足の裏・計測編

 ダンナ担当の理学療法士・織田先生(仮名)にインソールを作ってもらうことになったのは、この日の日記に書いた通り。しかし基本ボランティアなので、ぜんぶ先生にお任せするのではなく、自分で出来ることはやろうという殊勝な心がけの大矢である。

 ってことで、今日は行きつけのマッサージ院でフットケアトレーナーによる、〈自分の足を知ろう:無料測定サービス〉というのを受けてみた。数値の他にフットプリントも戴けるというので、それを持って織田先生のところに行けば先生の手間も省けるのではないか、と。

 トレーナーさんは若くてキレイな女性。
「実はこれこれこういう症状がありまして、知り合いの理学療法士さんがインソールを作ってくださるので、その前に自分でも自分の足を知っておきたいなと」と説明する。

「その療法士さん、あたしの足を見て扁平足だなんて言うんですよ。
 ちゃんと土踏まずあるのに。ちょっと見て戴けますか?」
「扁平足って、本来はレントゲンをとって骨の状態を見ないと、
 見た目だけからはなかなか判断できないものなんですけど……」

 ほらぁ、一目見ただけで「扁平足」と断じた織田先生(仮名)に、このトレーナーさんの慎重な姿勢を見せてやりたいぞ! と思いながら靴下を脱ぎ、足を出す。と、間、髪を容れず。

 
「完璧な扁平足です(ズバッ)」

 えーーーーーっ。いや、見た目だけでは判断できないってアンタたった今言ったじゃん!

 「いえ、これはわかります。扁平足です。扁平足です。」

 繰り返さなくていいです。

 そしてトレーナーさんは問診票を見ながらあたしの足をつまんだり回したり折ったり伸ばしたり裏返したり畳んだりして、「関節がルーズですねえ……」と言った。本来足首が曲がるべき正面方向には固いのに、左右にぐらぐらしてると言う。「捻挫しやすいでしょ」「歩いてて何もないところで捻るでしょ」ええ確かに。わかるもんなのだなあ。

 次に台の上に立って計測しつつフットプリントを取る。サイズは右が23.8、左が23.6。そして足の幅は靴のサイズで言えば1Eだと言われて驚いた。あたしずっと今まで自分の足、幅広だと思ってたよ。3E履いてたよ!

 「足の骨が歪んでいるので、1Eだと擦れる部分が出るというだけのことです。
  サイズから言えば、1Eです。幅広の靴を履いてると中で足が動いて、捻り易くなります。」

 そしてそのあと、歩く様子をビデオ撮影。その映像と、さっき撮ったフットプリントを見ながらトレーナーさんが解説してくれた。

 プリントで見ると確かに土踏まずがあるように見えるけど、本来アーチになってなければならない箇所が潰れている。加えて、歩くときに外側から着地し、内側で蹴り出してるので不自然な荷重の移動が起きている。その結果、内側に力が滑ってしまってくるぶし部分の骨が出てきてしまった、と。その逆側が内にくびれてしまって、足全体の形が左右で >< ←こうなってるそうだ。

 もうこの骨自体は治らないので(行く先々でこう言われる……)、歩くときに足が外側や内側によれたりしないよう、踵と両脇をしっかりホールドする靴を選んでください、とのこと。
 それで勧められたのが、
ニューバランスのWW584という銘柄だった。いちまんごせんえん……しかし、今は足の上で荷重が横滑りしているため、膝の動きもブレているし、それは腰にも負担であるらしい。まあ、向こうも商売だから話半分としても、先々の医療費を考えれば決して1万5千円の靴ってえのは、高くはない、と思うのだが。

 このままこの治療院でインソールを作るのならこの靴でもいいんだろうが、そこは織田先生(仮名)に相談せねばなるまい。靴を買うかどうかは保留にさせてもらって(丁度のサイズの在庫がなかったので試着できなかったのだ)、とりあえず結果を持ち帰った。(続く)