「脳天」@栄・あおい書店
続いて黒田研二と一緒にスカイル5階のあおい書店へ。ここは昨日の時点では未入荷だったが、今日20冊だか30冊だか入る、という話を聞いていたので楽しみにしていた。どのコーナーかなー。ドラゴンズ本かな、闘病記かな、エッセイかな〜。
無い。
ぐるぐる探しまわるが、無い。20冊だか30冊だかというので平積み中心に探してたんだが、無い。店内の検索端末で見ると、「ここにあるよ」という場所が示されてるんだが、そこに行っても、無い。
しょうがないので店員さんに訊いてみたら、その「ここにあるよ」という場所に案内され、平台ではなく棚刺しの1冊を出してくださった。あれ? 1冊だけ? 病院の療法士さんたちに差し上げる本をここで買おうと思ってたんだが、1冊じゃあなあ……。
1冊しかない、というところでカミングアウトするのも恥ずかしいっつーか、申し訳ないんだが、実はこの本の著者でして、知り合いに配る本を何冊かまとめて買いたいと思いまして、と尋ねてみる。
「少々お待ちください……(検索している)あ、ございます。30冊入ってます」
どこに?!
その店員さん(若いお姉さんだった)は、「30冊なので、どこかにまとめて平積みしてると思うんですが」と言いながら探して下さる。いろんなコーナーを見てくださる。文芸書、話題の新刊、エッセイコーナー、スポーツ、医療……ってところはいいが、えっと、戦記物とか経済本とかのコーナーまで見ていただかなくても、たぶんそこには無いと思うが。てか、あったら店のポリシー疑うが。
「申し訳ありません、今日は担当の者が休んでまして、ちょっとどうなっているのか……」
「あ、お休みなんですか」
「はい、でも30冊入ってるのは確かですから、あるはずなんですけど」
「まだ入荷されたまま、荷物が解かれてないのかもしれないですね」
「はあ……」
「わかりました、また後日まいります」(←と言いつつ丸善で買って帰ろうと思っている)
「申し訳ありません」
しょうがないね、行こうかと同行の黒田研二に声をかけ、下りのエスカレータに乗ろうとした、そのとき。エスカレータ近くに、っていうかさっきまでずっといた検索機の目の前に。
ワゴン1台、まるごと脳天。
ギャース! なんだこれ。ずっとこの前にいたのにぜんぜん気付かなかったよ! まさかこんな置かれ方してるとは思わなかったよドアラ! っていうか、なぜ店員さんも気付かないんだこれに。
黒田とふたりして「なんだこれ!」とひっくり返る。慌てて取って返してレジの中にいたさっきの店員さに、「ありました! あそこ!」と指さしてみせた。
「はあ……」と不得要領な顔の店員さん。「写真撮っていいですか?」というこっちの問いにも「あ、はあ……えっと……」と、なぜか歯切れが悪い。
あれ? もしかしてさっきの店員さんと別の人に声かけちゃったかな?
いやあ、もともと映像記憶力が弱い上に、若い女性ってみんな同じ顔に見えるもんだからさあ。ま、いいか(いいのか)。と写真を撮った次第なんだが。
写真を撮りながら黒田が言う。
「なあ、これってスゴいんだけど、ただ……レイアウト作業、途中っぽくね?」
「あ、あたしも思ってた!」
「普通なら、これだけ積んだらPOPとかポスターとかついてそうなもんだけど」
「担当さんがお休みだって言ってたから、とりあえず開店前に荷解きだけしたって感じ?」
「そこで時間切れだったのかー」
「でもこうして、良い場所に積んでくれてるだけでもありがたいよ!」
良い場所の割に、店員さんですら見つけられなかったじゃないかというツッコミはさておき。
実はこのワゴン、大きい割にはそこに『脳天気にもホドがある。』があるとは、一見気付かないような仕組みになっているのだ。POPの類いが無くて作業中っぽく見えるというだけじゃない。もっと大きな罠──ありていに言えば、ミスディレクションがあったのである。
脇に「もしドラ」の立て看板が!
そんなところに『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』のでっかい看板置いてたら、どう見てもそこには「もしドラ」が積まれてると思うじゃないか!
何このミスディレクション。何このレッドへリング。っていうか、
看板が『もしドラ』・商品は『もえドラ』
って巧いこと言うてる場合か。いや、ホントありがたいんだけども、でも、『もしドラ』探してる人がここに来て本を手にとったら……戸惑うだろうなあ(笑)。
まあ、担当さんがお休みということで、いつまでもこのままじゃあるまい。あたしとしては、ドラッカーに客引きして貰えるならこんなありがたいことはないが、ドラッガー(の女の子)の方が迷惑だろう。今後あおい書店での『脳天』がどうなるか、栄に行かれた方はレポートをプリーズ。
明日(24日)は飲み会がてら、名駅の書店を巡るよ! カツオ君とワカメ! そうでなくて。刮目して待て!