのがもったいなく、夕飯は出前を取ることに。け、決して手抜きじゃないんだからねっ。

12月28日 火曜日
 年賀状投函。その他はひたすら大掃除をしている。

12月29日 水曜日
 お風呂の大掃除をして、これで大掃除も概ね完了。
 でもお風呂って、年明けに介護保険の業者さんが段差解消すのこのメンテに来ることになっているのだった。年末だからと今やるよりも、その直前にやるべきだった……。
 
12月30日 木曜日
 午前中に買い出しを済ませ、これで年越し準備はすべて完了、の、はず。

 夕方から名駅の居酒屋で、文春のI井さんと打ち合わせ兼夕食。年明け〆切のエッセイについてとか、昨年文春で解説を書かせてもらった文庫の売り上げの話とか、「オール読物」の江夏豊×宮城谷昌光対談がどえりゃあ面白かったってな話とか。
 
12月31日 金曜日
 お節を用意し、年越し蕎麦もあとはゆがくだけという状況にし、さあもうこれで年越し準備は完了だわ完璧だわ、とひとしきり自分を労ったあとで、あらためて今夜の夕食を作るという理不尽さにしばし悩む。

1月1日 土曜日
 
雪が降るぞと脅かされていたが、昨夜ちょこっと舞ったくらいで、日中は穏やかに晴れた良い元日。
 今年もよろしくお願いします。

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。
 向かいのマンションで飼われてる犬が除夜の鐘に反応し、鐘が鳴る度に吠えるのが面白くてベランダで凍えながら犬を見てたら年があけてしまったところの大矢です。まあ、ジャニーズのカウントダウンライブで今年もマッチが見られたからいいや、と。嵐はNHKからの中継で2曲歌っただけだったのは残念だったけど。

 2011年最初の一冊は米澤穂信「折れた竜骨」(東京創元社)でした。中世ヨーロッパ的世界を舞台にしたファンタジーと見せかけて実はロジカルな本格ミステリです。乾坤一擲、という言葉が相応しい力作であり秀作。感想はまた別途。さすが米澤穂信で、ファンタジー設定が苦手なあたしでもがっつり掴まれましたので、ジャンルで二の足踏んでる人がいたら大丈夫だよと伝えたい。
 なお、魔術だの剣だの吟遊詩人だのが出てきた時点でこめかみが痛くなり、あの「指輪物語」ですら途中で挫折したというヒロイックファンタジー音痴のあたしが、なぜ本書を新年一冊目に選んだかというと、ドラゴンズの今年の優勝を祈念するためです。
「折れた竜骨」、略して「オレ竜」。ね?

 さて、2011年の計画として。
 
ドラゴンズ連覇という100%他力本願の目標はもちろん大前提として掲げているのだが、仕事ではちょっと新しいことに挑戦してみようという目論見(というか悪だくみ?)があります。これはまたいずれ。
 あと、合間を見つけて、現代の3F小説をちょっと系統立ててまとめてみたい、とも思ってる。大人の女性が共感できて「
たいへんなことはいろいろあるけど、今日も元気に行きましょー!」と思えるような小説をもっともっと紹介できると良いな。

 家庭内のことに目を向けると、昨年はダンナの「ひとりで留守番」「配食サービス使ってひとりで食事」「ひとりで朝食準備」がクリアできた(これはすごいことですよ)ので、今年は
「タクシー使ってひとりで外出(通院)」を目指して戴きたい。が、ダンナ本人曰く、今年の目標は「GWの大分旅行完全走破」だそうな。まあねえ、去年は初日にコケたもんなあ。

 とまれ、今年もゆるゆるとまいりましょう。
 カリカリせずに、ゆったりのんびり。その中で、やりたい事や新しい挑戦をひとつずつ着実にクリアしていけるといいな。
 今年もよろしくお願いします。

2010年のまとめ

2010年のお仕事

今年もたくさんの本を紹介させてもらえて光栄でしたが、中でも嬉しかったのは、仁木悦子
「猫は知っていた」(ポプラ文庫ピュアフル)の文庫解説を書けたこと。あたしは中学時代にこれを読んでミステリにはまった──つまるところ、その後の人生を決定づけた1冊と言って良いほどのものなので、まさか長じて自分がその本の解説を(特に若い世代に向けて)書けるなんてえのはアンタ、冥利ですよ冥利。

