初めてのパーティ・不死鳥編

前回までのあらすじ1

 9日、爆睡して起きたら雨。
 どっかでブランチでも食べて帰ろうかー、てな相談を黒田としていたのだが、一足早く帰路についたらしい太田忠司さんのツイートを見て、慌てて予定変更。なんとなれば、
「新幹線が満席でチケットがとれない」「1時間半足止め」などと書かれてるんだもん。

 とりあえず空きっ腹を抱えて東京駅へ。「雨だし、傘ないし、タクシー使うよ!」というあたしの決断に黒田も文句は言わない。てか言わせない。そして東京駅までは1430円。これくらいなら行きもタクシー使えば良かったと改めて臍を噛んだことは言うまでもない。ぷんすか。
 東京駅に着いたらばなるほどやっぱり満席で、電源も無線もない700系の喫煙車両しかとれない。それでも背に腹は代えられないので、取れる中で最も早いチケットをとり、弁当を買って車中の人となる。

 名古屋には午後1時着。名駅近くのスーパーで買い物をして2時頃帰宅。
 「ひとりでひとばんおるすばん」にトライしたダンナの顛末はまた項を改めて書くとして。

 頂戴した名刺を整理し、ネットで昨夜からのツイッターだのブログだのメールだのをざっとチェックしてみたらば。うわあ、そんな作家さんも来てたのかあああ、居るってわかってたら探したのにーーー、とノタウチ回る情報があちこちにあってケツが六つに割れる。米澤穂信さん、いらしてたのか。石持浅海さんもいらっしゃってたのか。ふんがー。

 そしてその一方で、「ご挨拶したい気持ちは山々なれど、どうせあたしのことはご存知ないだろうし、お仕事したこともないしなあ」と思っていた御大の方々については、よくよく考えれてみれば、直接の面識はなくとも担当の編集さんを知っているというケースが多いことに、今更のように気付く。

 文春のB嬢とは中日ファン仲間ではあるが、彼女は北村薫さんの担当なのだから、紹介してもらうよう頼めば良かったのだ。「アンタが来ると中日が負けるからCSには来るなよ」なんて話をしてる場合じゃなかったっつーの。あ、いや、それはそれですごく大事なんだけど。北村薫さんの面識を得ることと中日がCSに勝ち抜くことのどっちをとるかと言われたら、えーっと、その、北村さんとは今後も会えるかもしれないが中日の完全優勝のチャンスは次いつあるかわかんないしな。うん。あたしの選択は間違ってなかった。ホントに来るなよ
負け神B嬢

 そして同じ文春のIさんは、以前、桜庭一樹さんと食事をした際、あたしの話を出したことがあると言っていたことを今頃思い出す。Iさんに間に入ってもらえばスムーズに桜庭さんにご挨拶できたかもしれんのに、失念していた。まあ、そのときIさんがどんな流れであたしの名前を出したかというと、「大矢さんて人は、
赤朽葉家の毛毬とよく似た青春を過ごしたらしいですよ」という話だったらしいので、それを思い出されても困るのだが。てか、そんな暴露話をおつきあいの無い作家さんにしないように。>Iさん。

 その一方で、会えるといいなと思っていた人たちが欠席だったのは残念だった。近藤史恵さんと自転車の話をしたかったのになあ。「アンディのおなかの薄さって、あれ内蔵入ってんですかね」なんて話、他の人とはできんよ。それって鮎川賞パーティの場で話すことかというツッコミはさておき。
 貫井徳郎さんがいらっしゃらなかったのも、返す返すも残念。ダンナが入院していたとき、わざわざお見舞いに送ってくださったスープの缶詰セットの御礼を直接申し上げたかったのに。
 数少ない、お会いしたことのある作家さん──田中啓文さんとか水生大海さんがおいでじゃなかったのも寂しかった。次に機会があったらぜひお会いしましょう。てか水生さんには地元で会えばいいんだが。

 あ、そうか。近藤さんが出席されてたら、
飯田橋で時空の歪みにはまったときアドバイスを戴けなかったかもしれないんだ。そう考えると、近藤さんはあたしを助けるためにパーティを欠席して控えていてくれたという考え方もできる。世の中ってうまく回るように出来てるなあ。<いや、それはちょっと違うぞ。

 とまれ、お会いした皆さん、たいへんお世話になりました。
 お話させていただいた皆さん、どうもありがとうございました。楽しゅうございました。

 そして。
 受賞された三名の新人さん、おめでとうございます。
 って、これが今回の本筋。末筆ですみません。
 著作は拝読します。これからも畏れることなくいい作品をどんどん書いて、来年のパーティでは「安萬さん・月原さん・美輪さんにご挨拶したいな、誰か紹介してくんないかな」とあたしを右往左往させてください。期待してます。