もうひとつ、近藤史恵「サクリファイス」(新潮文庫)も単行本が出たとき(てか出るまえにゲラで読んだとき)から大好きで大好きで身悶えするほど好きな作品だったので、ご指名戴いたときはホントに嬉しかったなあ。この本については、もし他の人が解説を担当してたら嫉妬で身を焦がしていたであろう。こう言っちゃなんだが、書評業界で自転車について、特にカンチェラーラへの愛について語らせたらあたしの右に出る人はいないよっ。<語る範囲が狭過ぎ。<おまけに「サクリファイス」に関係なし。

初めて鮎川哲也賞のパーティに出席し、これまでメールや電話だけで失礼していた編集さんや作家さんにご挨拶できたのも、仕事がらみでは今年を代表する出来事だったと言えましょう。
飯田橋は時空が歪んでいるってことも体感できたしな。

2010年の事件

それはもう、ダンナの骨折&2ヶ月の入院に尽きる。
08年に脳出血で障碍が残り、でもリハビリ頑張って杖を使えば歩けるようになって、杖無しでもちょっとずつ歩き始めて、あたしの実家の両親にその姿を一目見せようと大分に旅行し、実家に帰る前に一泊した温泉で転んで骨折って、何その良く出来たネタみたいな展開。
あのときお世話になった友人各位&編集さん、ありがとうございました。
おかげさまであたしも1ヶ月間別府に滞在し、温泉三昧の暮らしをさせてもらったおかげでお肌つるつるです。その様子は
『本の雑誌』20108月号9月号に掲載した『ほげほげ温泉読書日記』でどうぞ。<とにかく何でも仕事にする。転んでもタダでは起きない。

そうそう、
『脳天気にもホドがある。』を出版したのも事件と言えば事件ですね(仕事のカテゴリには入らないよなあ)。お買い求めくださった皆さん、感想メールや感想ツイートをくださった皆さん、どうもありがとうございました。

2010年、印象に残った本

国内ミステリ:初野晴
『空想オルガン』(角川書店)
        これ単体で、ではなく、シリーズ3作まとめてという意味で。
海外ミステリ:マーガレット・デュマス
『上手に人を殺すには』(創元推理文庫)
        新刊を楽しみに待つシリーズがまたひとつ増えた。

その一方で、今年はコリン・ホルト・ソーヤー、エレイン・ヴィエッツ、ルイーズ・ペニーといったあたりの新刊が出なかったのは残念。来年に期待。

2010年、嬉しかったこと

そりゃもうドラゴンズのリーグ優勝に決まっとるがや!

2010年、悲しかったこと

大好きな作家さんの訃報が相次いだ。
作家さんが亡くなる度に同じことを思うんだが、北森鴻さんの訃報を聞いたときに書いたなまもの日記(
10年1月25日)を再掲します。

 作家さんの訃報に触れるたびに思う。読者にできる最大の供養は作品を読み続けることだし、業界の人間ができる最大の供養は作品を伝え続けることだ。司馬遼太郎を見よ。94年に訃報を聞いたときは驚き、あの背筋が伸びるエッセイや新作小説がもう読めないことを悲しんだが、ことあるごとに司馬作品はメディアで取り上げられ、新しい若き読者が生まれ、作品は脈々と読み継がれている。今や、司馬遼太郎が存命か否かなど関係ない。作品が読まれ続ける限り、司馬遼太郎は生きている。横溝正史然り、都筑道夫然り、山田風太郎然り、鮎川哲也然り。栗本薫も、ロバート・B・パーカーも、そして北森鴻も。

 時代を超えて残る作品を作り上げた人だけがなし得る、不老不死。

 そんな作家が「二度目の死」に見舞われるか否かは、ひとえに、読者にかかっているのだ。

北森さん、永井するみさん、お疲れさまでした。ステキな物語をたくさん、ありがとうございました。

2010年、まだ終わってないこと

年も終盤になって飛び込んできた、理論社倒産にまつわる一連のゴタゴタ。
複数の作家さんが理論社から作品を引き上げるという事態になってます。まだ片付いてないし、あたし自身は当事者ではないので、ただ心配することしかできないんだけど、作家さんやフリーの編集さんの仕事が少しでも報われるといいな、と願っております。

てか、フリーってのは立場が弱いのだなあ、とつくづく思うよ。自己防衛せねばならんなあ。